2020/11/1 更新 デロイト トーマツ コンサルティング

前例のない時代。求められるのは評論家ではなく答えを導く変革者

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人事に聞きたい「会社」と「働く人」のこと コンサル業界の採用はどう変わる?
コロナショックをきっかけにあらゆる企業が経営方針や、働き方の見直しを行っている。こうした変化が、コンサルティングファームに与える影響とは?業界のリーディングカンパニーで働く人事責任者8人に、各社のコンサルタントに求められる役割の変化や、今後の人材採用の方針について聞いた。

執行役員
長川 知太郎氏

Profie

ライフサイエンス&ヘルスケアのリーダーを務め、医薬品・医療機器・製造業などにおける国内外の企業に対し、事業戦略やM&A戦略立案などを行う。海外展開戦略、グローバルマネジメント改革、海外組織再編の策定・実行支援など、クロスボーダープロジェクトを数多く手掛ける。2019年6月より人事担当パートナーに就任


従来、企業経営においては売上や規模の拡大が最大のミッションでした。多くの企業が既存のビジネスモデルのマイナーチェンジを繰り返し、売上拡大を追求してきたのです。しかし今日、技術革新により消費者の価値観の多様化が進み、既存ビジネスの延長では消費者ニーズに応えられない状況が顕著になってきています。そこで企業は、新ビジネスの創出へと目を向け始めたのです。こうしたビジネスシーンの変化は、コロナショックを機に一気に加速しました。外出自粛や非対面のワークスタイルなど、生活様式のパラダイムシフトが世界中で同時に起きたことが大きな要因です。
デロイト トーマツ コンサルティング(以下、DTC)への依頼内容からも、その変容は感じとれます。例えば、成果が求められるスピード。今まで3~4カ月かけて行っていた戦略策定はわずか1カ月に短縮されています。緻密な検証と仮説を繰り返して練り上げる戦略よりも、トライアンドエラーで最大のパフォーマンスをあげる実践ベースのスタイルが主流となっているのです。
また、戦略だけではなく、顧客と共に新規事業の実現までを行うDTCのサービス、「ビジネスプロデュース」への依頼が急増しているのも変化の一つ。対症療法的な事業改善策の提示ではなく、中長期を見据えた新ビジネスとその具体的な成長戦略を企業は欲するようになっています。しかし難しいのは、ただ新ビジネスをアウトプットすればいいわけではないということ。顧客の属する業界そのものの在り方を再定義し、顧客の立ち位置や役割まで描ききる必要があるのです。さらに、どれだけ論理的で精緻な戦略を提言したとしても、顧客がすぐに実行に移すとは限りません。新規ビジネスの実行には当然大きなリスクが伴うからです。
では、そのリスクを取ってでも企業が実行に踏み切るきっかけとなるのは何でしょうか。ノスタルジックに思えるかもしれませんが、実は、コンサルタントの熱意や信頼など、論理を超えた感情の部分です。先が見えない現代だからこそ、顧客が求めているのは、道を指し示して随伴してくれる先導者そのものなのです。顧客のリクエストを待つのではなく、将来像を共有し、情熱を持って顧客をリードする。それが、社会変革を担う次代のコンサルタントのあるべき姿でしょう。

「論理力」ではなく「変革力」が採用で優先すべきスキル

数年前からDTCでは、多くの人々の機会創出や、持続可能な社会の実現に貢献するという意味を持った、「Lead the way」というグループ共通のバリューを掲げています。この価値観は顧客へのサービス提供の指針になると同時に、私たち自身にも向けられたバリューなのです。つまり、私たちは私たち自身でコンサルティングファームの在り方を再定義しなくてはなりません。変革実現のために求められているのは、自らの才覚と工夫で新たなコンサルティングの姿を体現し、DTCを、そして業界をけん引する人材なのです。コンサルタントに求められる資質が変わるならば、採用においても重視する資質が変化するのは自然な流れでしょう。
これまでと異なり、数的処理能力や論理力よりも、顧客を導ける総合的な「変革力」の重要度が高まりました。フットワークの軽さや遂行力、EQ、俯瞰的な視野など、具体的な要素を挙げ始めるときりがありませんが、変革力を言い換えるなら、仲間を巻き込み、顧客と奔走できる実行力です。DTCが実行力を重視するのは、能力を十分に発揮できる環境があることにほかなりません。「End to End」というビジネスモデルを掲げ、戦略から実行までカバーできる組織体制を築いてきたこと。インダストリーを超えた横断的なチームの連携。さらに、約26万人のグローバルネットワークにより、多くの社員の知恵を借りられる環境などが、シナジーを生み、個人の能力を超えた成果につながっています。コロナショックにより各業界がビジネスモデルの再定義を余儀なくされている今だからこそ、前例にとらわれない思考と、柔軟性を持つ新卒社員に大きなチャンスがあります。常に自分をアップデートさせ、答えのない問いに挑み続けたい人材ならば、刺激的な毎日に飽きることはないはずです。社会を変革し続けるDTCで、コンサルタントの新しいスタンダードを作ってほしいと願っています。

一緒に働きたいのはどんな人?

1.変革に向けた熱意を持つ

社会課題の解決が重視されているDTCでは「より良い未来を創りたい」という熱意が重要。社会を変えていく仲間として働きたい

2.「利他」の心を大切にする

仲間のために汗をかくことをいとわないのがDTCのカルチャー。個人主義ではなく、チームワークを大事にする人が向いています

3.自分の思いを発信できる

社会の変革を行うためには多くの人に共感してもらいながら、けん引する力が必要。自身の考えを強く発信できる人が活躍できます

デロイト トーマツ コンサルティング

世界150カ国、約26万3900人のエキスパートを擁する国際的プロフェッショナルファーム「デロイト トウシュ トーマツ リミテッド」の一員として、日本のコンサルティングサービスを担う。監査・税務・法務・コンサルティング・ファイナンシャルアドバイザリーのサービスラインを活かし、戦略立案から実行まで一貫して支援を行う

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