DTCの次世代を担う若手社員には、どんなスキルやマインドが求められているのだろうか? 執行役員の長川知太郎氏と、入社4年目の同社コンサルタントの2人へのインタビューから学んでみよう。
長川 二人はなぜDTCに入社したいと思ったのでしょうか?
吉本 学生の頃は世の中にどんな仕事があるのかもよく分からなかったので、まずはいろいろな業界を見ることができるコンサルティングファームに行きたいと思いました。中でもDTCの面接官の方が、面接の際に私の良いところ、足りない部分を率直にフィードバックしてくれたのがとても印象的で。DTCなら成果を出せるビジネスパーソンに成長していけそうだと感じ、入社を決めました。
田口 私は第二新卒でDTCに入社しており、前職では金融機関にいました。転職時他社のファームには金融関係のポジションを提示されることが多かったのですが、DTCはその制約がなく、戦略策定から実行の支援まで、幅広い分野の案件に携われる可能性を感じ入社を決めました。
長川 密なフォローアップや幅広い分野の案件に関われるというのはDTCならではですね。実際に今二人はどのようなプロジェクトに関わっているのですか?
田口 現在は、ブランディング系の案件を担当していて、私とクリエーティブチームのメンバーが主導し、クライアントの長期ビジョンを社内外へ発信するためのコンセプトブックを制作しています。役割としては、プロジェクト全体のマネジメントと一部クリエーティブの業務を支援し、達成までをフォローしています。
長川 今までのコンサルタントというと、戦略を描いて意思決定をし、実行はクライアントに任せる、という側面がありました。しかし田口さんの場合は実行フェーズにも関わっているんですね。これから求められる新しいコンサルティングの形として、DTCにしかできない価値を提供している好例だと思います。
田口 そうですね。元々ビジョンをつくるところから支援をさせていただいており、今が実行フェーズです。コンサルティングとクリエーティブを掛け合わせることで、単に制作物を作るだけではなく、事業の可能性を広げたり、クライアントの仕事への向き合い方まで変化を起こせるように、仕掛けづくりも行っているところです。
長川 DTCにとっても未経験に近いビジネス領域ですから、私たちも大変期待しています。では、吉本さんはいかがですか?
吉本 私は外資系のクライアントに対して、企業内のコーポレート機能を1カ所に集約する「シェアードサービス」の改善を行っています。クライアントの課題を洗い出し、どういったビジョン・方向性で改善を進めていくのかをコンサルティングする案件です。コンサルタントが10名を超える大規模プロジェクトなので、先輩たちの業務を間近で見ることができ、学びの機会も多いです。
長川 なるほど。入社4年目にもなると、働く楽しさや自分の使命も感じ始める頃かと思いますが、吉本さんはどうですか?
吉本 私の担当案件は、クライアントの組織や業務の変革を行うものなので、先方の社内で反発されることも少なくありません。しかし根気強く向き合ってクライアントと信頼関係を築ければ、プロジェクトが成功した際に「DTCを信じて良かったよ」と言ってもらえることもあって。とても達成感を得られる瞬間だと思いました。
長川 これがクライアントへの最適解だという確信があれば、なぜ必要なのかを理論的に、根気強く説明するのはコンサルタントの重要な役割ですよね。では田口さんは、一緒に働くメンバーについてはどう感じていますか?
田口 年次関係なく尊敬できる先輩や上司がいることに加え、DTCならではの人の温かさがあると思います。特に私は入社後に、先輩たちの面倒見がとても良いことに驚きました。コンサルティングファームというと、漠然と合理主義的なイメージが先行しますが、全くそんなことはなくって。
長川 DTCのビジネスはグローバル規模の案件が多く外資系企業的ですが、育成に関しては密なコミュニケーションを大事にしており、日系企業的ですよね。私はこのハイブリッドスタイルはとても良いことだと思っています。では次の質問ですが、DTCの若手コンサルタントに今、求められているものは何だと思いますか?
田口 私は「自分の答えを持つこと」だと思います。よくコンサルタントに必要なのは仮説思考やロジカルシンキングなどと聞きますが、考えるだけでは意味がなく、そこからいかに自分ごととしてベストな答えを導き、クライアントに伝えるかが重要だと思っています。
吉本 私は「1回ヘコんでも、素早く切り替えて挑戦を続ける」ということがとても大事だと思います。もちろん、まだまだヘコむことも多いですけどね(笑)
長川 それこそコンサルタントは世の中の変化に柔軟に対応していかなければいけませんから、自分の目で確認することや、メンタルや思考の切り替えは重要ですよね。
吉本 そう思います。あと私は、コミュニケーション能力とタイムマネジメント能力はかなり求められていると思います。コンサルタントがバリューを出すためには、クライアントの課題をうまく引き出して最適な解を導き出す、ということが必要不可欠ですから。
長川 なるほど。ではそれらのスキルを、どのように磨いていますか?
吉本 上長に希望を伝えて、自分の強みが伸ばせそうな案件にアサインしてもらっています。あとはクライアントに育てていただいているなと思う場面もたくさんありますね。例えば「吉本さんはプレゼンが苦手なようだから、次からは彼女がプレゼンを担当して」とクライアントの方から苦手克服の機会をいただくこともあったり。
長川 「DTCは、良いクライアントに恵まれている」というのは、私も昔からよく聞いています。
田口 私も最近クライアントから言われた一言がすごくうれしくて。「皆さんのことは、発注先だとは思ってない。同志だよ」と言っていただいたことがとても印象的でした。これは先輩たちから受け継いできたDTCの誠実さや一生懸命さが、クライアントにも伝わっているんだろうなと思っています。
長川 私たちコンサルタントは、クライアントにとっての経営課題や社運を懸けたプロジェクトなど、一筋縄ではいかない案件を数多く扱っています。だからこそ考え抜き、悩むことだって多い。それでも変化を恐れずに、状況に合わせて頭や気持ちを切り替えて、その時々に最善の挑戦ができるといいですよね。