「働く」を誤解していた
先輩たちが「失敗」から学んだこと
AIの登場により、私たちは瞬時に「正解」を得られるようになった。一方で、仕事には、効率やタイパだけではたどり着けない学びもある。
一足先に社会人になった先輩たちは、どんな失敗や経験を経て“仕事の本質”を知っていったのか。等身大のエピソードを通じて、「検索して得た正解」をなぞるだけでは見えてこない、働くことのリアルをひも解いていく。
相手を理解する姿勢なしでは人は動かない
思い込みで動かずに事前に密な対話を
仕事でどんな失敗した?
入社3年目の頃、お客さまのメールシステム移行プロジェクトにおいて、事前の合意形成が不足し、関係各所に大きな負担をかけてしまったことがあります。数千人が利用する古いシステムを安全な新環境へ約1年かけて移行する案件で、私は若手ながらお客さまとの折衝から関係各所との調整までを幅広く担当しました。このプロジェクトはお客さまが安全にシステムを継続利用するために不可欠なものです。だからこそ、当然お客さまは協力的に動いてくれるものだと思い込んでいました。しかし、お客さまからすれば機能追加があるわけではなく、これまで通り同じシステムを使い続けるだけのこと。メリットを感じられないままにお客さま側の業務負担が増えた結果、対応の優先順位が下がってしまい、計画どおりに進められませんでした。社内や協力会社を含め、多くの人に迷惑をかけることになったのです。
ここから学んだことは、思い込みはプロジェクトの妨げになるということ。私にとっては「更新は当然」でも、お客さまの業務に直接的な利益をもたらすわけではない取り組みでした。利用する人の納得と協力があり、はじめてプロジェクトが完遂するのです。同じ目線で一緒に歩んでもらうためにどのように協力者になってもらうか。相手の立場を想像し、膝を突き合わせて話すことこそが、プロジェクトを動かす第一歩だと胸に刻みました。
仕事への取り組み方はどう変わった?
どんな仕事においても、まずは計画を立てる前段階からステークホルダーと対話をし、認識の擦り合わせを行うことから始めるスタンスに変化しました。「実は別の視点でこういった課題がある」「並行して相互作用し合うプロジェクトが進行している」など、プロジェクトの一歩目で多くの意見を取り入れることで、私個人では気付けなかった事情や表面化していない潜在的な課題をキャッチアップできます。そうすることで、認識のゆがみを未然に防げるだけでなく、同じ目標に向けて協働する関係者の納得感を高めることにもつながるのです。足並みもそろい、チームで最大の成果を出すためにも有効なアプローチだと確信しています。
今後どんな仕事に挑戦したい?
部署や企業の垣根を越え、多様なノウハウや人材をシームレスにつなぐ「協働の仕組み」をゼロから作り出したいです。過去の失敗から、優れた技術も人が連携しなければ機能しないということを深く学びました。正解のない複雑な課題に向き合う時代だからこそ、多様な専門性が強く結びつきながら協働できる環境を提供し、働く全ての人を根本から支えるプロフェッショナルを目指したいと考えています。
何年先になるかはわかりませんが、将来的には自らがお客さまの大きな課題発見から解決策の提案までを先導したい。サービスオーナーとしてお客さまの業務効率化や働きやすさに直結する価値を提供したいです。

野村総合研究所には、手厚いサポート体制と社員の成長を後押しするカルチャーが根付いています。例えば、現場配属後は先輩社員が直属のインストラクターとして付きます。業務手順に加え、「お客さまにとってなぜその仕事が必要なのか」という意義まで寄り添いながら丁寧に教えます。また、計画の方針やその考え方に至るまでのプロセスを経験豊富な上位者に報告し助言を受けるレビューでは、客観的かつ多角的に物事を捉える視点が若手のうちから養われます。豊富な支援を通じて、相手に寄り添い価値を生む人材へと成長できます。


