人事に聞きたい「会社」と「働く人」のこと コンサル業界の採用はどう変わる?
コロナショックをきっかけにあらゆる企業が経営方針や、働き方の見直しを行っている。こうした変化が、コンサルティングファームに与える影響とは?業界のリーディングカンパニーで働く人事責任者8人に、各社のコンサルタントに求められる役割の変化や、今後の人材採用の方針について聞いた。
アーサーアンダーセン税務事務所、KPMGビジネスアシュアランス(現・KPMGコンサルティング)、プライスウォーターハウスクーパースHRS(現・PwCコンサルティング)を経て、EYに参画。EY新日本有限責任監査法人の人事部長を務めたのち、2018年1月より現職
EYはグローバルでBuilding a better working world(より良い社会の構築を目指して)というパーパスを掲げています。これは単なるキャッチコピーではなく、EYの存在意義でありDNAとして組織全体に浸透しているものです。
コロナ禍により、クライアントのビジネスイシューは大きく変化しました。以前なら「現実味がない」「うちでやるには早過ぎる」などと判断されていた最先端のメソッドや斬新なアイデアに、クライアントが熱心に耳を傾けるようになっています。大きな環境変化に直面したことで、変革に対する企業側の感度は格段に上がっているのです。
それに伴い、コンサルタントはより本質的なバリューを出すことが求められるようになりました。これまでは特定領域に関するソリューション提供だけで満足していただけることもありましたが、現在はクライアントの経営やビジネスそのものを変革に導く支援が必要とされています。
そこでEYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)では、「ビジネストランスフォーメーションのリーダーになる」というミッションを掲げ、その実現に向けて動き出しました。チャレンジングなテーマですが、われわれは本気で業界をリードする存在になろうと考えています。
コロナ禍によってさまざまな変化が世の中に起こっているものの、われわれEYSCの採用計画には依然として変更はありません。コロナ禍が業績にほとんど影響がなかったこともあり、以前から立てていたかなり野心的な採用計画を継続することができました。この計画を実行する理由は、われわれはまだ新しい組織であり、大きな伸びしろがあるからです。
EYは日本における活動のさらなる充実を図るため、2017年に統括法人を設立し、国内でコンサルティングサービスを手掛けていたいくつかの組織を統合しました。そして、EYSCの前身であるEYアドバイザリー・アンド・コンサルティングとして2017年10月に再スタートを切ったのです。
その時に策定した5カ年計画では、「2023年までに売上を2倍に、メンバーの数を1.5倍にする」という目標を設定しました。当時のコンサルティング組織は1200人だったので、これは5年で1800人まで増やすことを意味します。
ところがその目標は、この2020年7月に3年も前倒し達成しました。つまり計画を凌駕するほどの大きな成長を実現したのです。
そこで、当初の計画を超える成長に向けて新たなビジネスプランを策定し、現在は、2023年度までにメンバーを3000名に増やす目標を設定しています。実現すればEYSCは国内Big4でナンバーワンの規模になるでしょう。
withコロナの状況は長引くことが予想されるため、今後も経済環境の変化を注視する必要はありますが、弊社の採用計画には特に影響はなく、引き続き新卒・中途を含めて積極的な採用活動を行っていく方針です。
われわれが採用で重要視していることの一つは、EYのパーパスである、Building a better working world(より良い社会の構築を目指して)に心から共感できるかどうか、です。
EYSCが他ファームと異なるのは、物事を常にロングタームで考えることです。“より良い社会の構築”は短期間で実現できるものではなく、社会に対して長期的に貢献しなければなりません。またクライアントや従業員とも、サスティナブルな関係性を築きたいと考えています。よって、これから弊社に入社する若手にも、社会やクライアントに対して長期的に貢献したい、あるいはEYで長期的にキャリアアップしていきたいといった大きなビジョンを描ける人であってほしいと思います。
EYSCはまだ新しく成長過程にある組織だからこそ、若手でもやりたいことに積極的にトライできる環境がありますし、グローバルネットワークが強いEYでは、世界を相手にチャレンジできる機会も数多くあります。出来上がった組織でその一部として働くのではなく、変革を楽しみながら、組織の成長を自らリードしたいという意欲ある人は、ぜひEYへきてご自身のビジョンを実現してほしいですね。
日本だけでなく世界のマーケットに挑戦し、グローバルビジネスを実践しながらスキルやリテラシーを磨きたいと考える人です
成長過程にある組織なので、若手がやれることは無限大です。変革や挑戦を楽しめる人なら、組織の成長をリードできるでしょう
人間が一人でできることは限られます。バリューを提供するには、チームワークで価値を創出できる人が求められます