「働く」を誤解していた
先輩たちが「失敗」から学んだこと
AIの登場により、私たちは瞬時に「正解」を得られるようになった。一方で、仕事には、効率やタイパだけではたどり着けない学びもある。
一足先に社会人になった先輩たちは、どんな失敗や経験を経て“仕事の本質”を知っていったのか。等身大のエピソードを通じて、「検索して得た正解」をなぞるだけでは見えてこない、働くことのリアルをひも解いていく。
京都支店 リテール営業
良い商品を勧めることが正解だと思っていた
顧客の課題と向き合わない提案は選ばれない
仕事でどんな失敗した?
失敗したのは、入社1年目の秋のこと。当時は株式や債券、投資信託と、覚えるべき幅広い商品知識をまだつかみ切れておらず、自信を持って説明できる米国株の投資信託を一つ覚えると、「まずはこれで勝負しよう」と、どのお客さまにも同じ提案をしようとしていました。その商品は、比較的リスクを抑えやすく、多くのお客さまに勧めやすかったため、「これを勧めることがお客さまのためになる」と信じて疑いませんでした。ところが提案前日、課長に相談すると「そのお客さまは過去に似た商品を売却している。その理由も聞かずに提案するべきではない」とストップがかかりました。指摘を受け、気付いたのは、結果を急ぐ焦りがあったことです。私が起点にしていたのは、お客さまのニーズではなく、自分が話せる商品。あのまま提案していたら、お客さまの信頼を大きく損ねていたはずです。振り返れば、そのお客さまがなぜ同じ商品を手放したのか、どんな運用のご意向をお持ちなのかを、知ろうともしていなかった私。上司にかけられた「証券会社は商品を売る仕事じゃないよ」という言葉で、資産コンサルティングの仕事とは、お客さまを深く知り、寄り添うことだと気付かされました。提案とは、商品を語ることではなく、お客さまを知ることから始まるもの。それを教えてくれた、忘れられない失敗です。
仕事への取り組み方はどう変わった?
変わったことは、会話の中身です。運用のご意向だけでなく、趣味やご家族のこと、飼っている犬の名前まで伺うようになりました。お客さまの好きなキャラクターのグッズを見つけたら電話をすることも。株はどの証券会社でも同じように買えるからこそ、最後は人柄で選んでいただくしかないからです。仕事に直接関係のないことでも、お客さまのことを深く知り、誠実に向き合うことで、潜在的な深いニーズにも気付けるようになりました。早く結果を出そうと焦らず、じっくり対話を重ねることで本質的な課題の解決ができます。そうすることで、大口資金のご相談をいただくなど、新規開拓で億単位のお取引をいただけています。
今後どんな仕事に挑戦したい?
法人のお客さまへの提案を極めたいです。個人のお客さまと違い、法人は経理のご担当者に提案しても、役員会や社長の決裁を通さなければ取引には至りません。その間、資料の数字が変わるたびに作り直すなど準備は大変ですが、扱う金額が大きく、企業の経営に関わっている手応えがあります。実は、新規開拓で法人の口座開設を実現したことが、この面白さに気付いたきっかけだったのです。将来的には、より大きな企業を担当する法人系の部署にも挑戦したいと考えています。そのためにも大切にしたいのは、信頼の積み重ね。お客さまにも社内の仲間にも誠実に向き合い、信頼される存在であり続けたいです。

新入社員一人一人にチューターの先輩が付き、提案前には課長が必ず中身を確認してくれるなど、周囲のサポートは想像以上に手厚いです。制度面も充実しており、資格試験に合格できなかった場合でも教材費などの学習費用を会社が負担してくれる『学びファンド』があります。これに加え、希望部署への挑戦を後押しする『ジョブ公募』に加え、『ジョブチャレンジ』も用意されています。実際に同期の社員は、本社のグローバルマーケッツ部門への異動をかなえました。挑戦したい社員の背中を押してくれる環境です。


