2018/3/20 更新 個×組織で最高のバリューを生み出すコンサルティングファーム

目指すは「人を大切にするNo.1ファーム」――組織文化を自分たちの手で作り上げていく醍醐味 【KPMGコンサルティング/宮原正弘社長×新卒入社社員対談】

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個×組織で最高のバリューを生み出すコンサルティングファーム【第1回】 ―powered by KPMG―
コンサルタント一人一人の“個の力”を引き出し、チームワークで“組織の力”に変えて、クライアント企業へ最高のバリューを生み出すスタイルを貫くKPMGコンサルティング。本連載では、同社の組織風土や若手人材への成長機会の提供について紹介していく。第1回は、若手に拓かれた“個”を育てる成長チャンスにフォーカス。同社社長・宮原正弘氏と新卒入社社員たちに話を聞いた。

KPMGコンサルティング株式会社
代表取締役社長 兼 COO
宮原正弘氏 【写真左】

1991年、早稲田大学政治経済学部卒、同年、旧・朝日新和会計社(現・有限責任あずさ監査法人)入所。95年、ビジネスコンサルティング部門に出向。米国・ロサンゼルス事務所、ニューヨーク事務所への駐在を経た後、2010年、IFRS(現アカウンティング・アドバイザリー・サービス(AAS))事業部長、11年、日本・アジア太平洋地域代表に就任。アジア上場アドバイザリーグループ責任者を歴任した後、14年、あずさ監査法人アドバイザリー企画部長に就任。17年7月よりKPMGコンサルティングにて現職

ビジネスアナリスト
松家ひかる氏 【写真中央】

UCバークレー校を卒業後、2016年9月に同社に入社。マネジメントコンサルティング部門に所属し、企業のマーケティング組織の構築や営業プロセス改革など多数のプロジェクトに従事

ビジネスアナリスト
鶴 翔太氏 【写真右】

2015年3月、同志社大学卒業後、UCアーバイン校でサーティフィケイトを取得。17年9月に同社に入社。リスクコンサルティング部門に所属し、現在、グローバルメーカーの内部監査・内部統制の業務をサポート

攻めと守りの両輪のサービスを提供し、戦略策定から実行支援までカバー

世界4大会計事務所の一つであるKPMG。そのコンサルティング部門の中核を担うのがKPMGコンサルティング(以下、KC)だ。KPMGのグローバルネットワークの一員であり、組織としては、KPMGマネジメントコンサルティングとKPMGビジネスアドバイザリーの統合により、14年7月に設立された比較的新しい会社である。

「マネジメントコンサルティングと、リスクコンサルティングという二大部門を持ち、いわば“攻め”と“守り”の両輪でサービス領域を拡大しています。これがKCの最大の特徴といえるでしょうね」

代表取締役社長の宮原正弘氏はそう語る。マネジメントコンサルティングが、事業戦略策定やIT導入支援を含む業務プロセス改善など、企業の成長を加速させる“攻め”の支援だとすれば、リスクコンサルティングは、内部監査・内部統制、セキュリティーなど、成長を安定的・持続的なものにするために適切にリスクを管理する“守り”を固めるサポートだ。

「両輪を回すことにより、最初に戦略を描くだけでなく、それを実行し、定着するまでのプロセスをしっかりと“やり切る”。戦略の策定から実行まで、トータルでカバーできるようになりました」(宮原氏)

KCとしてスタートを切って以来、従来から高い評価を受けてきたリスク管理の知見を活かせるリスクコンサルティングを強化するとともに、マネジメントコンサルティングの分野でも、クライアントのニーズやビジネスのトレンドに即して事業を拡大。設立当初は200人程度だった組織も、3年半の間に約900人規模まで急速に大きくなっている。KPMGという確固たる老舗ブランドを持ちながらも、KCはいわばベンチャー企業のような活気に満ちあふれた若い組織だという。

「新しい人がどんどん入ってきて、新しいことにどんどん挑戦している。一人一人が生き生きと輝いている組織を作りたいと考えています」(宮原氏)

生え抜きの若手社員は、これからの会社の文化を作っていく担い手

そのために宮原氏が日頃から強調しているキーワードが、「Ownership」「Respect」「Collaboration」だ。

規模の拡大とともに、多彩なバックグラウンドを持つ社員が増えている。他のコンサルティングファームで経験を積んだ人や事業会社出身の人、新卒採用で入社した若手もいる。国籍もさまざまだ。

