2022/9/16 更新

クボタ

思い通りにいかない
DX推進の最前線
だからこそ面白い

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DX推進部 DX企画課
廣瀬敬吾

大阪大学大学院にて機械工学を専攻。2018年にクボタに入社し、機械事業に関するIT化の戦略立案などを担う機械IT部へ配属。全国の農機販社への基幹システム再構築プロジェクトの推進を経験し、21年からDX推進部へ異動。現在は農機事業のDX推進企画や業務設計に携わっている

成長を加速させる3つの思考法

現場の業務を肌で体感しユーザー視点に基づいた課題解決策を生み出す

現場に足を運びリアルな農業の世界を知ったことで、お客さまが本当に求めているニーズを知りました。お客さまの業務についてとことん詳しくなることが、価値のある課題解決につながると考えています

さまざまな角度から物事を見つめ直す「遊び」を入れる

指示通りに進めるだけではなく、ときには全く違う視点で物事を捉えてみることも大切です。そうすることで、新しい発見が生まれアウトプットの質が上がり、お客さまに満足していただけるのだと思います

心を通わせられる同志を社内外にたくさんつくる

多くの方と業務で関わりを持つ中で、理念に共感できる方と進める仕事の面白さに気付きました。お互いに考えを伝え合い、確かな信頼関係の下で働くことができれば、おのずと良い成果が生まれます

デジタルの力でどれだけ面白い未来をつくれるか。そう考えていた私にとって、クボタの先人たちが取り組んできた事業を受け継ぐことは魅力的な挑戦でした。農業の世界は、SDGsなど環境問題の点でも変革の伸びしろが大いにある。クボタなら既存の価値を変えるようなスケールの大きな仕事ができると思い、入社を決意しました。
入社後、最初に携わったのは、全国の農機販売会社に向けた、基幹システムの再構築プロジェクトです。このシステムは販売会社ごとに独立した仕様で開発されており、集計データも各社が独自のルールで保有していました。そこに着目し、プラットホームを一元化しデータを一括管理することで、効率的なビッグデータ運用の実現を目指す。こうした改善を経験する中で、DXの重要性を実感していきました。
特に印象に残っているのが、とある農機販売会社の業務効率化の案件です。お客さまは、請求関連の事務作業の属人化に伴う業務効率低下という課題を長年抱えていました。この課題は再構築した基幹システムでも改善することができず、お客さまから生産性向上の要望を強く頂いていました。2018年当時は、まだRPAやAIの概念がメーカーに浸透しておらず、「これはチャンスかもしれない」と思った私は、ソフトウエアロボットの導入を提案することに。ただ現場では紙文化が強く根付いており、お客さまもIT導入に積極的ではなかったため、提案は一筋縄ではいきませんでした。
そこで私は、お客さまのニーズを正しく理解すべく、現地を訪問し現場業務について理解を深めることにしました。現場の温度感に触れると、効率以上に「使いやすさ」が求められていることを強く感じました。そのため、導入のしやすさや操作性の高さを念頭に置きながら、お客さまと共に数カ月にわたりロボットの仕様を検討。ポイントになったのは、全工程を自動化するのではなく、あえて現場の習慣や業務特性に合わせてアナログな進め方も残したことです。具体的には、ロボットの前処理にAI-OCR(画像データの文字を認識してテキストデータに変換する技術)を組み合わせることで、手入力をせずに請求書をスキャンするだけで事務処理に対応できる業務フローを提案しました。結果として、以前は4日ほどかかっていた事務作業を、半日に短縮することに成功しました。
農機販社の社長へ成果報告を行った際、一緒にシステムを作り上げてきた現場社員の方が、私以上にロボットの良さを熱弁してくださった時の感動は、今でも忘れられません。

ハードとデジタルを融合させた次世代のDXを推進

まだまだIT化の進んでいない農業の世界では、事前準備を重ねても、思わぬきっかけでシステム導入の提案が滞るケースも多くあります。ただ私はそこで諦めず、従来とは異なる観点で課題と向き合い次の可能性を模索することに、やりがいを感じています。
現在はDX推進部に在籍しており、クボタ全社で進める新たなデータ活用プロジェクトに参加しています。製造や販売、調達など異なる部門のデータを統合し、新たなIT戦略の立案に向けた分析を進めている段階です。クボタは農機メーカーでシェアがトップというだけではなく、水道をはじめ社会インフラを支える事業も手掛けています。スマートシティなどDXが進んだ未来では、ハードとデジタルが融合した新しいサービスが生まれているはず。その可能性を追い求められるのは、クボタならではの魅力です。人々の生活と密接に関わる領域で、新しい価値を創り出す。私たちの仕事は誰かの生活を豊かにできると信じて、これからもDXに挑戦し続けていきます。

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