DTCの次世代を担う若手社員には、どんなスキルやマインドが求められているのだろうか? 執行役員の長川知太郎氏と、入社4年目の同社コンサルタントの2人へのインタビューから学んでみよう。 長川 二人はなぜDTCに入社したいと思ったのでしょうか? 吉本 学生の頃は世の中にどんな仕事があるのかもよく分からなかったので、まずはいろいろな業界を見ることができるコンサルティングファームに行きたいと思いました。中でもDTCの面接官の方が、面接の際に私の良いところ、足りない部分を率直にフィードバックしてくれたのがとても印象的で。DTCなら成果を出せるビジネスパーソンに成長していけそうだと感じ、入社を決めました。 田口 私は第二新卒でDTCに入社しており、前職では金融機関にいました。転職時他社のファームには金融関係のポジションを提示されることが多かったのですが、DTCはその制約がなく、戦略策定から実行の支援まで、幅広い分野の案件に携われる可能性を感じ入社を決めました。 長川 密なフォローアップや幅広い分野の案件に関われるというのはDTCならではですね。実際に今二人はどのようなプロジェクトに関わっているのですか? 田口 現在は、ブランディング系の案件を担当していて、私とクリエーティブチームのメンバーが主導し、クライアントの長期ビジョンを社内外へ発信するためのコンセプトブックを制作しています。役割としては、プロジェクト全体のマネジメントと一部クリエーティブの業務を支援し、達成までをフォローしています。 長川 今までのコンサルタントというと、戦略を描いて意思決定をし、実行はクライアントに任せる、という側面がありました。しかし田口さんの場合は実行フェーズにも関わっているんですね。これから求められる新しいコンサルティングの形として、DTCにしかできない価値を提供している好例だと思います。 田口 そうですね。元々ビジョンをつくるところから支援をさせていただいており、今が実行フェーズです。コンサルティングとクリエーティブを掛け合わせることで、単に制作物を作るだけではなく、事業の可能性を広げたり、クライアントの仕事への向き合い方まで変化を起こせるように、仕掛けづくりも行っているところです。 長川 DTCにとっても未経験に近いビジネス領域ですから、私たちも大変期待しています。では、吉本さんはいかがですか? 吉本 私は外資系のクライアントに対して、企業内のコーポレート機能を1カ所に集約する「シェアードサービス」の改善を行っています。クライアントの課題を洗い出し、どういったビジョン・方向性で改善を進めていくのかをコンサルティングする案件です。コンサルタントが10名を超える大規模プロジェクトなので、先輩たちの業務を間近で見ることができ、学びの機会も多いです。 長川 なるほど。入社4年目にもなると、働く楽しさや自分の使命も感じ始める頃かと思いますが、吉本さんはどうですか? 吉本 私の担当案件は、クライアントの組織や業務の変革を行うものなので、先方の社内で反発されることも少なくありません。しかし根気強く向き合ってクライアントと信頼関係を築ければ、プロジェクトが成功した際に「DTCを信じて良かったよ」と言ってもらえることもあって。とても達成感を得られる瞬間だと思いました。 長川 これがクライアントへの最適解だという確信があれば、なぜ必要なのかを理論的に、根気強く説明するのはコンサルタントの重要な役割ですよね。では田口さんは、一緒に働くメンバーについてはどう感じていますか? 田口 年次関係なく尊敬できる先輩や上司がいることに加え、DTCならではの人の温かさがあると思います。特に私は入社後に、先輩たちの面倒見がとても良いことに驚きました。コンサルティングファームというと、漠然と合理主義的なイメージが先行しますが、全くそんなことはなくって。 長川 DTCのビジネスはグローバル規模の案件が多く外資系企業的ですが、育成に関しては密なコミュニケーションを大事にしており、日系企業的ですよね。私はこのハイブリッドスタイルはとても良いことだと思っています。では次の質問ですが、DTCの若手コンサルタントに今、求められているものは何だと思いますか? 田口 私は「自分の答えを持つこと」だと思います。よくコンサルタントに必要なのは仮説思考やロジカルシンキングなどと聞きますが、考えるだけでは意味がなく、そこからいかに自分ごととしてベストな答えを導き、クライアントに伝えるかが重要だと思っています。 吉本 私は「1回ヘコんでも、素早く切り替えて挑戦を続ける」ということがとても大事だと思います。もちろん、まだまだヘコむことも多いですけどね(笑) 長川 それこそコンサルタントは世の中の変化に柔軟に対応していかなければいけませんから、自分の目で確認することや、メンタルや思考の切り替えは重要ですよね。 吉本 そう思います。あと私は、コミュニケーション能力とタイムマネジメント能力はかなり求められていると思います。コンサルタントがバリューを出すためには、クライアントの課題をうまく引き出して最適な解を導き出す、ということが必要不可欠ですから。 長川 なるほど。ではそれらのスキルを、どのように磨いていますか? 吉本 上長に希望を伝えて、自分の強みが伸ばせそうな案件にアサインしてもらっています。あとはクライアントに育てていただいているなと思う場面もたくさんありますね。例えば「吉本さんはプレゼンが苦手なようだから、次からは彼女がプレゼンを担当して」とクライアントの方から苦手克服の機会をいただくこともあったり。 長川 「DTCは、良いクライアントに恵まれている」というのは、私も昔からよく聞いています。 田口 私も最近クライアントから言われた一言がすごくうれしくて。「皆さんのことは、発注先だとは思ってない。同志だよ」と言っていただいたことがとても印象的でした。これは先輩たちから受け継いできたDTCの誠実さや一生懸命さが、クライアントにも伝わっているんだろうなと思っています。 長川 私たちコンサルタントは、クライアントにとっての経営課題や社運を懸けたプロジェクトなど、一筋縄ではいかない案件を数多く扱っています。だからこそ考え抜き、悩むことだって多い。それでも変化を恐れずに、状況に合わせて頭や気持ちを切り替えて、その時々に最善の挑戦ができるといいですよね。
変革期を生き抜く“次世代”に求められることとは? DTCが見据えるコンサル新時代ここ数年、技術の進歩や世界情勢の変化に後押しされ、世の中のあらゆる領域で “大変革期”が叫ばれている。コンサルティングファームにおいても、ビジネスモデルや、コンサルタントのキャリア形成の在り方が大きく変化していくことが予想されており、「今まさにコンサル新時代が訪れようとしている」とデロイト トーマツ コンサルティング代表執行役社長の佐瀬真人氏は語る。では、そんな激動の時代に、次世代コンサルタントにはどんな成長が求められているのか?佐瀬氏および同社人事、現場社員へのインタビューから「新時代のコンサルタント像」を探る。 不確実性が増す世の中で、 ゼロからビジネスを創る力を育む デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)に限らず、今コンサルティング業界は大きく変わろうとしており、まさに「新時代」が訪れようとしています。中でもインパクトがあるのは、グローバル化とテクノロジーの進化によるクライアントニーズの変化です。 ここ数年、グローバル化に関するクライアントニーズは欧米や中国へのマーケット拡大が優先されていました。しかし、それらの市場の成長が徐々に鈍化してきたことにより、その他のマーケットを含めた海外戦略のポートフォリオをつくることが求められるようになったのです。 日本企業がグローバル進出をする上で、マーケティングの手法や組織づくりなどは、単純に横展開していけばいいというものではありませんから、コンサルティングファームにはより一層幅広い知識と対応力が求められるようになりました。 またテクノロジー分野では、5Gをはじめとする新たな技術がどんどん生まれてくる一方で、陳腐化も早く、取り残されないための企業戦略や研究開発が急務となります。そして、それらを活用するコンサルタントの知識も常にアップデートすることが求められるようになったのです。 このような外部環境の変化を受けて、これからのコンサルティングファームには何が求められるのか。われわれはもはや「正しい戦略づくり」だけでは足りないと考えています。今までのコンサルティングファームは、事業を構想することでクライアントに価値を提供していましたが、これだけ変化の激しい時代、不確実性の中で構想しただけの成果物では意味を成しません。 