2026/10/30 更新

AI時代、人事は学生の何を見ている?

新卒採用「変わったこと」「変わらないこと」

売り手市場に陰りが見え始めている今、選考の現場では、学生を見極める視点にどのような変化が生まれているのだろう。

その答えを求めて、採用現場を熟知する人事担当者に「新卒採用の変わったこと・変わらないこと」を聞いた。変化の時代でも活躍する人と伸び悩む人の違いは何か。そんな比較も交えながら企業が選考で重視するポイントを探ろう。

新卒採用何が変わった
変化と失敗に立ち向かう姿勢が未来を創る
キーワードは「成長意欲」と「挑戦」
  • 日立製作所
  • キャリア
  • ビジネス
  • 人事
日立製作所
110を超える国と地域で事業を展開する日立製作所。社会インフラからデジタル分野まで幅広い事業を手掛け、人々の生活や産業を支えている。長年培ってきた現場の技術やデータとデジタルを組み合わせ、複雑化する社会課題の解決に挑戦する「社会イノベーション事業」を通じて、持続可能で豊かな社会の実現をめざしている
人財統括本部 人事勤労本部
タレントアクイジション部 新卒採用担当
十亀弥咲氏
選考で重視するポイント
変わったこと

周囲を巻き込みながら
変化に向き合う力が重要に

選考において変わったことは、専門性以上に「協働しながら課題に向き合うマインド」と「困難に直面しても学びながら解決をめざす柔軟性」がより求められるようになった点でしょう。日立製作所では、社会への影響力が極めて大きな課題を扱っています。誰もが情報・知識にアクセスしやすい現在、お客さまから求められる課題解決も年々複雑に。多様な人財との協働が不可欠な時代だからこそ、社内外を問わず異なる意見を持つ関係者たちと対話し、プロジェクトを確実に推進できる人財の価値は高まっているように感じます。もちろん、激しく変化し続ける現代では、一つの正解に頼り続けることはできません。都度、求められる専門性は異なるからこそ、必然的に自らの知識・スキルをアップデートするための学びは欠かせません。だからこそ、学生のうちから、答えのない課題にも一歩踏み出して挑戦する経験を大切にしてほしいと思います。

変わらないこと

行動の原点となる価値観と
社会貢献に向けた力強い思い

何か困難に直面したときの原動力となる、その人ならではの価値観や原体験。AI時代においても、そうした体験や考え方を重視する姿勢は変わりません。だからこそ日立製作所では、大学時代に限らず、周囲を巻き込みながら新たな価値を生み出した経験についてお伺いしています。近年はAIの活用により自身の経験を分かりやすく言語化する学生が増えたように感じますが、私たちが知りたいのは「なぜ挑戦し、どのような思いで行動したのか」という本音の部分です。

また、「社会をより良くしたい」という思いを原動力に、日立製作所の技術や事業を通じてその実現に挑戦したいという考えは、人々の生活基盤を支える私たちのカルチャーと親和性が高いと感じています。人とのコラボレーションを大切にし、誠実に向き合いながら、新しい価値を創出し続けるという精神は、創業から今も変わらず社員一人一人の根底にあり続けています。

市場が変化しても活躍できる人って?

未知の課題を自ら受け入れ
多様な意見を成長機会にする

自らの知らない領域にも踏み込み、新しい知識や他者からのフィードバックを素直に取り入れられる人です。日立製作所が挑む社会課題は大規模かつ複雑であり、一つの専門知識だけで簡単に解決できるものではありません。ITやOTをはじめ、さまざまな強みを持つメンバーと協働し、多様な知見を掛け合わせることは今や当たり前となりました。自分とは違う意見や価値観を受け入れ、領域を超えて物事を推進できる人は、変化する事業環境の中でも新たな可能性を見いだすことができると考えます。『One Hitachi』の力を活かして自らをアップデートし、新たな社会価値やソリューションを創出し続けられる人財こそ、これからの時代に活躍できる人と言えるでしょう。

変化に適応できずに伸び悩む人って?

過去の成功体験にこだわり
自らの得意分野に閉じこもる

過去の成功体験や自身の得意分野に固執し、変化を避けようとする傾向がある人です。事業領域や提供するサービスなどが変化していく中で、固定概念にとらわれすぎてしまうと、ITをはじめとする今の時代の進化スピードには追いつくことができません。これまでに前例のない相談であっても、その背景にあるお客さまの課題に向き合わなければ、社会が求める本質的な価値の創出や課題解決にはつながらないでしょう。自らの専門性を磨くことは重要ですが、未知の領域にも挑戦しなければ、社会課題の変化に応え続けることはできません。変化を恐れず学び続ける姿勢が、自身の可能性を広げ、より大きな価値創出につながると考えています。

採用数はどう変わった?
新卒採用を縮小する考えはありません。むしろ多様な人財への投資をさらに加速させています。従来の価値観にとらわれず、失敗を恐れずに未知の環境へ飛び込む人や、周囲を巻き込みながら組織全体を前進させられる人。AIによる効率化が進む一方、社会課題はかつてなく複雑化しているからこそ、多様な視点や発想を取り入れられる人を求めています
学生が勘違いしがちなことは?
志望動機や経験のエピソードがきれいに整っている必要はありません。むしろ、失敗を恐れずに挑戦した経験や、答えの見えない状況で悩みながらも一歩を踏み出した経験を、自分の言葉で伝えてほしいと思います。その時に何を感じ、どう行動し、どのような価値観を大切にしてきたのか、その人ならではの思いや考え方にこそ価値があると考えています
Advice from HR

日立製作所のような、コンサルティングの枠を超え、自らの技術でプロダクトを生み出し、ITとOTを掛け合わせて領域横断的にソリューションを提供できる企業は世界でも希少です。社会や産業、そして人々の暮らしを支える日立製作所においては、これからの時代、「自分なりの問いを立てる力」がますます重要になるでしょう。AIが情報収集や分析を担う時代だからこそ、「自分はこの社会で何を実現したいのか」を問い続ける姿勢が、人間ならではの価値を生み出します。企業に合わせて自分を取り繕うのではなく、自身の価値観や原体験と真摯に向き合ってください。変化を前向きに受け入れながら成長を重ねていくことが、時代に淘汰されず、皆さんが将来にわたって第一線で活躍し続けるための最も大きな武器になるはずです。

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