「働く」を誤解していた
先輩たちが「失敗」から学んだこと
AIの登場により、私たちは瞬時に「正解」を得られるようになった。一方で、仕事には、効率やタイパだけではたどり着けない学びもある。
一足先に社会人になった先輩たちは、どんな失敗や経験を経て“仕事の本質”を知っていったのか。等身大のエピソードを通じて、「検索して得た正解」をなぞるだけでは見えてこない、働くことのリアルをひも解いていく。
リード
一部ではなく全体を見渡しチームを先導する
コンサルタントとしての裁量と責任を痛感
仕事でどんな失敗した?
今でも思い返すのは、自分が担うべき業務の範囲を見誤り、プロジェクトの進捗を止めてしまったことです。入社後、証券会社のトレーディングシステムの保守を経た私は、金融取引所の基幹システムを作り替える大規模リプレイスプロジェクトに参画しました。100名規模のプロジェクトで、私は設計の一チームのリーダーを任せてもらうことに。しかし、システムの仕組みや画面の仕様を具体的に詰め切る山場で、他チームとの間に仕様のずれが生じていることが判明したのです。全体の計画に遅れが出ることを懸念した私は、自ら手を挙げフォローに入ることにしました。しかし「どこをどう修正すべきか」の調査から解決案作りまで相手の領域に踏み込んでしまい、自分のキャパシティーを大きく超えてしまっていたのです。気付けば自チームの設計書確認に手が回らず、私がボトルネックとなってチームを機能不全に陥らせてしまいました。顧客との細かな調整はメンバーに切り分けにくく、周囲に依頼できないまま、身動きが取れなくなっていったのです。最終的には上長とプロジェクト統括に相談し、新たにレビュー担当の先輩に入ってもらうことで、数カ月後には全ての対応を完了。自分が頑張るだけでなく、チームで最大の成果を出すことに価値がある。コンサルタントという仕事の本質を、この経験で初めて学んだのです。
仕事への取り組み方はどう変わった?
この経験以来、「自分がどれだけやり切ったか」が成果ではなく、チーム全体が前進している状態をつくることに注力しました。仕事の主語を「自分」から「チーム」へと切り替え、自分自身すらも一つのリソースとして俯瞰する。どう動かせば全体最適につながるかを判断することこそがコンサルタントの仕事であると認識を改めたのです。この視点はAI活用にも活きています。まずは私が「AIで高品質なたたき台を作る仕組み」を一から構築。誰でも一定以上の成果物を作れる土台を整えた上でメンバーに展開し、量産する体制へ変更しました。全員が迷わず動けるようになり、チーム全体のスピードと成果は飛躍的に向上しています。
今後どんな仕事に挑戦したい?
目指しているのは、より上流の構想段階から顧客と関わることです。システムの方向性そのものを話し合う段階から携わり、お客さまが真に解決したい課題は何か、という本質的な問いと向き合っていきたいです。その先に見据えるのは、目標とする上司の姿です。開発の細かな仕様も理解し、お客さまの金融業務にも精通している。専門家の間に立ち、共通言語でプロジェクトを前進させるプロフェッショナルを目指しています。そのためにいつも問い続けているのは、「顧客や組織の課題に対して、今自分が取るべき最善の行動は何か」ということ。全体を俯瞰しながら最適解を導き、コンサルタントとして胸を張れる自分でありたいです。

当社には、年次や枠組みにとらわれず実力以上の役割を任せる「ストレッチアサイン」の風土があります。上司が部下を細かくマネジメントするのではなく、一定の裁量を持たせつつも、本人が声を上げれば全力でサポートする。そんなセーフティーネットがあるからこそ、若手は安心してチャレンジでき、「失敗」も成長のノウハウとして昇華できるのです。私自身、入社2年目でスキップ(飛び級)を経験したように、実績に応じて早期昇進も実現できる環境。挑戦した分だけ、キャリアを広げられる場所だと思っています。