その際に、DTCがこれからもクライアントの真のパートナーとして選ばれる理由は二つあると考えています。一つはDTCのコンサルタントはプロフェッショナルとしてあらゆる事業領域を網羅しており、世界各国のデロイト トーマツ グループが有する監査・税務・法務・コンサルティング・ファイナンシャルアドバイザリーなどの強みを生かしてグローバル規模の案件をカバーできること。 さらにもう一つは、課題解決のスピード力です。クライアントが実現したいビジネスの検証と実行を、社内のリソースを使ってスピーディーに実践していけます。 例えば数年前であれば、1年かけてビジネスの計画や企画を精査し、次の1年で試験的にプロジェクトを実施。足かけ2年で、やっとサービスリリースが確定する、といったスピード感が一般的でした。しかし外部環境の変化が激しい今の時代は、ビジネスを3カ月で企画し3カ月で実証、と計6カ月でリリースするようなスピード感が求められています。 なぜDTCが他社に比べて、広範囲な領域でスピーディーなコンサルティングを手掛けられるかというと、DTCのコンサルタントは新卒の時から、複数の業種・業態のコンサルティング案件にアサインされ、幅広い領域をカバーできるスキルを身に付けているから。現在2700名を超える社員それぞれが、幅広い領域でプロフェッショナルといえるコンサルタントであることに加え、グループの総合力と国際力を生かせるDTCだからこそ、これからのクライアントニーズにもスピーディーに応えていけると確信しています。 先述したクライアントニーズの変化を受けて、若手コンサルタントが担当する仕事内容も変わっていくと思います。なぜなら、あらゆる産業で変革が求められている昨今、若手コンサルタントを中心にゼロスタートのビジネスを立ち上げる機会が増えているからです。新規ビジネスを立ち上げる機会が増えることによって、DTCでは若手のうちから、「ゼロから無限大の可能性をつくる」という醍醐味を体験でき、経営者視点を持ちながらビジネスを展開していくことができます。 それらの経験が、自分自身でビジネスを運用するアントレプレナーシップ(企業家精神)を醸成します。するとコンサルタント自身のキャリアやスキルに厚みが出るだけではなく、より一層高い視座を持ったビジネスパーソンへと成長することにつながるのです。 今までであれば、コンサルタントには担当する領域に関する知識など、ある程度の経験値を要するスキルが求められていました。しかしこれからは、答えのない問題を解く力や、過去の成功体験や業界の制約などに縛られないフレッシュで柔軟な発想力が求められるようになると思います。もちろん、従来と変わらず「自分はこの分野のプロフェッショナルである」といった得意領域を持つことも重要ですが、これからどうなっていくのか、未来のことが予想しづらくなってきた世の中では、データや経験値の範囲に収まらない提案こそがコンサルタントには必須になってくるはず。だからこそ、われわれはこれから入社する若手社員に一層の期待を持っているのです。 DTCでは近年、若手のうちからビジネスの現場をリードするコンサルタントを育成するために、新人の研修により一層力を入れています。中でも特徴的なのは、新卒入社直後に実施される約2カ月間の『BA(ビジネス・アナリスト) ブートキャンプ』と呼ばれる研修です。プロジェクトに配属されてすぐに役立つスキルセットのトレーニングや、チームワークを学ぶためのプログラムを用意しています。その中でもユニークなのは、研修の中で合宿や運動会などを実施すること。 コンサルタントは一匹狼のように仕事をすると思われがちですが、その仕事の本質は「チームワーク」です。他者を気遣い、切磋琢磨することの重要性を実践的に学びます。 基礎研修を終えた後、新人はプールと呼ばれる組織に所属し、複数のプロジェクトにアサインされます。複数の業種・業態のコンサルティングに携わることで、早い段階で自分の強みを見つけたり、自分が価値を出せる分野は何なのかを考えたりすることができるのです。また、必ず先輩社員がそばに付いて並走してくれることで、先述した新人らしいフレッシュで柔軟な提案を行いやすくなるでしょう。 このように、DTCには会社の同僚や上司との距離が近く手厚い研修がある日系企業的な側面と、実力主義で幅広い仕事を任せていくという外資系企業的な側面があります。そういった社風の中で、自分の専門領域を探しながら、アントレプレナーシップを育んでいくというのは、ファーストキャリアとして非常に有効だと、私は思います。 若手のうちからビジネスの現場に飛び込み、実践で使えるスキルを伸ばしながら「骨太なコンサルタント」になりたい人にとって、今のDTCほど良い環境は他にないでしょう。これから入社を考えている人には、DTCで「新時代のコンサルタント」として成長してくれることを期待しています。 「次世代コンサルタント」に求められる3つの力とは? 1.答えのない問題を柔軟に解く力 顧客に貢献できるビジネスは数多くありますが、お互いの利益が一致するビジネスはそう多くありません。自分自身の努力がお客様のためになる。また、顧客利益を追求し続けることが仕事の成果につながるという点は、まさに私が求めていた、本当の意味で顧客に貢献することができる仕事でした 2.制約にとらわれないフレッシュな発想 過去の成功体験や業界の制約などにとらわれていては、斬新な課題解決策は生まれてこない。若手ならではのフレッシュな発想や、「当たり前を疑う」能力は、時にプロジェクトに大きなブレイクスルーを生み出す 3.「自分ならでは」と言える専門的なスキル・能力 クライアントニーズの難易度がより一層高まる今、平凡な提案には価値がない。自分の得意な領域やスキルを見つけ、伸ばすことが、ニーズに見合った高いレベルの提案につながっていく 【人事インタビュー】時代の変化に対応する “次世代コンサルタント”育成の取り組み デロイト トーマツ グループが長年の歴史の中で培ったノウハウを強みに、グローバルで通用するプロフェッショナル人材を育成してきたDTC。これから活躍する“次世代コンサルタント”を育てるための取り組みを、人事担当者の押切麻理子氏に聞いた。 デロイト トーマツ グループ 新卒採用チーム マネジャー押切 麻里子氏 「DTCでは、今後時代の変化に対応できる“次世代のプロフェッショナル”を育てるための仕組みや機会を多く提供しています」 そう話すのは、同社人事担当の押切氏。DTCの新入社員は入社後に約2カ月間の研修『BA(ビジネスアナリスト)ブートキャンプ』でビジネスパーソンとしての素地をつくった後、実際のプロジェクトに参画し、現場で経験を積んでいく。 「入社後数年は、数カ月単位のサイクルでさまざまな領域のプロジェクトにアサインされます。専門性の高い各分野のプロフェッショナルたちの下で働くことで、コンサルタントとしての基礎スキルを身に付けるとともに、各業界や分野について学ぶことができます。そしてさまざまな領域を経験した後、適性や将来を考え自分の専門領域を絞り込み、更にスキルを積み重ねていく成長モデルです」 その後は各プロジェクトのマネジャー、プロジェクト全体を取り仕切るパートナーへとキャリアパスを歩んでいく。 「代表の佐瀬をはじめ、社内では次世代の活躍に対する期待が最高潮に達しています。コンサルタントとしての総合力・実践力だけではなく、高い専門性を持つプロフェッショナルに育ち、これから先のDTCをつくっていってほしい。そう考えるマネジャーやパートナーが多く、若手の方々が挑戦できる機会も豊富に用意されています」 若手の成長を大きく促す仕組みと組織風土が、今後必要とされるコンサルタントへの成長を加速させる。 取材・文/ワードストライク 佐藤大介 撮影/大島哲二
