第一部 よくある質問
第二部 学生からの質問
第三部 学生へのメッセージ
参加学生の声
こんにちは、type就活23卒インターン生の廣川です!
今回は5月22日に開催された三菱商事×A.T. カーニーによる豪華特別講演の様子をお伝えします。
就活を終えた先輩に「就職活動における心残りは?」と聞くと、必ずと言っていいほど「もっと他の業界も見ればよかった」と回答が返ってきます。実際、ある程度志望業界が固まっている場合、他の業界にハードルを感じてしまうこともあるかと思います。今回はそんな就活生のために、他の業界への視野をさらに広げられるよう、総合商社とコンサルティング業界双方から社員様をお招きして特別講演を開催しました。
今回のイベントの目的は、「23卒就活生の志望業界の視野を広げること」です。
三菱商事とA.T. カーニーで働くお二方に、コロナ禍における業界の変化や、求める学生像といった、就活生が気になる質問に詳しくお答えいただきました。本記事をご覧いただき、総合商社とコンサルティング業界双方に対する関心を深めていただければと思います。
《登壇者様》
三菱商事 人事部・採用チーム
杉浦 泰介(スギウラ タイスケ)氏(以下、杉浦)
A.T. カーニー シニアパートナー
阿部 暢仁・マッスィミリアーノ(アベ ノブヒト・マッスィミリアーノ)氏(以下、阿部)
▼三菱商事に関する記事
『金融、コンサル、商社のプロフェッショナルが明かす
M&Aプロジェクトの舞台裏』
https://typeshukatsu.jp/s/article/manda-project/8509/
▼A.T. カーニーに関する記事
『個人の力と共創で地平線を広げる パッションと行動力を重視』
https://typeshukatsu.jp/s/article/industry/consul/c-1128-2/21746/
『「日本を変える世界が変わる」を実現する“創造と変革のリーダー”へ』
https://typeshukatsu.jp/s/article/industry/consul/c-1128-2/18585/
最初の質問は『コロナ禍における変化』に関するものでした。総合商社・コンサルティング業界の双方が柔軟に現状に適応されたことや、現場で働いていらっしゃる方ならではの「気付き」も教えていただきました。
杉浦 二つの観点でお答えしたいと思います。一点目は「働き方」で、在宅勤務がかなり浸透してきました。出社と在宅勤務の併用を継続しながらですが、在宅勤務を最大限活用しています。二点目は「商社の方向性」について、デジタル化や脱炭素への対応に一層注力しています。
社内の働き方変革はスムーズでしたか?
杉浦 コロナ禍を受けて2020年2月末は在宅勤務がメインとなり、その後は状況を見ながら在宅と出社の併用に切り替わっていきました。総合商社のビジネスはトレーディング、事業投資など多岐に亘り、在宅での実施は厳しいのではと思われましたが、想像以上にスムーズな移行ができました。
コンサルティング業界ではどのような変化がありましたか?
阿部 働き方の面で言うと、これまではフェイスtoフェイスで行っていたものを、オンラインで行うようになりました。クライアントを含め、職歴の長い経営層もリモートで仕事ができるようになりました。新規のクライアントに対し、最初の紹介から、プロジェクト提案、プロジェクトデリバリーまでの流れを全てオンラインで行う、という事例も多くなりました。
今後の予想として、ハイブリッド型の働き方になるかと思います。業務の中である程度タスクを明確化して実行する段階はリモートでできますが、ブレインストーミングや論点定義の段階はフェイスtoフェイスが良い、と考えているためです。双方を活用することでよりやりがいのある働き方ができればと思っています。そういった意味でも、このコロナ禍は日本企業にとって「自分を考え直すきっかけ」となったかもしれません。「変わるための刺激」として、ポジティブに捉えることができる側面もあると思います。
お客様から寄せられる案件の種類は変わりましたか?
