2018/6/6 更新 アクセンチュア

ライフステージの変化と仕事の関係とは? 育休取得経験がある男性戦略コンサルタント×2児を育てる女性コンサルタントの管理職対談【アクセンチュア特集】

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「成長」と「自分らしく働く」を両立する方法 /Theme 3・ライフステージの変化と仕事の関係
組織の中でパフォーマンスを上げ、ビジネスパーソンとして圧倒的に成長したい。同時に、個人としての価値観を大事にしながら自分らしく働きたい――。この両方をかなえられてこそ、働く醍醐味は最大化される。世の中に大きなインパクトを与える仕事を数々手掛けているアクセンチュアのビジネスプロフェッショナル6人の仕事論から、“両立の秘訣”を探ってみたい。


【Theme 3】ライフステージの変化と仕事の関係


育休取得経験があるイクマネ/上端純平
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2児を育てる管理職/大河原 久子


個人の時間も大事にしながら
チームで最大限の成果を出すのがアクセンチュア流

─ ビジネスの最前線で仕事に専念するのと、家庭生活を両立するのは難しいイメージがあります。

上端 正直、私も結婚するまでは全く両立生活のことを考えていませんでした。20代の頃は今よりずっと長い時間働いていましたから。それが、妻と理想の家庭像を話し合う中で少しずつ価値観が変わっていきました。私の場合は、妻の出産に合わせて4カ月の育休を取りました。今も家族との時間を過ごすため、18時頃には退社します。仕事も家庭も大事にするのが今の僕らしい生き方です。

大河原 私は29歳の時に結婚しましたが、はっきり働き方が変わったのは、子どもを産んでからです。第1子の出産が31歳の時で、上の子の時は11カ月、下の子の時は7カ月の育休を取りました。当時は周りにワーキングマザーが少なかったので、復職後の働き方は手探りで模索していきました。

上端 幸いにも、コンサルタントは長期の休みが取りやすい職種です。僕たちは、プロジェクトベースで仕事をするので、他業種の方に比べてまとまった休みが実は取りやすい。次のプロジェクトに参画するまでは休みを取る、という感じです。仕事から離れて活力や新たな視点を得ることを『ビーチタイム』と呼んでいて、組織としても休みを重視しています。

大河原 私も子どもをつくると決めた段階で、直属の上司には産休に入る可能性があるので、長期的なプロジェクトには入れないと伝えていました。

時間的制約の中で成果を最大化させる働き方を

─ 実際に育児が始まり、仕事にはどんな影響がありましたか?

大河原 私に起こった大きな変化は3つ。1つ目はタイムマネジメントスキル。時間の制約がある中で成果を上げるには効率アップの工夫が欠かせません。例えば、資料を作るときも最初から完璧を求めず、最後の詰めはお客さまと対話しながら行うというスタイルを覚えました。2つ目はポジティブシンキング。20代はそれこそ仕事が自分の全てだったけど、今は母という揺るぎない場所が職場の外にある。だから、上司に少しぐらいシビアなことを言われても落ち込みません(笑)。3つ目は自分の数年後のキャリアについて真剣に考えるようになったこと。働く量ではなく質で勝負するために他者と差別化できるスキルをどう身に付けるのかということを、より考えるようになりました。

アクセンチュア株式会社
公共サービス・医療健康本部 シニア・マネジャー
大河原 久子氏

新卒入社後、国・地方自治体および公共サービスの業務・システム刷新のコンサルティングを担当。現在は、行政のデジタル化やサービスデザイン案件を推進。同時に公共サービス・医療健康本部にて子育て社員支援を担当。家族は夫と2人の子ども



上端 お客さまやチームとコミュニケーションする際の共感力が増しました。コンサルタントというと、資料作成やプレゼンをする姿が一般的なイメージだと思いますが、本質にあるのは、お客さまが言語化できない課題をいかに読み解き、ゴールに向かって一緒にチャレンジしていくかということ。子育ては、まさに子どもの気持ちを〝察する〟行為の連続です。どうすれば相手が喜ぶか、今自分がすべきは何か、相手に向き合いながら読み取り、対話する力が相当鍛えられました。

─ 残業削減や有休取得の奨励など、貴社では働き方改革に力を入れていますよね。

大河原 はい、今も社員一人一人が効率的に働き、成果を最大化させるような働き方を会社として奨励しようという取り組みは進んでいます。基本的な育児休業などの制度はもちろん整っていますし、テクノロジーに強い会社ですので、対面の必要性がない会議は全てSkype会議でOK。私は子どもがいるため地方出張ができないのですが、地方のお客さまとのコミュニケーションも自宅からSkypeやメッセンジャーで対応することもあります。ただ、重要なのはこうした制度よりも、むしろカルチャーだと思います。例えばSkypeなどのツールを使って場所に縛られず働くことは、ワーキングマザーだけに限らず、多くの社員が当たり前に実践しています。おかげで「ママだから特別扱いされている」という引け目は感じません。

上端 育児中の社員に限らず、皆が日々の仕事以外の時間も大切にしようと考えるようになってきています。家庭のこと、趣味のこと、新しい仕事へのチャレンジ、何でも構いませんが、「自分にとって大事な時間」があるなら、それこそが人生を豊かにしてくれるものだし、最優先した方がいい。その上で、仕事でも最大のパフォーマンスを出せるようにマネジメントするという考え方が広まりつつあります。こういったカルチャーがあることが、制度面の充実よりもよっぽど大きいですね。

アクセンチュア株式会社
戦略コンサルティング本部 シニア・マネジャー
上端純平氏

新卒入社後、通信・ハイテク業界を中心に、さまざまな業界における事業戦略、新規事業、デジタルトランスフォーメーション、サービスデザイン、R&D戦略等の案件を推進。家族は妻と3歳の娘



─ お二人のような「イクボス」の存在は、若い世代にどんな影響をもたらしていると思いますか。

上端 先例をつくるという意味では、影響があると思いますね。そのためにも、「上端さんだから両立できる」、つまり他の人には真似できそうにないと思われたらダメだということは意識しています。仕事も育児も大変なところや、失敗をオープンにして、どんどん部下や後輩にダメな自分も含めて見せていくこと。そして、周囲のサポートを仰ぐこと。そうやって僕が完璧ではないながらに育児参加している姿を見たら、後輩たちも「自分にもできそう」って思ってくれるんじゃないかな。

大河原 自己開示、それは本当に大事ですよね。私は第1子を産んだ時点で既に管理職だったので、ある程度自分で仕事をコントロールでき、両立もしやすかった。でも、メンバークラスだったらそうはいかなかったかもしれない。私はそこに課題を感じ、もっと組織で育児中の社員をサポートできる体制をつくるよう働き掛けました。それからは、育休から復職する社員に対し、マネジング・ディレクターがサポーターに付いたり、お互いの不安や悩みを相談できるコミュニティーをつくったり、さまざまな風土改革に取り組んでいます。メディアで取り上げられるワーキングマザーは大半がスーパーウーマン。でも、大多数の人がそれを見て「私には無理」と冷めてしまっている。私は、仕事と家庭を両立させることは決して特別ではないと下の世代に伝えていきたいですね。私自身、失敗もします。そんな普通の人でも両立できると知ってほしいし、一口に両立と言ってもやり方は十人十色。それぞれが自分らしいスタイルを模索しています。そんな先輩たちを見て、「ワーキングマザーはこうあるべき」なんて答えはないことや、自分らしいやり方で仕事も家庭も楽しめばいいんだと感じてもらえたらと思います。

取材・文/横川良明 撮影/洞澤 佐智子(CROSSOVER)

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