多様性あふれる組織の中で求められているのは、年齢や性別、国籍、教育、業務経験などに関係なく、一人一人がオーナーシップを持って自律的に行動すること。そして、お互いをリスペクトし合い、コラボレーションしてチームとして力を発揮することだ。それは若手であっても例外ではない。

2017年に新卒入社した鶴翔太氏は、現在、地方のクライアント先に常駐している。30名ほどの常駐メンバーの中で、新卒1年目社員は鶴氏だけだ。入社してすぐにこのプロジェクトにアサインされたため、会社のマネジメントや本社にいる社員、他のプロジェクトに配属された若手と接する機会は普段ほとんどない。

「通常業務の中で接点が持てないなら、自分でそういう機会を作ろうと思い立ったんです。私の所属するリスクコンサルティング部門のトップが毎月プロジェクト状況の確認に来るので、そこに合わせて時間を作ってもらい、メンバーと食事をする場をセッティングしました。忙しい中、わざわざ時間を取ってくれてうれしかったですね」(鶴氏)

周囲の先輩たちにも声を掛けて若手中心の食事会を開催した。職場とは異なる気楽な雰囲気で他愛のない雑談を楽しんだり、仕事や会社に対する思いを語り合うことができた。

「それ以来、本社で上司に会っても話をしやすくなりました。こうしたコミュニケーションの場を率先して作ったことで、他のメンバーにとっても、上司との距離を縮める良い機会になったようです。今後も定期的に開催したいと思っています」(鶴氏)

「上の人間は忙しいからと遠慮する若手もいるけれど、若い人たちからコミュニケーションを取られてうれしくない人はまずいないからね(笑)。鶴のように積極的に声を掛けてくれると、こちらも次に話し掛けるきっかけにもなるし、大歓迎ですよ」(宮原氏)

自ら企画を提案し、周囲を巻き込んで実現する。こうした自発的な行動が、特に若手社員から次々と生まれることが非常に重要だと宮原氏は言う。まだ新しく成長途上の組織であるKCは、今まさに文化を作っている最中だからだ。

「会社の文化を作っていくという点では、やはり若い人たちが主役にならないといけない。即戦力を集めるだけではなく、毎年しっかりと新卒を採用し、じっくりと育てていくことで企業としての核ができるのだと考えています。KCはこういう会社なんだ、ここでキャリアを積んでいくんだと、愛着と誇りを持てる人たちをもっともっと増やしていきたいですね」(宮原氏)

悩みを共有し、意見を交換する、若手が気軽に集える場も誕生

そうした兆しはすでに見え始めている。2016年に入社した松家ひかる氏は、「StartUp Community」の運営メンバーの一人。これは新卒入社社員の有志がゼロベースで企画を考え、運営を手掛ける社内コミュニティーだ。

マネジメントコンサルティング部門では、新入社員は全員「StartUps」と呼ばれるビジネスユニットに所属する。ここで基礎的なトレーニングを積んでから各サービスラインに配属となる。StartUpsはいわば新人育成機関のようなもので、一度ここに所属することによって同期としての意識が高まり、仲間同士の絆や横のネットワークも生まれてくる。

ただしこのStartUpsには、マネジメントコンサルティング部門の新人しか所属できない。そこで、松家氏が運営するStartUp Communityには、リスクコンサルティング部門の社員も参加できるようにした。また、新卒入社社員が始めに就く職位であるビジネスアナリストだけでなく、一つ上の職位であるコンサルタントまで対象を拡大。つまり、縦横に組織の枠を超えて広く若手社員同士が集える場を立ち上げたのだ。

「私たちの仕事はプロジェクトベースで動くスタイルなので、毎日オフィスで顔を合わせるわけではなく、同期とのコミュニケーションも図りにくい。私は今、新卒採用のサポートもしているのですが、そうした状況に孤独感を抱く人も少なくないはずと感じていました。同じような年齢で、同じような悩みを持つ者同士が、いつでも相談できる環境を作れないかと考えたのです」(松家氏)

2017年のコミュニティー発足にあたり、松家氏は運営チームの一員として、ワークショップの内容をゼロから考え提案した。すでに開催した第1回は、どんな会社にしていきたいのか若手同士でディスカッションを行ったが、次回はまた趣向を変え、社外から事業会社で活躍しているゲストを招き、コンサルティング会社の若手に期待することなどを聞きたいとも考えている。