コンサルタントの仕事と成長は各社でどう違う? プロジェクト事例で知るコンサル業界 コンサルティングファーム各社の違いを、プロジェクト事例を基に紐解き、紹介していく本企画。20代の若手コンサルタントが挑戦できる仕事とは? そこで得られる成長とは──? 自分にぴったりの企業を探してみよう。 代表的なプロジェクト 飲食業界の大変革を生んだプロジェクト グローバルに展開するコーヒーチェーンの既存店舗の更なる成長戦略を構築。DigitalBCG Japanとも協働し、リアルタイムでパーソナライズされた顧客体験を設計。予測分析と機械学習を活用し、個人に応じたサービス提供やレコメンデーションの仕組みを導入。売上と利益増を実現した 日本からアメリカへ ビジネス拡大を大きく支援 某化粧品会社のアメリカ進出の戦略を支援。現地チームと連携し、現地のアジア人やヒスパニックなど、ターゲットグループごとのカスタマージャーニーを設計。定性、定量調査を行い、クライアント特有の技術が訴求できるグループを特定。ア メリカ進出の足掛かりをつくった ─ボストン コンサルティング グループ(以下 BCG)はどのような会社ですか? 荻原英吾氏(以下、荻原):BCGを端的に表すと、日本最大クラスの規模と圧倒的なクライアントポートフォリオを保有し、グローバルネットワークを駆使しながらクライアントの支援をする経営コンサルティングファームです。各産業を代表する企業の経営者やトップマネジメント層のブレーン役を担っています。特に日本から世界へ展開するグローバル案件の比率が高く、政府機関や官公庁もサポートしており、まさに「日本を支える」ファームであることが特徴です。 ─デジタル分野にも強い印象です。 荻原:技術の進展と安価化により、経営支援にデジタルを活用する意味合いが上昇したため、BCGではDigitalBCG Japanという組織を立ち上げました。経営アジェンダをサポートするデジタルの仕組みやツールの提供まで、大規模に行える体制が整っています。最先端の技術を持つエキスパートたちと協働し、経営変革を支えるデジタルの仕組みやツールを短期間で実装。戦略を提言するだけでなく、その企業に必要とされている構造改革をデジタルを活用しながらスピーディーに実現できる点が、他にはない強みです。 ─蟹澤さんは、新卒でBCGに入社されています。就職の決め手は何だったのでしょうか? 蟹澤侑子氏(以下、蟹澤):私は仕事を選ぶにあたり、社会全体に貢献できると同時に、人に対しても貢献できる仕事を選択軸の一つとしていました。戦略コンサルタントの仕事は、企業や社会の難題に取り組むクライアントに寄り添うものだったので、ぴったりの仕事だと感じました。中でもBCGには、CxOの信頼できるアドバイザーとして企業や社会のより大きな変革に携われる機会があり、経営者と対面で仕事をする機会も非常に多く、社会への影響が大きい点に惹かれました。 荻原:特定の分野までは絞られていなくとも、「日本の産業を支えたい」という思いを持って入社する方は多いですね。BCGのコンサルタントは、仕事の中で産業と社会全体を見る力が付き、自分の軸も定まっていきます。最初から業界や分野を絞って就職活動をせず、広く見る目を養った上で進む道を決めたいという人にも最適な会社と言えるのではないでしょうか。 ――最終的にBCGを選んだきっかけはありますか? 蟹澤:社員の方たちが、どの就活生に対しても非常に親身になってくれて、寄り添ってくれたことが印象的でした。就活生向けのつくられた顔ではなく、どの社員の方からも同じように誠実な印象を受け、クライアントに対しても真剣に向き合い、それが社会を変革するような仕事につながっているのだろうと感じました。BCGの社員の方たちはそうした姿勢が際立っており、彼/彼女らと、社会にも目の前のクライアントにも貢献できる仕事をしたいと思い、入社を決めました。この第一印象は、入社してからも全く変わっていません。 ――蟹澤さんは、最近どんなプロジェクトに携わりましたか? 蟹澤: 経済産業省の「未来の教室」実証事業に参加しています。本プロジェクトでは、これからの日本のあるべき教育の姿を描くところから、実現の方法を探る実証実験までBCGがサポートしています。今後の社会の中で必要な力を改めて定義し、それを身に付けるための学びの姿を描く。そんな、日本を変革するという非常に大きなミッションを担っています。国民全員が受益者になるため、日本全体を想定し、より良い方向に進むにはどうしたら良いか考える必要があります。 ――――やりがいのある仕事ですね。 蟹澤:はい。国をつくる人的資源を育成することは、幅広い視点で検討する必要がありますが、より広範囲に、よりダイレクトにインパクトを出せるという醍醐味があります。もともと教育の分野に関心があったことから、社内で手を挙げプロジェクトへの参加が決まりました。BCGには自分の関心のある分野の専門性を深めていくチャンスがたくさんあります。 ――――他にはどのようなプロジェクトに関わっていますか? 荻原:デジタル技術を活用して企業の構造改革を行い、会社の競争力や効率性を高めるといったテーマが増えています。BCGが過去行ったデジタルトランスフォーメーションに関する知見や成果を世界中からかき集め、それぞれの機能でどのような変革が可能かを検討します。DigitalBCG Japanとも連携し、企業の構造変革に必要な仕組みとツールを実際に作りながら戦略を実行。デジタルを活用し、海外チームとも連携しながらクライアントを支援しています。 ――――そうしたプロジェクトはどのくらいのスピード感で行うのですか? 荻原:最初の変革方針の戦略策定までは3カ月程度です。その後、約半年で実行フェーズを行います。例えばマーケティングであれば、消費者への直接的なコンタクトや、提案のパーソナライゼーションの仕組みの導入です。短期間で、効果的な組織変革を実現しています。 ――――社会に提供したい価値は何ですか? 荻原:BCGが関わることで、日本企業をグローバルスタンダードまで引き上げることです。企業のレベルが上がり、日本が業界のスタンダードをつくる存在にまで成長していけば、世界に対しても影響を与えられます。また、BCGではDigitalBCG Japanが持つ知見や技術など最先端のテクノロジーに触れる機会が多いのも特徴です。 ――BCGのコンサルタントのワークライフバランスについて教えてください。 蟹澤: 入社する前は、かなりのハードワークだと覚悟していましたが、良い意味で裏切られました。コンサルタントは、価値を出すことが評価軸です。短い時間で効率良く最適な解を出すことが一番で、長く働くことが評価される環境ではありません。忙しいタイミングが一切ないというと語弊がありますが、学生の中でよく話される業界イメージは、BCGには全くありません。また、長時間働こうとすると上司や監査する部署からチェックが入るシステムになっています。入社前に抱いていた労働時間や体力面での不安は解消されました。 ――――やりがいのある仕事ですね。 荻原:少し前のコンサルティング業界では、時間で効率と品質をカバーするという考え方がありました。しかし、強い負荷は、モチベーションの持続やクオリティーの高いアウトプットにつながりません。BCGでは、働く人の負荷をうまく分散し、現在約750名の社員が働く規模へと成長しました。最近ではハーバード大学と働き方について共同研究を行い、モチベーションを維持して働ける仕組みを導入するなど、より良い職場を追求しています。 ――――BCGのコンサルタントのキャリアパスを教えてください。 蟹澤:最初の5年間は幅広い業界を経験し、自分が興味を持てる分野や業界などを探っていく期間です。プロジェクトを遂行する中で、強みとやりたいことが見え、段々とキャリアに対するビジョンが形成されていきます。BCGは経営者との関係性が密であるため、若手であってもマネジメント層と仕事をする機会が多く、そういった面でも視座を高める環境があります。 荻原:良いインプットを得ながら、早いうちに経営者レベルの視座を身に付けることが大事です。興味のある分野だけでなく、一緒に働く中で何に強みがあるのか、どういう能力をこれから習得すべきかをサポートしていきます。人を育てる背景は、BCGの文化だけではなく、これからのコンサルタントに求められる「特化した専門性」にも起因しています。昨今のクライアント企業には経営コンサルティング経験者が在籍していることも珍しくなくなっています。BCGとして評価されるためには、クライアントが持っていない専門性が必要不可欠です。多少弱い領域があっても明確な強みや尖ったものを持ったメンバーでチームをつくることで、クライアントの課題に最適解を出せると考えています。 ――――最後に、蟹澤さんの今後の目標を教えてください。 蟹澤:現在関わっている案件を経て、官公庁セクターで大きな価値を出せるコンサルタントになるのが目標です。また、クライアントの考えを深く理解すると同時に、「BCGの蟹澤さんに仕事を頼みたい」と思ってもらえるコンサルタントになりたいです。 Interview Report 若手コンサルタントにとっての成長機会が豊富!高いモチベーションで働き続ける仕組みがある企業 コンサルティング業界をけん引するビックファームBCG。コンサルタントとして働くということは、実力を求められるだけでなく、フィジカルとメンタルの強さが問われるというのが定説だった。しかし、蟹澤さんをはじめとする、BCGで活躍する多くの若手コンサルタントにとっては「メリハリを付けて働く」という考え方が基本となっていた。若手コンサルタントが成長するための仕組みが整備されているのは、日本で50年以上の歴史を持つコンサルファームならではだろう