阿部 案件の種類は変わっていないように感じます。デジタルの定義やそれらの経営アジェンダ化の過程といった、デジタルと言うバズワードを超えた本質的な議論が増えています。やはり、色々な側面から考える「機会」にはなったかなと思います。
次に、就活生が最も気になるであろう「求める人物像」に関する質問です。両社が大きく異なった回答をされていたのが印象的でした。
杉浦 当社では、求める人物像の根幹は普遍的なものだと考えています。我々は昔から「いかにして世の中に付加価値を提供していくか?」を考えてきました。仲介役として様々な機能を発揮するトレーディングから始まった当社ですが、その後は事業環境の変化や社会のニーズに対応しながら、プレイヤーとして事業そのものに携わる事業投資、そして事業の中に深くかかわり主体的に機能を発揮していく事業経営とビジネスモデルを変遷させてきました。今後も、事業環境の変化・社会のニーズへの対応力は必要であり、その中で自分たちの強みを発揮することが大切だと思います。その観点で、構想力・実行力・倫理観の3つは重要な要件であり、これらの力を伸ばしながら経営に携わっていくことのできるポテンシャルを持つ人材を必要としています。
阿部 必要な人材要件は変わっています。変化は主に二点挙げられます。一点目は、「テクノロジーへの知見」です。現在、企業経営はテクノロジーなしではできなくなってきています。これまではITを分業的な発想で済ませていたものに対し、我々もテクノロジーの基本や概念を知ることが必要になりました。二点目は、「自分が何をしたいのか」を考えることです。多岐にわたるテーマに取り組むコンサルファームでは、自分がどの業界で何をしたいのか、自分の「パーパス」、ということについて、時間をとってよく考えることが重要となります。
日本企業のコロナ禍への対応は、海外企業と比べて対応が遅いのが目立つかと思います。
そんな日本企業を変えていくために、海外支社とは違う能力が求められますか?
阿部 前提として、日本と海外では「会社」の捉え方自体が異なります。日本は株主だけのためというよりかは、今後30年単位で社会に向き合って考えている経営層の方が多いのではないかと思います。実際に海外では3-5年先などの短期的戦略が多く語られるのに対して、日本では長期的な有りたい姿が議題として挙げられる印象です。なので、戦略策定に異なる視点が求められます。
また、適応すること自体が大変ですが、加えてウェルビーイングとのバランスをどうとっていくのかも重要です。日本人は真面目に頑張る傾向があるため、適度にスイッチ・オフすることが難しい側面があります。「自分をどうケアするのか」というワークライフバランスの管理も必要な能力です。
第一部最後の質問では、実体験に基づいた回答をしてくださいました。
就業経験がない学生に何を求めていますか?
杉浦 一つには「変化を面白いと感じられる力」だと思います。コロナ禍も含め外的環境の変化はどんどん大きくはやくなってきていますが、自分ではコントロールできない部分です。そんな環境の変化に対していかに対応するかを考えていく必要があります。先ほど阿部さんが「自分が何をしたいのか」を考える必要があると仰っていました。そのためにも、エンジンが必要で、情熱こそがエンジンだと思っています。自分が直感的に信じたものを貫くことが情熱だと思うので、学生の皆さんはそれを深く追求することで「変化を面白いと感じられる力」を身につけられると思います。
社会に出たことがない学生が、どうやって目的や情熱を見つけるのでしょうか?
杉浦 僕は自分がしていて楽しかったこと、テンションが上がったことを羅列して共通項を見つけるようにしていました。例えばテニスをすることが楽しいとして、テニスのどの瞬間が楽しかったのか?ということを考えるイメージです。テニスで勝った時が嬉しかったのか、勝った人をサポートしたのが嬉しかったのか……その瞬間ごとに、自分の中で振り返ってみるのが一つの方法だと思います。
コンサルタントはクールな印象がありますが、情熱という要素も必要ですか?
阿部 パッション(情熱)が必要かどうかは、ファームによって変わるかと思います。カーニーの場合はパッションという価値観がファーム内に存在しています。例えば、将来的なデジタルモビリティにおいて日本を生き残らせるためにも、我々は経営陣に気付きを与え、変化を仕掛けることが必要です。そういった面でパッションが必要となります。僕は実際に「阿部さんは体育会系コンサルですね」と言われ、嬉しかった記憶があります。
第二部は、学生がコメントした質問にリアルタイムで回答していただきました。理系の方からの質問や、コロナ禍ならではの質問が多く寄せられました。
理系バッググラウンドの学生が活躍できるフィールドはありますか?
