AI時代、人事は学生の何を見ている?
新卒採用「変わったこと」「変わらないこと」
売り手市場に陰りが見え始めている今、選考の現場では、学生を見極める視点にどのような変化が生まれているのだろう。
その答えを求めて、採用現場を熟知する人事担当者に「新卒採用の変わったこと・変わらないこと」を聞いた。変化の時代でも活躍する人と伸び悩む人の違いは何か。そんな比較も交えながら企業が選考で重視するポイントを探ろう。
入社した全員をCEO候補として育成
Talent Practice Director
AI時代だからこそ見極めたい
深く問うプロセスの泥くささ
AIの台頭によって、仕事の進め方や人間の役割は変わりつつあります。しかし、それによってP&Gジャパン(以下、P&G)が選考で重視するポイントは変わりません。これまでも紙からデジタルへの移行など、新しいテクノロジーの登場による仕事の変化はありましたが、人に求める本質は一貫してきました。AIの普及も、そうした環境変化の一つだと考えています。
一方で、AIにより誰もが完成度の高い履歴書を作成しやすくなったからこそ、創業以来P&Gが重視してきた「人にしか生み出せないプロセス」を、より一層深く問い掛けています。明確な目的に向けて、どのように深く考え抜いたか。周囲の多様な意見とどう対峙し、信頼関係を築きつつ困難を乗り越えたか。こうした泥くさい試行錯誤の過程こそが、真のオーナーシップを映し出します。表面的な結果ではなく、行動の裏付けをこれまで以上に時間をかけて深掘りしています。
世界共通で掲げている目的を
実現させる価値観と行動原則
選考で変わらず重視し続けているのは、自ら考え、周囲を信頼して誠実に向き合い、チームで成果を上げる姿勢です。これこそが、当社の目的を実現するために世界共通で掲げる価値観と行動原則『PVP(Purpose, Values and Principles)』そのものに他なりません。
将来の経営層を内部から育成する当社において、理念への共鳴は極めて重要な要素となります。PVPは壁に飾られた言葉ではなく、日々の判断基準として深く根付いており、新入社員にも「今の考えはPVPに照らしてどうか」と日常的に問い掛けるほどです。
全員が共通の行動軸を持っているからこそ、環境が変化してもブレることなくビジネスを推進できる強さがあります。新卒入社の社員を経営者まで育て切る自信を持つP&Gだからこそ、入社時点での完成されたスキルは求めません。当社の目的に共鳴し、共に高みを目指せる人材をこれからも探し続けます。
明確な目的に向け思考を深め
目標達成への道筋をつくる人
目標達成への道筋をつくることができるのは、目的を研ぎ澄まし、「必ずやり遂げたい」と本気で向き合う強いリーダーシップとオ-ナーシップがあるからこそ。また、高い熱量を持って、「では、どうすれば実現できるのか?」と自ら考え行動し、常にグロースマインドセットを持って成長し続けようとする姿勢も重要だと考えています。成長への意欲があれば、周囲からもらう多様な意見を、「自分の考えと照らし合わせてどうか」「さらに良くするにはどうすればよいか」と深く考え、新たな視点を取り入れ、次の行動につなげていきます。変化に直面しても、壁にぶつかっても、「ここからどうするか」と前を向ける人は、どんな環境であっても活躍し続けられるはずです。
失敗を恐れて正解ばかり求め
明確な目的を持てない人
当社は多様性を重んじるため一概には言えませんが、失敗やリスクを恐れて、目的よりも手段としての「正解」を探してしまうと、変化への適応に苦戦しやすい傾向があります。正解に気を取られると、「自分は何を実現したいか」「そのためにどう行動したいか」という、最も重要な軸を見失ってしまいます。その結果、自ら挑戦して成長する機会を逃したり、新たなイノベーションが生まれにくくなったりするかもしれません。「自分の決断が間違っていたら」と不安になる気持ちはよく分かりますが、リスクばかりに目を向けていては行動が起こせません。まずは自分が本当に実現したいことは何かを考え、発信してみること。それが変化に適応しながら成長するために大切だと考えています。
P&Gでは、「キャリアのオーナーは個人である」という考え方を大切にしています。キャリアとは、自ら選択を重ねながら築いていくものです。不確実な時代だからこそ、「自分は何を実現したいのか」を深く考え、一つ一つの決断を積み重ねていくことが重要だと考えています。
その時々に「自分で考え抜いて決めた」という実感があれば、歩んできた道にも納得感が生まれ、その先も自信を持って進んでいくことができるでしょう。P&Gでは、上司がその挑戦を全力で支え、一人一人が目指す成長やキャリアの実現を後押ししています。自分の心と素直に向き合いながら、大切な最初のキャリアを探してみてください。ご自身の踏み出したい一歩が見つかることを願っています。