機械と人間の協働とは アクセンチュアが描く、今後のAIビジネスの道筋AIによって世界経済には今、大きな革命が起きている。ビジネス界が大きくAIに軸足を移す中で、先端テクノロジーに強みを持つアクセンチュアはどのような道筋を描いているのだろうか。 先端技術で良い変化を 生み出すことこそが使命 これから先、デジタル技術自体はもはや差別化要因にはならず、その特性を生かした戦略的な取り組みを進めることが重要です。それを当社では「ポストデジタル時代」と定義し、世界のテクノロジートレンドに関する最新調査レポート『Accenture Technology Vision 2019』ではAIの重要性を発信しています。 特に日本の場合は人口減の問題が深刻です。2035年には人口の3分の1が高齢者になり、20年後には人口が1億人を下回るというのは避けようのない事実。現状のままでの経済成長は見込めませんが、AIを活用した場合の潜在的効果は先進国の中で最も大きいという試算も出ています。つまり、これからの日本にとって、AIが果たす役割は非常に大きい。 AI活用を企業や日本の成長につなげるためには、機械で自動化すべきことと人間がすべきことを定義する必要があります。AIはアルゴリズムをつくって終わりではなく、データから学習し、進化していくもの。AIを正しく進化させるためのデータをどう集めるのか、自社の強みは何なのか、そして集めたデータを生かすための整備はできているのか。AIを活用するためにやるべきことは多々あります。要は、「AIに全てを任せれば上手くいく」という単純な話ではないのです。 ですから、「とりあえずAIを活用したい」というようなAI導入の依頼は、お断りすることもあります。AIの黎明期である今は、「良さそうだから」というイメージからAI活用を考える企業も少なくないのですが、AIは万能のツールではありません。課題を解決したり、企業の強みを伸ばしたりする上で、最適な方法はAIとは限らないのです。 また、近年は「AIに仕事が奪われる」といった話が目立ちますが、全ての仕事がAIに置き換わることはありません。AIと人間では得意なことが異なります。 例えばAIは、大量の情報を集めて、24時間高速処理することができます。画像認識などのセンサリングも高度化し、人間の五感を上回るものも出てきている。このように定められた目標を最適化することが得意である一方で、目標そのものは人間が設定する必要があります。だからこそ「解決すべき課題がどこにあるのか」を考えることがより重要なのです。 また、「この選択は倫理的にどうなのか」といった判断も機械には任せられないものですよね。 中でも人間特有の能力として重要性が増していくのが、「共感」です。共感されたいという思いは普遍的なものであり、職場など、自分が活動する場所への共感がモチベーションを左右し、その結果として成果物の質に違いが生じます。人間は機械に比べて多様です。そこに企業の差別化要因が生まれ、「AIに置き換えられない仕事」があるのだと思っています。 AIが実現する次世代の業務プロセス 先述した通り、AIはつくって終わりではなく、データを更新し続けることで徐々に最適化されるもの。つまり学習期間を見込んで、素早くサービスを立ち上げる必要がある。そのために当社では、『AI HUBプラットフォーム』を提供しています。さまざまなAIエンジンが生まれる中で、各々の得手、不得手や特徴を捉えて適切な技術を組み合わせることができ、さらにあらゆるデータがこのプラットフォームを経由することで効果的に学習し、進化します。お客さまの多様なニーズに応える高品質なサービスをスピーディーに提供できるのが強みです。 実例として、次世代型のコンタクトセンターが挙げられます。従来は利用者とオペレーターの一対一でのコミュニケーションが前提でしたが、コンタクトセンターは人材難で、今のままでは応対スピードが落ち、顧客満足度が低下するという課題を抱えています。そこでAIを導入し、顧客からの要望や商品リクエストに対して、人間と同様に提案できるように設計をしました。利用者から高度な質問を求められた場合には、オペレーターに接続されるようになっています。その際、オペレーターにはAIが伝えた内容や利用者の回答が提供され、AIのサポート付きで利用者とコミュニケーションを取ることができます。 このサービスはさまざまな業種で活用でき、他に航空会社のカウンター業務支援でも試験的に活用を始めています。顧客と会話する空港スタッフの音声をAIが認識、理解し、手元のタブレットにその時に必要な情報をリアルタイムに表示する。利用者の利便性はもちろんのこと、スタッフが自ら情報を探し回ることがなくなるため、スタッフの業務負担の軽減にもつながっています。 企業のバックオフィス業務をAIが対応する可能性を追求すべく、『アクセンチュア・インテリジェント・オペレーションセンター福岡』という新たなサービス拠点を今年開設しました。先端的なデジタル技術の活用によって業務プロセスの自動化を目指す上での中核拠点です。人間とAIの協働による、次世代の業務プロセスを探っています。 経営者やコンサルタント視点から見ると、労働力不足が進む中、企業はコア業務に人員を集中させる必要があります。大切な社員を、その社員が本当にやるべき業務にいかにシフトさせるか。それを実現するためにAIができることは幅広いと日々感じています。 いろいろな可能性があるのがAIですが、実は当社ではAIを売りたいという観点でのビジネスはしていません。さらに言えば、「売らなければいけない技術やサービスもない」と考えています。何よりも大切なのは、お客さまが抱えている課題に真摯に向き合い、最適な提案をすることに他なりません。その際に、コストやスピードの観点からAIが最適である場面が今の時点では多いというだけのことです。 また、新しいサービスをお客さまと創出するためには、お客さまの目先の利益追求を手伝うだけでは不十分。同時に、例えば労働人口の減少といった社会課題と向き合うことを考えるべきだと私は思います。そんな観点を持ちながら多くのお客さまに向き合い、アイデアを提供することで、各業界、日本社会、さらには世界が良くなっていくことを体感できる。そんな機会や実現性があるのが、アクセンチュアという会社です。それこそが私が当社で働く理由であり、AIをはじめとした先端技術で世の中に良い変化を生み出すことが使命だとも思っています。
機械と人間の協働とは アクセンチュアが描く、今後のAIビジネスの道筋AIによって世界経済には今、大きな革命が起きている。ビジネス界が大きくAIに軸足を移す中で、先端テクノロジーに強みを持つアクセンチュアはどのような道筋を描いているのだろうか。 コンサルティング×AIの醍醐味 ──お二人はこれまで、どのような仕事を主に手掛けてきましたか? 堺 メインの業務として、カスタム開発を担う業界横断のグループで、AIの専門家集団をリードしています。担当業界は非常に幅広く、多様なお客さまの難度の高い課題に向き合う日々です。 また、さまざまな部署から約150名が参加するAIの社内勉強会や、グローバルを含む社内全体で実施するAIハッカソンの日本開催時のリードも担当しています。 高橋 私は現在入社2年目で、テクノロジーコンサルタントとして堺の下でプロジェクトを遂行しています。お客さまの課題と要件を定義し、AIを使った提案を行い、実務レベルまで落とし込んだサービスを提供すべく業務を行っています。また、PoCでのプロトタイプ開発など、エンジニアとしての仕事も担当しています。 ──高橋さんはいつからAIに興味があったのでしょうか? 高橋 大学時代から、ディープラーニングをビジネスに生かすことに興味がありました。アクセンチュアは技術を持っているだけでなく、実際のビジネスにまで落とし込んだ事例が数多くある点が志望理由の一つになりましたね。この分野は社会的なニーズが多く、さらに私自身も関心があるので楽しく仕事ができています。 堺 高橋からは研修の時点で、AIに関する理解度の高さや素養を感じていました。何より、彼の熱意と向上心がチームで活躍できている理由です。コンサルティング業界で働く上で向学心は不可欠。特に技術分野では、学び続けなければ取り残されてしまう。