杉浦 もちろんありますし、多くの理系出身者が実際に活躍しています。例えば、ご自身の経験や論理的思考を活かしてビジネスと研究の架け橋になること、具体的には、技術的な論点や課題が収益やステークホルダーにどのような影響をもたらすのかを考えることができるのではないかと考えます。
コンサルタントとして、理系の専門知識を活かすことはできますか?
阿部 もちろん活かせます。実際に、理系出身の専門的な知識を持つ人が多く活躍しています。自動車メーカーなど、理系の方が多いクライアントに対して、相手に合わせた語り方ができるので、そういった面でも知識を活かすことが可能です。
商社とコンサルティング業界は文系の方が多い印象ですが、理系の方も多くご活躍していらっしゃるようです。
コロナの影響で実際に行動することが難しい世の中になっています。
この状況下で、学生は何をすべきなのでしょうか?
もしお二人が学生だったら、何を自分の経験にしますか?
阿部 やはり不安ですよね。コロナは一時的であることを念頭に、あまり心配しすぎないのが良いと思います。逆にチャンスだと捉え、自己成長に必要なものを身の回りで取り組んでいくことがおすすめです。英会話など、今できる自己改善への投資方法を考えるのも良いかと思います。僕はウィキペディアを読むのが好きなので、もし学生だったら沢山の記事を読んで過ごしていると思います。
杉浦 主に二つあるかと思います。一つ目は、アウトプットの機会を設けることです。例えば、ニュースを見て自分なりの意見や結論を考えてみる。考えること自体はどんな形式でも、どんな観点でも良いですが、いい訓練になったかなという印象です。しかし、慣れないアウトプットを行うと疲れることがあるかと思います。そこで二つ目です。自分が慣れないことをしたら、一日に一度でも自分を褒めるようにしてみてください。これも阿部さんのおっしゃる「自分をどうケアするのか」ということの練習になると思います。僕も一日一時間就活のことを考えるようにしていましたが、好きなお菓子を隣に置いたりしていました。
最後に、登壇したお二方から学生へのメッセージをいただきました。
本日はキャリアを広げるという目的で、総合商社志望の方にコンサルティング業界を知っていただき、コンサルティング業界志望の方にも総合商社を知っていただく、という場になりました。
最後にお二人から学生にキャリアを考えるうえでのアドバイスをいただければ幸いです。
杉浦 オンライン下でも、自分で情報を確認し、そこから得る一次情報を大事にしてほしいです。それが自分のパッションがどこにあるかを知る材料になるかと思います。
阿部 父から貰った言葉に「キャリアはスプリントではなくマラソン」というものがあります。今後日本でもフレキシブルなキャリアを歩めるようにどんどんとなってくると思うので、多少違うことをしていても、自分が感じたことに基づいて途中で違う道を歩むなど、頑張れば良いと思います。
●まだ就活に対してぼんやりとしたイメージしか抱いておらず、とりあえず聞いたことのある企業だから参加してみようという感じで聴講してみた私にとって、お二方の説明は明快でとても刺激的だった。まだ比較ができるほど他の企業のことを知らないので、今後様々な講演会や企業説明会に参加する際には今回の講演で得た知識を参考として、他の業種や企業に関しても理解を深めていければ良いと感じた。
●企業で働いている生の声を聞けてよかった。コロナでの就活の変化についても話されていたので不安要素を解決できた。
●コンサル業界と総合商社の二者間の関係性は希薄だろうと、今回の講演に参加する前は思っていましたが、実際にお話を拝聴すると、阿部様、杉浦様おふたりの意見や考え方が共通するところも多くあり、とても面白く感じていました。
●金融やコンサルを重点的に調べていたので商社に対しての知識がまだありませんでした。しかし仕事に対しての本質的な姿勢は同じなのだなと感じ、業界理解における視点が広がったように感じます。
●コンサルと商社は、どちらも興味のある2社だったので、お話を聞くことができてよかったです。企業理念と自分のやりたいことがマッチするかという点にもっと着目して就活を進めていこうと思いました。また、DXやテクノロジーは今後必須であることが再確認でき、文系でもそういった知識をしっかり身につける必要があると思いました。
今回の特別講演は「視野を広げる」ことを目的としておりましたが、参加された皆さんの感想からも、志望業界以外の業界・企業の話を聞くことの重要性が伺えますね!ご参加いただきありがとうございました。
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