2019/5/31 更新 アビームコンサルティング

創造型ダイバーシティを推進し “共創”によって次代を創っていく

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ビジネスプロフェッショナルに聞く
変革期のコンサルティングファームで働く醍醐味
ここ数年、急速に進む技術革新の影響を受け、コンサルティングファームの使命や、手掛けるビジネス領域は大きく変化している。各社がこれまでのビジネスのあり方、コンサルタントの働き方などを見直す“大変革期”を迎える中、次世代コンサルタントにはどんな成長が求められるのか?各社のビジネスプロフェッショナルに聞いた。

アビームコンサルティング

取締役 執行役員プリンシパル CWO(Chief Workstyle & Well-Being Officer)
山田貴博氏

大学卒業後、大手外資系ファームでの日本・アメリカ勤務を経て2003年にアビームコンサルティングへ入社。幅広い業界で戦略策定、業務改革などを担った後、金融・社会インフラビジネスユニット長に就任。事業統合、新規事業開発、デジタル変革などに携わる

私はこれまで一貫してコンサルタントとしてキャリアを形成してきました。製造、鉄道、物流、金融、総合商社などのクライアントと共に、数多くの変革を成し遂げてきましたが、今ほど大きな変化は経験したことがありません。第4次産業革命といわれる現在、欧米などの先行事例で築き上げられた方法論を体系化し、日本やアジアに向けて最適化しながら提供する従来の方法では、もはや価値を生み出せなくなっているのです。

背景にあるのは、デジタルテクノロジーを武器にしたディスラプション(創造的破壊)。例えば自動車業界ではAIやIoT、ビッグデータ解析といったデジタルテクノロジーを武器に、自動運転の普及に向けて、技術革新が進んでいます。結果、自動車業界はGoogleをはじめとするIT企業が脅威となっています。FinTechなどの進展も相まって、異業種の企業が金融サービスに参入するケースも生まれています。つまり、技術の進化が業界の壁をディスラプト(破壊)して、市場を大きく変えようとしているわけです。グローバル化の進展が国際競争を加速させる一方で、こうした業界間の壁を越えた競争も始まっています。そのため、企業は本当の意味での変革、前例のないイノベーションを生み出そうとしているわけです。

多様性あるチームをまとめ、マエストロとして機能する

こうなれば、私たちコンサルタントも従来の考え方、取り組み方に加えて、新しい存在意義を確立しなければなりません。そこでアビームコンサルティング(以下、アビーム)にとって重要な考え方が“共創”です。クライアントやビジネスパートナーと共に新たな価値の創造を追求し、真のパートナーとして成果を出す必要があるのです。

もう一つの大きな変化は、クライアント自体が変革を内製化し始めているということです。先進的な技術を持つ人材を採用したり、変革を推進していくための専門組織を設けたり、突出した技術力を有するベンチャー企業との連携によるオープンイノベーションを推進しているのです。

コンサルティングファームも自らのビジネスの在り方を見直さなければ、この変革のムーブメントから置き去りにされてしまいます。アビームは、この社会の変化に先駆けて、強い危機意識をもって自己の変革を推進し、共創パートナーとなり得る集団へと変貌を遂げています。

具体的にアビームがどこに重点を置いて変化を遂げているのかというと、「価値創造型ダイバーシティ」の確立です。

大きな変革の流れの中で、前例のないイノベーションを起こすために必要な知見は非常に幅広く、多様な人材が必要不可欠です。多彩な人材をそろえるだけでなく、このメンバーによって最適解が導き出されるように取りまとめていくリーダーシップも問われます。オーケストレーティング、つまりさまざまな楽器の演奏者の力をフルに引き出す指揮者としての力量が、われわれコンサルタントには必要なのです。

アビームは今、変革を進めるクライアントと、ビジネスパートナーと共に、最高のオーケストラを編成し、マエストロの役割を果たすべく、創造性に富んだダイバーシティ集団へと生まれ変わろうとしています。最近では衛星画像の分析技術を持つ米国のスタートアップ企業と損害保険会社を連携させるなど、いち早くアビームらしい“共創”のかたちを生み出しています。最先端のデジタルテクノロジーを日本のマーケットに導入し一企業だけでなく、業界や社会全体の課題解決に生かすことも今後重要な役割だと思っています。

このように、クライアントの技術革新や経営・業務改革、事業改革にドライブをかけていく集団でありながら、さらに事業家や投資家のようなアクションも積極的に起こし、クライアントと共に“共創”という挑戦を繰り返すのです。

私自身の役割も時代とともに変化し、今は一人のコンサルタントとしての役割、約6000人の組織を率いる取締役としての役割に加え、CWOにも就任しました。CWOとはチーフ・ワークスタイル&ウェルビーイング・オフィサーの略称で、アビームの「働き方改革」の実現にコミットするポジションです。アビームの全社員がチームとして最高のパフォーマンスを発揮し、一人一人が生き生きと働くことができる環境づくりに取り組んでいます。ダイバーシティを浸透させるとともに、継続的に社員が高いパフォーマンスで仕事ができるよう、睡眠・食事・運動などあらゆる面で健康管理をサポートする取り組みも行っています。

「これから先、どんな人がコンサルタントに向いているか?」私は3つの要素が必要だと考えています。

1つ目は、人の話をきちんと聞き、その意味や意図を理解した上で、瞬時に反応を返すことができる人です。常に正解でなくても構いません。自身の経験やバックグラウンドをベースに自分の言葉で反応を返せることが重要です。相手のことを理解せずに一方的に意見を押し付けるだけでは、たとえそれが正論であっても相手は納得してくれません。

2つ目は、変化することを楽しめる人物です。変えるべきは変え、変えるべきでないことは変えない。それが変革の時代を生きるすべてのビジネスパーソンの条件だと思います。

3つ目は、クライアントをはじめ、業界や社会も巻き込んで変革を起こそうとする意志の持ち主です。

今、アビームは大きく変わろうとしています。もちろん、日本発のグローバルコンサルティングファームとして、日本とアジアにアドバンテージを持つ強みは変わりません。その上で、企業が変革に向かう動きを追い風とし、より大きな変革を導く共創パートナーとして、私自身もアビーム自体も大きなターニングポイントを迎えています。今までにない、変革期だからこその面白さがあると感じています。共に世界で戦い、成長していきましょう。

Company Information

本発、アジア発のグローバルコンサルティングファームとして、随一の実績と規模を誇り、国内4,500名、アジア中心の海外1,500名、合計約6,000名のコンサルタントを擁する。業界の複雑化する課題解決と向き合い、デジタルテクノロジーを活用して社会全体の課題解決においてもいち早く成果を上げている

設立年 1981年4月
資本金 62億円
売上高 748億円
従業員数 5,917名

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