お客さまの課題解決を通じて知識や経験を得るだけでなく、能動的に学び続ける姿勢が重要です。 高橋の場合は独自にAIと自己能力診断ツールを用いた分析システムを構築し、チームメンバーを分析するなど、仕事以外でも趣味としてテクノロジーに楽しんで取り組めているのが強みですね。 AIに携わっているからこそ、ビジネスの可能性を日々感じられるテクノロジー コンサルティング本部シニア・マネジャー堺 勝信氏アクセンチュアの先進テクノロジーを提案・構築するチームリーダー。現在はAIを主軸に、お客さまの課題解決から日本法人のAI勉強会の開催などに携わる ──お二人が手掛けたAIビジネスの具体例を教えてください。 堺 さまざまなお客さまの課題をAIで解決してきました。例えば、サービス解約用の電話番号にかかってきた内容を分析し、解約者数を大幅に引き下げることに成功した事例があります。お客さまにとって利用者からの解約の連絡は、サービスを継続してもらうための提案ができる最後のチャンス。効果的なアプローチができれば、解約を防ぐ防波堤にもなります。言い回しやプランの説明の仕方一つで解約件数は大きく変わるので、A/Bテストを実施するなど、顧客セグメント毎の効果的な提案を解析しました。 高橋 人手による機器の型番チェックの手間が業務課題となっていた企業に、AIを使った業務改善を行った例もあります。機器に記載されている型番をAI OCR(画像から文字を抽出する技術)で読み取るのですが、機器が屋外に設置されている場合、汚れや経年劣化でラベル上の全ての文字が読み取れないことも多々あります。OCR技術は昔よりもずっと発達していますが、それでも実際の画像から一言一句を正確に読み取るのは難しいため、類似文字列を検索する技術を併用することで、型番特定精度が向上するよう工夫しました。 このように、AIエンジンはさまざまな技術と組み合わせて開発する必要があり、コーディングスキルだけでなく、問題を解決するためのアイデアが求められます。 ──AI関連の案件を手掛ける醍醐味は何だと思いますか? 堺 ビジネスにおいて大きな広がりと可能性を日々感じることができるのは、AIに携わっているからこそだと思います。人間の作業をAIで置き換えるといった利便性が注目されがちですが、本質的なビジネス課題の解決や新サービス・新ソリューションの立ち上げにつながることも多いのです。 例えば、先ほどの事例以外にも、ドローンと画像解析処理を組み合わせて工場プラントのメンテナンスに活用する、大量のトランザクションの中での不正検知を行うなどの応用が可能です。まだまだ多くのサービスや業界に成長の余地があることを感じています。 高橋 お客さまが喜んでいる実感があるところです。あるお客さまが開発したチャットボットに名前を付けて、愛着を持って接してくださったのは印象的でした。 また、新たな可能性を発見できるのも、AIを含む先端テクノロジーの魅力。当社では社内の問い合わせに回答する社員向けAIコンシェルジュ『Randy-san』を導入し、24時間のチャット対応を実現したことでバックオフィスの業務負担が削減されました。他にも聴覚障がいを持つ社員とデザインシンキングを行い、リアルタイムで発話内容を字幕化するだけでなく、発言を促すための音声合成も可能なコミュニケーションツールを開発しています。 想定外の可能性を発見できるのも、先端テクノロジーの魅力テクノロジー コンサルティング本部高橋一輝氏2018年新卒入社。顧客提案からビジネス改善のためのサービス構築など、幅広い業務を担当 ──若手テクノロジーコンサルタントの高橋さんは、今後どのような成長をしていきたいですか? 高橋 アクセンチュアにはさまざまなテクノロジーの専門家や、AI領域だとデータサイエンティスト・AIエンジニアとして最先端を走っている人が数多くいます。でも、我々の扱う“ビジネス現場でのAI活用”の領域はまだまだ黎明期です。これからいろいろなロールモデルが出てくる中で、自分なりの成功体験を生み出して、後輩の見本になりたいですね。お客さまに対しても社内に対しても能動的に提案を行っていくことで、少数精鋭のAI専門チームで、社内外から求められるコンサルタントへと成長したいです。 堺 アクセンチュアには自分が興味のある分野を極める環境だけでなく、得た知見を発表する機会も多くあります。個々人の学びはハッカソンや勉強会などの大小の情報共有の場を経て、それぞれのコンサルタントやエンジニアの強みとなっていきます。高橋をはじめ、業務外でもいろいろな取り組みを積極的に行う若手が増えており、勉強会が乱立し過ぎてしまったために整理が必要な程です。 先進技術に率先してトライできる『アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京』という場も、若手の成長速度を上げています。最先端テクノロジーやトレンドの知見を広げ、ベンチャー企業とのコラボレーションも生まれていますね。 AIはお客さまからのニーズが高い分野ですから、これからも仲間を増やして、新たなビジネスを広げていきたいと思っています。大規模なビジネススキームで成功体験を積み、コンサルタントやエンジニアとして成長するチャンスがあるのは大きな魅力。若手のうちから面白い案件と多く出会える可能性は高いと思いますね。
コンサルタントの仕事と成長は各社でどう違う? プロジェクト事例で知るコンサル業界 コンサルティングファーム各社の違いを、プロジェクト事例を基に紐解き、紹介していく本企画。20代の若手コンサルタントが挑戦できる仕事とは? そこで得られる成長とは──? 自分にぴったりの企業を探してみよう。 代表的なプロジェクト 自動車業界が挑む大変革MaaS事業化プロジェクト 日本の繁栄を支えた自動車産業は今、EV、自動運転、カーシェア、ライドシェアといった革新の波の中、MaaSという新しいサービス群を事業として成立させる挑戦を続けている。MSOLは世界のリーディングカンパニーが手掛けるこのMaaSプロジェクトに、数年前から全面コミットしている 自由化へ動き出したエネルギー領域の事業再編 発送電分離に代表される電力事業自由化や、再生可能エネルギーの可能性の増大など、さまざまな要因でエネルギー業界は再編へつながる大きな変化の中にある。生き残りだけでなく、新事業創出に挑む業界内で、大手事業者のイノベーションプロジェクトに最上流フェーズから参画している 次世代イノベーションを形にする 真の成果にこだわり抜くプロ集団 “成果”という明快なゴールに向かって価値を提供する。端的に言えば、それがマネジメントソリューションズ(以下、MSOL)と他ファームの決定的な違いです。実行面も支援することをうたう企業は増えてきましたが、戦略系ファームは最上流の課題抽出・戦略策定に重きを置き、IT系のファームはシステムの開発や実装をゴールとして設定するケースが依然として多い。その結果、複数ファームが参画するプロジェクトでも、クライアントが求める成果に至るまでの道のりに、いくつもの“すき間”が空いてしまっています。 一方、ビジネスシーンは先の見えない混沌とした時代に突入し、あらゆる企業が前例のないイノベーションを確立するべく、チャレンジを繰り返しています。不連続かつ不透明な環境下で変革を起こそうとすれば試行錯誤はついて回るものですが、だからこそ確かな成果を追求しようという気運も高まっているのです。イノベーションに真剣に取り組む企業であればあるほど、従来型プロジェクトのあり方に限界を感じています。「どんなに優れた戦略でも、どんなに先進性の高い技術でも、それだけでは成功しない」という理解の広がりがMSOLの成長を導き出してくれているのです。 例えば、100年に一度と言われる大変革に取り組む自動車業界は、いわゆるMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)事業の確立を急いでいます。自社で高めてきた自動車製造技術だけでは差別化が困難となる未来へ向け、AIなどのデジタル技術も意欲的に取り込みながらプロジェクトを進めており、そこには従来の枠を超えた多様なパートナー企業や専門家が参画してきます。自社のみで行っていた従来型プロジェクトでさえ“すき間”だらけの実情に苦慮していた企業は、さらに高難度の挑戦を強いられているのです。 他方、エネルギー業界でも劇的なパラダイムシフトが起きています。再生可能エネルギー導入も含めたエネルギー事業の自由化・多様化という時代の波が、あらゆる関連企業に変革を求めているのです。