2025/10/31 更新
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
スキルが最重要視される時代、到来

EY流「スキルベース組織」で
最速成長がかなうワケ

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『ジョブ型人材マネジメントのその先へ スキルベース組織の教科書』
(日本能率協会マネジメントセンター)
生成AIなどのテクノロジーの進歩を受けて急速な変化を遂げていく時代。働く人には何が求められるようになっていくのだろうか。そんな問いに対して、「企業は社員の『スキル』に価値を見いだすようになっていく」と語るのは、『スキルベース組織の教科書』の監修を務めたEY Japan People Consulting leaderの鵜澤 慎一郎氏。社員のスキルを最大限に伸ばす「スキルベース組織」に身を置くことで、どんな未来が開けるのか。鵜澤氏に解説してもらった。
取材・文/天野夏海
スキルベース組織とは、仕事を細かいタスクに分けて、社員が持つスキルに合わせてアサインしていく仕組み。プロジェクトごとに必要なスキルを持つ社員を集められるため、変化の速い時代に注目を集めている組織モデルの一つ。従来の組織では十分に活用しきれなかったスキルも発揮できるため、正当な評価を受けやすいのが特徴だ。自身のスキルを活かして働けるのでやりがいが増すことに加え、新しいスキルを磨く機会も豊富
上の表は、世界中の経営者が集う世界経済フォーラム(WEF)で発表された、労働市場で必要とされる主要スキルの変化予想。2030年には、テクノロジーに関連したハードスキルの重要性が高まるとされている。一方で、時代が移り変わっても、AIには模倣できないヒューマンスキルの重要性は低くなることがないと予想されている。ヒューマンスキルは習得に時間がかかる反面、いつの時代にも求められる不変的なものだといえるだろう
EY Japan
People Consulting leader
鵜澤 慎一郎
事業会社およびコンサルティング会社で、 25年以上にわたり人事変革をリード。HR Transformation事業責任者やアジアパシフィック7カ国のHRコンサルティング推進責任者を歴任。専門領域は人事戦略策定、 HRトランスフォーメーション、チェンジマネジメント、デジタル人事。2017年4月にEYアドバイザリー株式会社(現・EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)に入社し、現職

世界中の経営者が集う世界経済フォーラムでは、63%の企業が「スキル不足がビジネス変革の最大の障壁である」と回答しました。また、「2030年までに従業員のスキルアップに優先的に取り組みたい」と考える企業は73%に上ります。スキルが重視されている今、注目されている組織モデルが「スキルベース組織」です。

しかし、生成AIなどの新しいテクノロジーによって産業構造が変わり、これまで重視されていたスキルが陳腐化しつつあるのも事実です。では、これから必要とされるスキルとは何か。それは分析的思考力などの「ヒューマン(ソフト)スキル」と、AIやビッグデータに関する知識といった「デジタル(ハード)スキル」に大きく分けられます。

この双方のスキルが早期に身に付くのがコンサルティング業界の面白さ。テクノロジーに関連するプロジェクトの増加に伴い、デジタルスキルが養われる機会が増えていますし、ヒューマンスキルはコンサルティングの本質です。多様なスキルが求められるコンサルティングファームは、スキルベース組織に適しているといえるでしょう。

EYでもスキルベース組織を導入しているので、評価もスキル重視。プロジェクトごとに必要なスキルを明示し、それに沿って個人の目標を設定します。事業会社は年1回の人事評価が一般的ですが、EYではプロジェクトベースの実施です。3カ月のプロジェクトであれば年に4回もスキルに対するフィードバックを受けることができるため、その分早く成長できます。スキルベースの評価は経験年数などの属性と無関係なので、非常にフェアで納得感があるはずです。

また、育成にも力を入れており、研修は全て内製。パートナーやマネジャーが講義や評価を行うなど、現代的な徒弟制度をイメージしています。「人材投資にコミットすべき」という強い信念が社長以下全員にありますね。 1~2年かけて新人を戦力化する企業が多い中、半年で一人前に育て上げるEYには相当なスピード感があると自負しています。

「スキル重視の評価=専門性を深める」というイメージがあると思いますが、まだ自分の強みが見えていない若手のうちは幅の広さも重要です。そのためEYのコンサルタントは、分野を限定せず多様なプロジェクトを経験できる組織にまずは所属します。最初の5年間はキャリアチェンジを推奨するなど、若手のうちにさまざまな経験を積んでほしいと考えているからです。そして、シニアコンサルタント以降は専門性を追求していく。2段階で専門性を磨いていくのがEY流のスキルベース組織の特徴です。