「KCはベンチャーのような気風がある新しい組織なので、会社と一緒に自分もチャレンジしていける環境がある。私はそこに魅力を感じてKCに入社を決めました。先日のStartUp Communityのワークショップでは、プロジェクトベースで普段なかなか顔を合わせることのない同じ年代の社員たちが、どんな思いを持ってKCに来たのかも聞くことができ、KCで働くことを誇りに思う気持ちがより強くなりました。私たちのような若手が、どれだけKCのことを思えるかが、組織を作っていく上でとても大事だと思うんです」(松家氏)

「私たち経営陣がトップダウンで『○○をやりなさい』と言ってしまうと、ただの押し付けになってしまいます。松家のように、若手が自発的に手を挙げて『やりたい!』と言ってくれるから価値がある。こうしたコミュニティーによって横のつながりが深まると、年次が上がっていったときにも各サービスラインの連携が取りやすくなります。結果として、クライアントへのサービスの質も高まる。とても喜ばしい取り組みですよ」(宮原氏)

「私たち自身も、やって良かったなと改めて思っています。実際に入社して感じたのは、とにかく一人一人の話をきちんと聞いてくれる会社だなと。自分から提案すると、大抵のことは『やってみろ』と背中を押してもらえるのがありがたいですね」(松家氏)

追求すべきは売上規模ではなく、クライアント企業の健全な発展への貢献

それは「会社として、しっかりと若手を育て上げていく」という明確な意思の表れでもある。若手を採用しても、すぐに退職してしまっては新しい文化の担い手にはならないからだ。

「コンサルティング業界は、人の出入りの激しい業界のように思われがちですが、KCには“腰掛け”は要りません。あくまでもクライアントの健全な発展に貢献することが目的であり、その実現のために若手にも腰を据えて頑張ってほしいと伝えています」(宮原氏)

最近、社内では「KCファン」という言葉を聞くことが増えた。2018年1月に社内のキックオフイベントで発表した中期経営計画では、ビジネスの拡大を目指す上で、収益や規模を追求するのではなく、「KCファン」になってくれるクライアントを増やそうという方針を打ち出した。

具体的には、何か新しいことに挑戦したいと考えたときに一緒に取り組みたいとKCが選ばれる存在になり、クライアントとKCがお互いに信頼し合い、協調できる関係を構築することだ。

ところが、いつしか誰からともなく「社内にもKCファンを増やしていきたいね」という声が挙がってきたのだという。最近では、企業文化の担い手となるロイヤリティーの高い社員を指して「KCファン」という言葉を使うことも増えた。

「私は、若手も含めた社員に対して、『人を大切にするNo.1ファーム』を目指そうと伝えています。メッセージとしてはあまりにシンプル過ぎるかとも思ったのですが、今KCはまさに組織を創っている途上にあります。だからこそ、一番大切なものは人だということをストレートに伝えることが何よりも重要だと考えています」(宮原氏)

コンサルタントの仕事は、決して綺麗で華やかなものばかりではない。プロジェクトの現場ではシビアな局面に立たされることもしばしばある。だからこそ、皆で支え合い、乗り越えていくことが必要だと宮原氏は強調する。

そんな中で、鶴氏と松家氏は、こんな夢を描く。

「先ほどのKCファンと通じますが、何かあったときに『鶴に相談すれば大丈夫』と言われる存在になりたいです。クライアントからも、チームメンバーからも、何かあったときには一番初めに相談される人間でありたい。優れた解決策を提示できるから、というだけでなく、とにかくまず話を聞いてほしい、と思ってもらえるような器の大きい人間に成長していきたいですね」(鶴氏)

「今年、KCにも初の女性パートナーが誕生しました。私はKCの中で、性別をはじめとした国籍や文化に関係なく誰でもチャレンジできる、活躍できる環境作りを手伝っていきたいと思っています。そのためにも、私自身が女性社員の一つのロールモデルとなれるように頑張りたい。『KCにはこんなに輝いている女性がいるのね!』と社外から認めてもらえるくらいになるのが目標です」(松家氏)

「人を大切にする」から、一人一人が自分らしく生き生きと働ける。やりがいを得て、成長を実現し、皆が“ここで働く価値”を常に実感できる。それこそが、KCという組織のバリューであり、力なのだ。

取材/福井千尋(編集部) 文/瀬戸友子 撮影/竹井俊晴




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