電気会社がガスも提供したり、ガス会社が電気を提供したり、あるいは規制緩和により全くの異業界から企業が参入してくる、といった変化はすでに始まっています。 M&Aも含めた企業連携や、異領域の技術集団とのオープンイノベーションなど、同種の変革は、あらゆる分野で起きていきます。そしてプロジェクトを進行させる上でのフェーズとフェーズ、組織と組織、あるいは企業と企業がバラバラであったら、決して“成果”というゴールには到達できません。 分野連携がイノベーションの鍵 問われる“マネジメント”の本質 では、コアバリューである「マネジメントの実行支援」を担うMSOLは、どんな役割を果たしているのか。一言でいえばPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)という立場なのですが、旧来のPMOのイメージ、つまり「ヒト・モノ・カネ・技術といった要素の管理を請け負う立場」とは一線を画します。 MSOLが担うのは、これらのバラバラな要素をすべてつなぎ、ゴールに向かって価値の最大化を引き起こす役割。ただの管理人ではなく、最上流の課題抽出から、その実行局面であるプロジェクトの運営を主体的にリードし、文化の違いも埋めながら、参画するすべてのプレーヤーを巻き込んで共通のゴールに引っ張っていく。それこそが「マネジメントの実行」なのです。 従来型のコンサルタントに求められてきた地頭の良さに加え、当事者すべてに共感していける素直さも備えていなければ務まりませんが、そうして真の“成果”に全面的にコミットできることこそがMSOLの醍醐味。以前よりプロジェクトのアジャイル化が進んだ分、少人数で参画する機会も増えており、若いうちから責任ある仕事に就く機会は多くなっています。大企業の若手社員では関われないような最先端プロジェクトに、MSOLの20代のメンバーが中心メンバーの一人として参画するケースも見られます。 多様なチャレンジ局面と向き合い、責任を果たしていくことに誇りと喜びを求めたい人であれば、必ず期待を超える成長実感を得ていける。私はそう確信しています。 Interview Report 地頭の良さがコンサルタントの成長を決めるわけではない MSOLが推進する自律的な人材育成環境 上場した今も成長を加速し続けるMSOLにあって、創業期から最前線に立ち、幾多の大規模プロジェクトを成功に導いた後藤氏。直近はアジアに軸足を置き、グローバル化に注力をしてきたものの、帰国後は特に人材教育に心血を注いでいる。社員自らが教える役目を担う自発的セミナーも含め、実に1カ月に10回~15回は何かしらの人材育成プログラムが稼働しているとのこと。“自律的キャリア形成”を理念とするMSOLならではの主体的成長環境が次々とマネジメントのプロを生み出しているのだ
コンサルタントの仕事と成長は各社でどう違う? プロジェクト事例で知るコンサル業界 コンサルティングファーム各社の違いを、プロジェクト事例を基に紐解き、紹介していく本企画。20代の若手コンサルタントが挑戦できる仕事とは? そこで得られる成長とは──? 自分にぴったりの企業を探してみよう。 代表的なプロジェクト 先進技術を世界に届けるプロジェクト 医療の飛躍的な進展への貢献が期待される再生医療技術において、海外のデロイトメンバーと一体で、各国市場に最適なビジネスモデルを提案。各国でのルール形成、新規プレーヤーとの協業やサプライチェーンの構築などを通じ、市場の機会を最大限に活かしたビジネスの実現を目指した 新規事業の立ち上げを通じ第三創業の実現へ 世界のスタートアップの企業情報やテクノロジー情報を一元的に検索し、分析できるプラットホーム「TechHarbor」を開発。これにより、企業が有する技術トレンド分析や市場モニタリングが可能となり、先端テクノロジーのトレンドを迅速に把握し、企業のExponential な成長を支援している トップ企業の経営層と同じ目線で世界を見据え高く広い視座に立つ コンサルティングファームを志す学生の中には、ビジネスパーソンとして成長するだけでなく、社会に対してインパクトのある仕事を手掛けることに期待して就職先を選択する人も多いのではないでしょうか。コンサルティングファームは、クライアントの戦略策定が中心の戦略系、人事やM&Aなど特定の業務に強みのある業務特化系、システム構築を請け負うIT系、そしてデロイト トーマツ コンサルティング合同会社(以下、DTC)をはじめとする戦略策定から実行まで一貫して支援する総合系の4種類に分類されています。私は総合系のコンサルティングファームの中でも、幅広いサービスを提供しているDTCへ新卒で入社しました。 私が思うDTCの特徴は、世界中に広く事業展開しているクライアントを支援するというスケールの大きさです。特に、業界トップクラスの企業に向けたさらなるグローバル化やビジネスモデル革新などの支援を強みとし、多くのナレッジと、グローバルに展開するグループ拠点との連携力を有します。 DTCは、企業の組織、機能、目的に対応して特有の課題を解決する「オファリング」サービスと、さまざまな業界・業種ごとの専門的知識・経験を有するプロフェッショナルによる「インダストリー」サービスと呼ばれる二つのサービス軸に分かれており、私はライフサイエンス領域に特化したインダストリーユニットに所属しています。製薬や医療機器を中心とした企業を担当しており、新たなビジネスモデルの策定や、産官学の垣根を越えた提言の実施などを支援してきました。中でも、大手製薬企業2社の合弁による新規事業会社の設立は、製薬業界においてのモデルケースとも呼べる程の成功を収めました。設立当時にニュースとして取り上げられた新聞記事の切り抜きは、自分自身が働いた証しとして今でも保管してあります。 ライフサイエンス領域に限らず、複数企業がそれぞれの強みを持ち寄り、会社の枠組みや垣根を越えて連携しなければ、グローバルでは生き残れません。今後は、業界全体や社会全体における新たなルール策定など、利害が絡み合うプレーヤー同士をつなぎ合わせ、合意形成を実現する必要のある案件がさらに増えていくでしょう。 若手が長年働ける環境において積極的な姿勢が求められる職場 DTCでは、新卒で入社するコンサルタントに対して「ファーストステップ支援」と「独り立ち支援」の二つを提供しています。入社後は質の高いコンサルティングスキルやマインドの研修を経て、コンサルタントとしての土台を整えます。研修後は、Pool Unitと呼ばれる組織に配属され、専門領域を定める前に多様な案件を経験します。 プロジェクトにアサインされて気が付くのは、経験年数を問わず難易度の高いプロジェクトに参画することと、どんな若手でもコンサルタントは積極的にバリューを出さなければいけないということです。特に後者のバリューについては、配属後すぐに部門のトップや経営者と議論する場に出向くことも少なくありません。新人としてではなく、DTCのコンサルタントとして見られているということを忘れてはいけません。自主的に専門性を高める努力をしながら、現場で貪欲に知識を吸収することで、早くからの独り立ちを期待されています。そして、コンサルタントとして経験を積んだ3年目くらいからは、自身がトレーナーとなる立場へ。育てられたら、育てるという文化が根付いています。 志望する業界において自身の専門領域をつくって深めたいという人にはDTCは最適な環境です。実力があればハードだけれども自身の早期成長や社会へのインパクト創出につながる案件に向き合えます。 これからのコンサルタントは、フレームワークを活用して成果物を作る能力以上に、新しいものを会社や人と共に創造する力や先見性が求められると思います。DTCで働くことは、単にキャリアが得られるだけでなく、コンサルタントとして深く多角的に考える思考力を身に付け、やりがいのある仕事と向き合えるということです。自分自身を試し、より成長してみたい人は、ぜひ挑戦してみてください。 Interview Report UP OR OUTではないDTCの懐の深い若手支援はコンサルタントしての成長を力強く後押し DTCは、総合系ファームのトップ群の一つでありながら、若手社員からの成長の道筋がしっかりと描かれているのが印象的なファームである。Pool組織にて、さまざまなオファリングやインダストリーを経験し、キャリアの方向性や適性の見極めを支援するという、長期的な成長支援を行う文化がある点が特徴の一つだ。成長した社員が、同じように若手を成長させることに投資を惜しまないという点は非常に印象的であり、「人を育てる」という風土が業界をリードするDTCの推進力となっているようだ