スキルベース組織で働く若手のリアル

“強み”で広げるキャリアの可能性

一人一人が“強み”を起点に活躍の場を広げていく──。EYが掲げる「スキルベース組織」では、年次や配属にとらわれず、それぞれの能力を最大限に発揮できる環境がある。実際に働く社員たちは、どのように自らの強みを磨き、どんな未来を描いているのか。EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EY)で活躍する若手コンサルタント3名の事例を紹介しよう。
取材・文/天野夏海 撮影/桑原美樹
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
Technology Consulting
伊藤匠海
東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻修了後、2023年新卒入社。テクノロジーコンサルタントとして、基幹システム関連の領域を担当。全体のサポートやデータ移行の準備、開発、テストなど、広範囲の工程に携わる。大学時代は半導体センサーに関する研究に従事

ソフトスキルを武器に切り開く
次世代テクノロジーコンサルタントへの道

私が担っているテクノロジーコンサルティングは業務範囲が広く、一つのプロジェクトでも、最初は全体管理、途中からデータ移行を推進するなど、随時役割が変化していきます。現場の状況に即対応することが求められるため、その都度情報を集め、準備を進める必要があり、こうした適応力こそが自分の強みだと考えています。そして適応力を支えるのが、コミュニケーション能力と情報処理能力。必要な情報を素早く集めるには、幅広い人とつながりを持ち、誰に質問すればいいかを把握しておくことが大切です。集めた膨大な情報の中から必要なものを瞬時に判断し、分類して整理することも求められます。こうした自分の強みを意識するようになったのは社会人になってからですが、振り返れば幼少期に海外で暮らした経験があり、多様な人や文化の違いの受け入れ方を学んだことが活きていると思います。

テクノロジーコンサルタントという立場でありつつも、テクノロジーだけでなくソフトスキルを強みとしているからこそ、若手でもさまざまな仕事を任せてもらえています。プロジェクトを推進するベースとなるのは、結局ソフトスキルですから。ソフトスキルは本来評価しづらいものですが、EYではそれらを言語化し、明確な評価軸としているからこそ、やりがいにもつながります。

今後は基幹システム領域をより深くやっていきたいので、基礎を固めるためにSAPの資格取得を目指して勉強を進めています。専門スキルを身に付けながら、全体を見てプロジェクトを進められるコンサルタントを目指していきたいです。学生時代は機械系の勉強をしていたので、最終的には自分のバックグラウンドを活かし、製造業に携わりたいとも思っています。

こういった将来像を描けるのは、スキルについてフィードバックを受ける機会が多いことに加え、情報を共有し合ったり、助け合ったりする人が多いEYの風土も大きいです。その文化はグローバル全体に共通するものであり、世界中の同僚へ気軽に相談できるのもいいところだと思います。

伊藤氏のスキルとジョブ
  • SKILL
    情報処理能力
    JOB
    医療機器メーカーで、受注や出荷などのプロセス改善業務を担当。膨大な要件を整理し、適切な情報移行を推進した
  • SKILL
    テクノロジーリテラシー
    JOB
    ソフトウエアのみならずハードウエアの構造を理解できることから、プロジェクトでは周りが見落としがちな部分をカバー
  • SKILL
    コミュニケーションスキル
    JOB
    データ移行のプロジェクトではさまざまな部署が関わる。対話を重ね、適切な調整を行うことでプロジェクトを円滑に進めた
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
People Consulting
大原 江里奈
慶應義塾大学卒業後、2022年新卒入社。People Consultingに所属し、人事領域を中心に人事制度設計や要員計画などのプロジェクトを担当。現在は地方創生に関するプロジェクトでローカル・ゼブラ企業の支援に携わる

周囲を巻き込むプロジェクト推進力を強みに
専門性を見つけていきたい

人事コンサルティングの領域に従事してきた私には大きく2つの強みがあります。一つは推進力や計画性、リスクマネジメントなどを含めたプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)のスキル。現在は地方創生に関するプロジェクトで、社会課題の解決と経済成長の両立を目指す「ローカル・ゼブラ企業」と呼ばれる地方企業の支援の一環として、全国規模のカンファレンスを行い、ローカル・ゼブラ企業の周知や地域のエコシステム形成を進めようとしています。ターゲットや目的を明確にした上で計画を立て、期限内で確実に推進する必要があり、まさにPMOスキルが活きています。

もう一つは、周囲を巻き込む連携力です。私は学生時代にチアダンスをしており、チームプレーが重視される環境に居ました。仕事上でもクライアントを含む関係者と関係構築をし、連携することは欠かせません。過去に培った力を活かし、さらに伸ばせているのを感じます。

