「働く」を誤解していた
先輩たちが「失敗」から学んだこと
AIの登場により、私たちは瞬時に「正解」を得られるようになった。一方で、仕事には、効率やタイパだけではたどり着けない学びもある。
一足先に社会人になった先輩たちは、どんな失敗や経験を経て“仕事の本質”を知っていったのか。等身大のエピソードを通じて、「検索して得た正解」をなぞるだけでは見えてこない、働くことのリアルをひも解いていく。
「私がやらなきゃ」の責任感が裏目に
周囲を巻き込む力がチームを前へ進める
仕事でどんな失敗した?
入社2年目の頃、株式売買システムを全面刷新する「arrowhead4.0」の稼働に向けたプロジェクトに携わりました。東京証券取引所のシステムは日本の株式市場、ひいては日本経済を支える社会インフラであり、インシデントが発生すれば社会に大きな影響を与えかねません。そのため、一人一人に強い責任感が求められる環境でした。
当時の私は、新システムの品質を確認するテストに加え、証券会社からの問い合わせ対応や取引ルール変更に伴う仕様変更にかかる説明資料作成などを担当していました。周囲には知識や経験が豊富な先輩方が多く、私も早く同じレベルで貢献したいと思う一方、経験不足から複雑な設計書の読み込みや株式市場のマーケット分析に想定以上の時間がかかり、思うような成果を出せずに悩んでいました。それでも「自分でやり切らなければならない」という意識が強く、周囲に相談せず一人で抱え込んだ結果、重要な業務の期限が迫る中で自力での完遂が難しい状況になってしまったのです。先輩がそんな私をサポートしてくれて、苦手な業務を引き取っていただくことで解決したのですが、その際にアドバイスとして「人に頼ることも仕事のうちだよ」という言葉をいただきました。一人でやり切ることが優秀なのではなく、チームのメンバーに頼りながら最適解を探すことも、社会人として果たすべき責任なのだと痛感しました。
仕事への取り組み方はどう変わった?
「一人で何でもこなせる人こそが優秀」という意識を捨てられるようになりました。今はゴールから逆算して、自分が自信と責任を持って担える業務かを見極め、現在抱えている業務量や、得意・不得意も率直に共有することで、自分の得意分野では最大限貢献し、苦手な領域は周囲の知見を活用、さらには後輩の育成を通じて、チームとしてのパフォーマンスの最大化ができています。さらに、計画的に時間を確保できるようになったことで、以前は無意識に避けていた複雑な設計書の読み込みなど、難易度の高い作業にも向き合えるようになりました。こうした変化が、プロジェクト全体の成果にもつながっていると感じます。
今後どんな仕事に挑戦したい?
株式市場の根幹を支えるトレーディングシステムの開発を通じて、自身の成長と取引所が担う社会的責任の大きさを実感しています。まずは現在の部署で、次期システムのあるべき姿を追究し、専門性を磨いていきたいです。一方で、JPXには証券の売買や上場に関わるルールを設計する「ルールメイカー」の役割や、投資家・上場会社に市場の魅力を発信する活動、さらには新たな商品やサービスを企画する仕事など、魅力的な業務が多くあります。さまざまな業務に挑戦し、現在の開発現場で培ったシステムの知見と市場構造への理解を掛け合わせ、将来的には領域を横断して価値を発揮できるゼネラリストを目指していきたいです。

若手のうちから大きな挑戦の機会を与える風土が根づいています。私自身も入社間もない頃から株式市場の根幹を支えるシステム開発に関するプロジェクトの推進や証券会社・ベンダーとの交渉といった重要な役割を任されており、管理職をはじめとする周囲の先輩方が成長を力強く後押ししてくれていると実感しています。さらに、自発的な学びを支える制度も非常に充実。年間30万円まで補助を受けられる『キャリアデザイン支援制度』などを活用しながら、高度な専門スキルの習得などに向けてチャレンジし続けられる環境が魅力です。