コンサルタントの仕事と成長は各社でどう違う? プロジェクト事例で知るコンサル業界 コンサルティングファーム各社の違いを、プロジェクト事例を基に紐解き、紹介していく本企画。20代の若手コンサルタントが挑戦できる仕事とは? そこで得られる成長とは──? 自分にぴったりの企業を探してみよう。 代表的なプロジェクト 10カ月という短期間で経費精算の次世代化を実現 塩野義製薬の経費精算プロセスおよびシステムの次世代化を支援。全社員5000名が対象という規模の大きさと電子帳簿保存法に対応する難度の高さながら、僅か10カ月で導入を完遂。このほかERPのクラウド化など、多様なテーマで企業のDX実現を支援する活動を加速させている 合併会社の設立によりコンシューマー事業へ進出 ユナイテッドアローズ、博報堂DYメディアパートナーズと共に合弁会社「株式会社fitom」の事業を開始。試着シェアアプリ「fitom」の開発と運用を通じて、アパレル通販サイトの活性化や実店舗と販売スタッフの一層の活用、オムニチャネル化による新たな買い物体験を創造する 変化を恐れず挑戦し続ける新時代のアグリゲーター集団 企業や組織の壁を越えて、自在にチームを組んで成果実現を目指す「アグリゲーション」は、シグマクシスの特徴的なアプローチです。もともと事業戦略策定、業務・システム変革、組織・人財変革、プロジェクトマネジメント、M&Aなど、多様な能力を持つ集団として立ち上がった当社ですが、お客さまの課題をスピーディーかつ高い品質で解決することを追求するうち、自前主義にこだわらず社外の能力や技術を積極的にアグリゲーションすることが不可欠だ、という結論に行きつきました。プロフェッショナル一人一人が持つネットワークを全体で共有するため、課題解決の選択肢は年々広がり続けています。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が叫ばれ始めてからは、最先端のテクノロジーや開発スキルを持つベンチャー企業との連携も加わり、幅広い領域にわたる活動は私たち自身の知見も深める循環を生んでいます。 今や企業同士の関係が「競争」から「共創」に変わりつつあるように、コンサルタントに求められる価値も大きく変わっていく時代です。変化を先読みし、柔軟かつ俊敏に自ら進化し続けられることも、シグマクシスの強みの一つ。だからこそ私たちは、周囲との連携力や豊かな想像力、一つの領域にとどまらない知見の習得への貪欲さを大事にしています。新卒入社であれば特に、専門性は後からついてくるもの。与えられた仕事をこなすだけでなく、その仕事の先に何があるのかを理解したうえで自分が何を学ぶべきかを捉え、多くの仲間をつくることが、独自の価値を生み出すアグリゲーターへの第一歩になると思います。 実践的な研修で試行錯誤しコンサルティングの本質を知る 入社後に学ぶ機会も豊富です。社内研修やプロジェクトで得たナレッジの共有会に加え、海外カンファレンスに参加する機会も多数あります。私自身は約7年前に新卒入社後、4カ月にわたる集中トレーニングを受けました。ビジネスマナーやPCスキル、ロジカルシンキングや課題解決力など、コンサルタントとしての基本動作の習得はもちろん、実践的なプログラムも組み込まれていました。実在する企業への事業戦略策定プロジェクトやシステム設計・構築プロジェクト、自治体に向けた地域活性事業の企画・提案プロジェクト。研修でありながら実際のプロジェクト現場と同じスピード感でアウトプットを創る緊張感、想定しなかった壁に突き当たりながらの試行錯誤、そしてお客さまからの生の声は、この仕事の本質を知る経験でした。 研修修了後は、放送業界のお客さまに向けた経理・財務領域のシステム変革プロジェクトに参画しました。10数社あるグループ企業を対象とする3年以上の長期にわたる案件で、お客さまと膝を突き合わせて課題解決に取り組んだこの期間は、さらなる学びの連続でした。会計関連の専門知識を深めたことに加え、日々小さな成功を重ねながら前進する充実感、大きな目標を果たした時の達成感、その一つ一つをお客さまやビジネスパートナーと共有することで築く信頼関係、自分ならではのネットワーク構築など、研修では知り得なかったことばかりです。 以来、会計領域を軸に仕事の幅を広げつつ、自分なりのスタイルを確立して来ました。その一つはお客さまの課題を自分事として捉え、「自分の仕事はここまで」と領域を決めず、成果につながることであれば周囲も巻き込みながらチャレンジすること。この繰り返しで、お客さまにとって「なくてはならない存在」になることこそが、この仕事のやりがいだと思えるようになりました。今後はビジネス環境がより複雑化していきますから、お客さまにとってベストな選択肢であれば、専門外の領域にも踏み込むつもりです。例えばお客さまやビジネスパートナーとのジョイントベンチャーの設立もありえますし、先端技術を持ったベンチャー企業との連携もあるでしょう。簡単なことではありませんが、自己成長はチャレンジの繰り返しがあってこそ。変化を恐れず、自らの言葉に責任を持ちやり切る楽しさを味わい続けたいと思いますし、その喜びを共にできる仲間を増やしたいと考えています。 Interview Report 自らのミッションへの信念と機動力、実行力が 既成概念にとらわれない新たな価値を生み出す コンサルティング、事業投資と運営、ベンチャーキャピタルへの投資など事業形態の幅広さも同社の特徴だが、その中心には常に「顧客やビジネスパートナーとの協業を通じた社会への価値提供」というミッションがある。このミッションを共有するコンサルタントが社外とのハブとなり、機動力と行動力を駆使して多様な人財や技術をつなぎ、既成概念を超えるアイデアを組み立て実行している。次世代の社会を創り、力強くリードしていく人財を生み出す「道場」のような環境だと感じた
コンサルタントの仕事と成長は各社でどう違う? プロジェクト事例で知るコンサル業界 コンサルティングファーム各社の違いを、プロジェクト事例を基に紐解き、紹介していく本企画。20代の若手コンサルタントが挑戦できる仕事とは? そこで得られる成長とは──? 自分にぴったりの企業を探してみよう。 代表的なプロジェクト Watsonの活用による購買部門のコスト削減 人が通常集められる以上の膨大な情報を集め、人の意思決定を支援するWatsonをクライアントの購買部門に導入。最新のサプライヤー情報を瞬時に入手することを可能にした結果、取引先のアセス メント時間を70%短縮し、データ収集ルーティンを93%削減するなど大きなコスト削減を実現した メガバンクのアジア拠点標準化プロジェクト 業務プロセスをグローバルに標準化し、効率化を目指した案件。あるべきプロセスと現実とのギャップを埋めるべく、アジアの全拠点を回って各国の関係者とコミュニケーションをとり、課題の見える化と国や地域ごとの多様性を吸い上げ、全員が同じ方向を見てゴールに向かうことができた 独自の最先端技術と人の力でお客さまのビジネス課題を解決 データサイエンスやロボティクスといったデジタルテクノロジーの活用でビジネスを変革していく時代が来ていることは、すでに多くの人が認識していることと思います。私たちIBMのコ ンサルタントも人の意思決定をサポートするIBM Watson(以下、Watson)やアナリティクス、RPAなど、先進性の高いテクノロジーの数々を保有する強みを生かしてコンサルティングを進めることが当たり前になっています。しかし、それは私たちがIBMの人間だから推奨しているわけではなく、お客さま側が先端テクノロジーの活用を求め、その効果に期待をしているからです。 例えばお客さまがいち早くRPAの活用を開始している中で、コンサルタントがそこで生じた課題の解決にあたるケースも珍しくありません。つまり、これからの時代に最適なソリューションを提供するためには、コンサルタン トは先端技術をお客さま以上に理解している必要があります。そしてIBMのコンサルタントのアドバンテージは、最先端テクノロジーを自分たちの仕事にも取り入れ、その可能性を貪欲に追求できる環境があるということです。 例えばIBMでは、社員のスキル評価にWatsonを導入。マーケットニーズやスキルレベルを学習したAIが、各社員の能力を算定し、「給与を●%上げ るべき」という目安をマネージャーに提案する仕組みが機能しています。私自身はサプライチェーン領域のコンサルタントとしてWatsonを活用した プロジェクトに携わっています。