また、スキルベースで適材適所にアサインされるため、異なるスキルを持つ人たちが意見を出し合い、新たなシナジーが生まれています。お互いの仕事ぶりを見ることで、学び合える場にもなっていますね。社内にはキャリア全般を支援してくださるカウンセラーが居て、次にどのような案件に入れば強みを伸ばしたり必要なスキルを身に付けたりできるのか、常に相談できるのも魅力です。「このスキルを伸ばすには、〇〇さんのこういう部分を参考にするといい」などのアドバイスを受けることもあり、自分の強みを伸ばそうと意識するからこそ、周りの人の強みにも敏感になれています。

私はまだ4年目なので、今は人事領域を中心に、いろいろなプロジェクトを経験している段階です。人事領域には人事制度設計、人事システム導入、要員計画など複数の専門分野があるので、この先の2~3年でまずは専門を定めたいですね。間もなくシニアコンサルタントになるので、部下を育成するスキルを伸ばすことにも取り組みたいです。コンサルタントとしてより成長するためにも、今後のプロジェクトを通して自分の強みを確立したいと思います。

大原氏のスキルとジョブ
  • SKILL
    プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)スキル
    JOB
    報酬制度設計・システム導入プロジェクトおよび、地方創生プロジェクトで、リスクマネジメントしつつスケジュール通り推進
  • SKILL
    連携力
    JOB
    地方創生プロジェクトでローカル・ゼブラ企業支援として行うカンファレンス設計に当たり、多数の関係者と連携
  • SKILL
    合意形成力
    JOB
    人的資本開示レポート作成を支援した際、論点や方針を提案し、クライアントと議論を重ねながら、合意形成を推進
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
Business Consulting ― Finance
平松直季
慶應義塾大学卒業後、2023年新卒入社。Business Consulting ― Financeに所属し、FP&A(財務計画・分析)領域で、AIなどテクノロジー領域と連携しながらクライアントの業務効率化や経営管理の改善を進める

ファイナンス×AI×顧客対応力
複数スキルを持ち合わせた希少価値の高い人材へ

入社して以来、財務・経理業務に関するプロジェクトで経験を積んできました。現在は、財務・経理・経営管理を担う方々の業務効率化を目的とした、AI活用推進に注力。お客さまのニーズを聞きながら提案を具体化していくことを、実務を通じて学んでいる段階です。大学でファイナンスやAIについて学んだわけではないので、最初は自分とはかけ離れた世界だと思っていましたが、プロジェクトに入る中で楽しさを感じるようになりました。社内には書籍や資料が豊富にあり、研修も頻繁に実施されていて、キャッチアップしやすい環境があったのもありがたかったですね。今では、ファイナンス組織に所属しながら、テクノロジーにも精通していることが私の強みとなっています。AIを活用するプロジェクトが始動する際に声を掛けていただけることがうれしいです。また、この仕事はクライアントと対話しながら物事を前に進めるのが本質です。最新テクノロジーを導入する際はクライアントも私たちも未知の部分が多く、根気強く対話を重ねながらイメージを擦り合わせることが不可欠。そのため、泥くさく物事を進める力も自分の強みになってきているのを実感しています。強みを活かせる分野にアサインされることで100%の力を発揮できるので、仕事のモチベーションにもつながっていますね。

一方で、若手のうちは経験がある領域と未経験領域が混ざるプロジェクトにアサインされることも多く、自分の強みを活かしながら未知の領域にも挑戦できます。お客さまに価値を提供するために必要なスキルを習得するためのアサインだと理解しているので、納得感もあります。

今後は、まず軸であるファイナンスとAIの知識を増やしていきたいと考えています。今まさにニーズが高い分野でもあるので、システムの実装までを遂行するための知見を得たいです。EY内外のテクノロジー部門や、監査や税務関係の方と話す機会もあるので、そういったリソースを活用しながら、クライアントに提供できる価値の幅や深さを追求していきたいですね。

平松氏のスキルとジョブ
  • SKILL
    対話力
    JOB
    大手グループ会社の業務効率化支援で各社と個別に対話。相手に合わせて話し方を変えるなど工夫し、ニーズを引き出した
  • SKILL
    根気強さ
    JOB
    経理業務での生成AI活用を検証するために、座学のみならず実際に手を動かしてキャッチアップや提案につなげた
  • SKILL
    AI活用スキル
    JOB
    ファイナンス組織に所属しながらテクノロジー系案件に参画。培った知見を活かし、クライアント向けAIセミナーを実施

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