製造業のお客さまにとって、優れたサプ ライヤーを見つけ出すことが不可欠で、これまでは商社から情報を取り寄せたり、インターネットを駆使したりしていましたが、情報収集や判断に膨大な時間がかかっていました。しかし Watsonを活用すれば候補サプライヤーを短時間で提示してくれます。時間と手間が劇的に軽減され、今では絞り込まれた選択肢を吟味でき、より高度な 判断ができるようになりました。 コンサルティングファームでありながら、事業会社としても独自のテクノロジーを持つIBMであれば、コンサルタントとしてこれまで解決できなかった課題を解決し、お客さまの変革を支援することができるでしょう。 充実した教育環境と社員の主体性を後押しする風土 一方でIBMは、技術がハイスピードで進化するため陳腐化も早く、新しいものへと移っていくことを熟知してい ます。現代ではあらゆる技術が約2.5年で陳腐化すると言われており、コンサルタントは次々に学び、「さらにその先」へと目線を向ける必要がありま す。そのため、学びの機会を設け、教育へ投資する動きをさらに加速させており、教育カリキュラムの数も増えています。技術進化と陳腐化のスピードを超える成長スピードを獲得するため、クラウド・ネイティブなアプリ開発スキルやデータサイエンスのスキルを社員が学んだり、専門技術者や営業担当だけが受けていた先進カリキュラムをコンサルタントも受講したり、人材育成面での強化が進んでいます。 ただし、テクノロジーがどんなに進化しようとも、経営の改善や変革を決定づけるのは人。私はむしろIBM最大 の強みは人にあると確信しています。 その理由は、多様な経験とバックグラウンドを持つ人材がそろい、互いのチャレンジを後押しする風土があるからです。 育休明けに自ら担当を志願し たあるプロジェクトを例にご紹介します。それはお客さま内で日の目を浴びていなかった間接材購買領域のポテンシャルを分析し、改革の必要性の有無を見極めるプロジェクトでした。何十 万件ものデータを解析した結果、戦略から組織、人材育成、ITと全ての領域で、当該の間接材の価値を見出すことができ、予算や人員の急拡大を実現。 子育てとの両立で時間の制約がありながらも、上司や国内外のあらゆる分野に存在するIBMの有識者を巻き込みながら、最良のアウトプットを追求することができました。 IBM内の人のリソースの豊富さ、そして「手を挙げた者勝ち」の社風の裏に「手を挙げた者を勝たせる」つながりがあることも改 めて実感しました。成長を主体的に目指す人に、こうした環境があることを知ってもらえたら嬉しいですね。 Interview Report テクノロジー・ドリブンの時代、理想的な環境がそろう IBMだからこそ、「人」の力が最大の強みとなる 先端技術を自らリードしているIBMにいることで、デジタルトランスフォーメーションの時代にクライアントが求める最高水準 のテクノロジーを提案できる。これが同社の強みなのは誰もが想定するところだが、 田町氏が最も強調したのは「人の力がIBMの強み」という部分。技術的な優位性も、さらに充実度を上げた教育環境もすべては人の主体性あってこそ。そして、自らやりたいことに手を挙げるメンバーを当たり前のようにサポートする社風。それこそが同 社で働く醍醐味なのだ
コンサルタントの仕事と成長は各社でどう違う? プロジェクト事例で知るコンサル業界 コンサルティングファーム各社の違いを、プロジェクト事例を基に紐解き、紹介していく本企画。20代の若手コンサルタントが挑戦できる仕事とは? そこで得られる成長とは──? 自分にぴったりの企業を探してみよう。 代表的なプロジェクト 医療ビッグデータを活用し疾病の重症化を予測 とある疾病に罹患している患者が、どのようなケースで重症化してしまうのかという要因を医療ビッグデータ、及びAI・マシンラーニングの解析技術を用いて分析。その結果をもとに疾病の重症化を予測するモデルを構築し、クライアントと共に論文として提言 画期的新薬の上市に向けて戦略の策定・実行を支援 数多くの画期的新薬の上市に向けた開発戦略、メディカル戦略、マーケットアクセス戦略、マーケティング戦略、営業戦略などを一貫して支援。戦略策定にとどまらず、実行支援まで手掛けられるのも、社内で臨床開発、エビデンス構築、MRなどの実行部隊を構えるIQVIA独自の特徴 専門特化×医療ビッグデータでヘルスケア領域の変革をリード 世界70カ国にオフィスを構え、100カ国以上にヘルスケアサービスを展開しているグローバル企業IQVIA。その日本法人として、国内においてIMSを前身に半世紀以上の歴史を持ち、業界屈指のコンサルティング、医療ビッグデータ、テクノロジーに強みを持つIQVIAソリューションズ、世界最大級のCSO(コントラクトMR)、CRO(臨床開発)部隊を保有するIQVIAサービシーズが融合し、ヘルスケア業界でビジネスを展開するクライアントの成長を支など高難度な疾患領域へのフォーカス、AIやロボットといったテクノロジーの進化などにより、ヘルスケア業界は世界中で大きな変革期を迎えています。クライアントからも、組織改革などの既存ビジネスモデルの変革、新たな医療の枠組み作りや新制度への対応、Beyond the Pil(l 医薬品の枠を超えた価値提供)への取り組みやテクノロジー企業との提携といったイノベーションへのチャレンジなど、次世代の組織やビジネスを創るための戦略策定、実行支援といったコンサルティングを依頼されるケースが急増しています。 ここで最近のプロジェクト事例を一つ紹介します。とある製薬企業より、医薬品ビジネスの枠にとどまらない、将来の企業成長につながるような新規事業を検討したいという相談をいただいた時のことです。特にヘルスケア関連のテクノロジーに注目していたため、最先端の事例や技術を検討に取り入れるべく、アメリカの有名大学教授陣をアドバイザリーボードとして招致した現地でのワークショップを開催。当社のグローバルメンバーも交えてBeyond the Pill戦略を練り上げていきました。最終的には、ヘルステックベンチャーへの投資検討、意思決定まで支援していきました。最先端の新しい領域であっても確実に成果まで結び付けることができるのは、ヘルスケアに特化したグローバルチームとネットワークを持ち、世界中の実例をもとにコンサルティングを行うことができる当社ならではの特徴といえるでしょう。 新しい医療の枠組みを作るという高い視座と志が必要不可欠 薬ではなくアプリが医師から処方される「デジタルセラピューティクス」など、この業界では新しい概念が次々と生まれています。変化が激しい今だからこそ、新卒採用では、ヘルスケアに強い興味を持ち、業界の変革をリードしていきたい、新しい医療の枠組みをクライアントと作っていきたいという高い志がある方にお会いしたいと思っています。もちろん、医療関連の勉強をされてきた方、医療ビッグデータの利活用に興味のある方など大歓迎ですが、ヘルスケアに対する志がある方であれば、入社時点で特別なスキルを持っている必要はありません。 また、グループとしてヘルスケアに関連するさまざまな事業を展開しているため、社内には医師や疫学専門家、データサイエンティストなど多岐にわたる分野のスペシャリストが多数在籍。多彩なメンバーたちとプロジェクトを成功に導いていくことができるのも当社の大きな魅力です。 入社後は、マネジャーや先輩コンサルタントとプロジェクトに参画し、基礎スキルや医療関連の専門知識、そしてコンサルタントとしての立ち振る舞いやマインドを学んでいただきます。「あなたがいたから素晴らしい成果が得られた、ありがとう」という言葉をクライアントから頂けるような経験を積んでほしいと考えています。 ヘルスケア特化のコンサルタントとして働くということは、普遍的な専門性を身に付けるということ。自身の成長を実感しながら、ヘルスケアという業界を自らの手で変え、新しい医療の枠組みを創造する。そんなやりがいを当社で掴んでください。 Interview Report 世界に影響を与えるヘルスケアの新しい仕組み作りに 携わるチャンスがここにある ヘルスケア専門のコンサルティングファームとして企業の課題解決に向き合ってきた同社。最近では医療ビッグデータやAIなどを活用した案件も増加中。そうした先進的な取り組みから、世界中で国家・研究機関と連携してヘルスケアに関する仕組み作りをリードすることも年々増えているという。「業界の変革をリードする」と言うと大げさに聞こえるかもしれないが、それが実現できるだけの実績とグローバルネットワーク、専門家人財を有する同社であれば、決して絵空事では終わらないだろう