2019/12/1 更新 100年先に続くバリューを生み出すコンサルティング力とは?

世界の進化を牽引するDTCの未来

  • デロイト トーマツ コンサルティング
  • キャリア
  • 事業戦略
  • 経営層

2018年に50周年を迎えたデロイト トーマツ グループ。そのメンバーファームであるデロイト トーマツ コンサルティング(以下、DTC)は、コンサルティング業界において独自のポジションを築いてきた。次の50年の成長を支える、事業戦略とは何か。また同社のコンサルティング力は、どのように磨かれているのか。同社代表執行役社長 宋 修永氏、人事担当者に聞いた。

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 代表執行役社長 宋 修永氏 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 代表執行役社長
宋 修永氏
韓国の大手電機メーカーで大規模のGlobal BPRプロジェクトに携わる。コンサルタントに転身後、グローバルSCM分野での戦略策定、業務プロセス・組織改革、IT計画策定・実行支援などを、自動車、電機といった製造業中心に数多く手掛ける。2018年より現職

50周年を迎えたデロイト トーマツ グループ

2018年、デロイト トーマツ グループは50周年を迎えました。その一員としてコンサルティングサービスを担うデロイト トーマツコンサルティング(DTC)は、コンサルティング業界の中でも極めてユニークなポジションを築くことができました。戦略特化のファーム、テクノロジーに強いファームなど、各社さまざまな特徴がある中で、DTCはあらゆる業種・業界のクライアントに、戦略策定から実行までを一貫して支援する総合コンサルティングファームとして地歩を固めています。総合ファームとしてあらゆる課題に対応できる理由としては、創業以来、徹底して「クライアントファー スト」の姿勢を貫いてきたからだと思います。

DTCは華々しくアドバルーンを打ち上げて満足するような会社ではありません。むしろ極めて地道な会社と言えるでしょう。いたずらに目先の収益のみを追求することはせず、我々のサービスがいかにクライアントの成果につながったのかを重視してきました。そのために、自社で高い基準を設けて、提供するサービスの品質にこだわり、ひたすらクライアントのビジネスの成功を追求してきた歴史があります。

我々は、その時々の流行のソリューションに安易に走ることなく、一つ一つの課題に真摯に向き合い、真に必要な改革を支援してきました。その結果として、特定分野にとどまらず、あらゆる領域における知見が蓄積されていったのです。

業種と課題の2軸でサービスラインを整備

DTCでは現在、二つの軸によるチーム編成をとっています。製造、金融、資源、パブリックセクターといった業界・業種別のインダストリーサービスと、戦略、組織変革、オペレーション、テクノロジーなど機能別のコンピテンシーサービスがあり、各領域にプロフェッショナルを有しています。

例えば、私自身はもともと電機メーカー出身で、半導体の専門家でした。コンサルタントとしては製造業を中心に、主にSCM分野でのストラテジーやオペレーション改革のプロジェクトに数多く携わってきました。このように、それぞれの専門分野において豊富な経験と高度な知識を持つメンバーがチームを組み、複雑な課題を解決に導きます。

そして重要なのは、このマトリックスが日本国内にとどまらないということです。全世界150カ国に及ぶデロイト ネットワークのエキスパートと連携して、グローバルな知見を共有しているのです。

これにより、クライアントに提供できるサービスの幅が大きく広がります。人材採用や組織改革における課題であっても、オペレーション変革であっても、DTCなら幅広い領域の知見を駆使してコミットし、いかなる難題にも応えることが可能です。そして、その積み重ねがDTCへの圧倒的な信頼につながるのです。

一方、社内のコンサルタントの視点から見ると、活躍のフィールドがそれだけ広いとも言えます。特に若い方々にとっては、あらゆる産業・領域のプロジェクトを、グローバルレベルで経験できるのは大きな魅力でしょう。DTCのクロスボーダーなアプローチは、世界中のどこにいってもその領域の第一線で活躍できることにつながるのです。クライアントファーストを徹底する厳しいサービス基準の下で、幅広い経験を積んで成長していただきたいです。

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 代表執行役社長 宋 修永氏

若手がクリエーティブに働ける環境を整えていきたい

これまでにDTCは未来を見据えた投資を行いながら、総合ファームとして体制を固め、急成長を遂げてきました。しかし、この先も従来のやり方が通用するとは思えません。人口問題や環境問題などさまざまな社会課題への対応も必要ですし、デジタル、AI、クラウドなどテクノロジーの革新も進んでいます。

それに伴い、クライアントのビジネスも大きく変化していきます。例えば自動運転が普及したとき、自動車保険はどうなるのか。保険会社はどのようなサービスモデルを提供し、新しい時代をどう生き抜いていくのでしょう。このようなことを、クライアント自身も真剣に考えています。

そこでコンサルタントが従来の延長線上のアドバイスしかできないようでは、やがて必要とされなくなってしまいます。今、我々がなすべきことは、この先30年、50年後のDTCがどうあるべきか、大局的な見地から未来を描いていくことなのです。

私は、DTCの未来を創る主役を担うのは、若い方々だと信じています。我々の固定観念を軽々と飛び越えるような自由な発想をどんどん出してもらい、新しいDTCをつくってもらえたらと考えています。

私の役割は、若い人たちがクリエーティブに働ける環境を整えること。そのための投資は惜しみません。次の50年のために、未来を創るという挑戦に挑む若い人たちをしっかりとサポートしていきたいですね。

【人事インタビュー】
DTC「次の50年」を支える 人材育成の取り組み

デロイト トーマツ グループ50年の歴史で培ったノウハウを強みに、グローバルに通じるプロフェッショナル人材を育成してきたDTC。「次の50年」を担うコンサルタントを育てるための取り組みを、人事担当者に聞いた。

企業のさまざまな組織・機能・目的に対応したサービスを提供するコンピテンシーサービスと、さまざまな業界・業種ごとの専門的知識とプロジェクト経験を持つインダストリーサービス。 DTCでは常に専門的な知見を深め、経験を蓄積しているこの2つの軸で、クライアントの抱える経営課題に応じて適切なチームを組めるマトリックス型のサービス提供を実現している

デロイト トーマツ コンサルティング 新卒採用チーム マネジャー 押切 麻里子氏 デロイト トーマツ コンサルティング 新卒採用チーム マネジャー
押切 麻里子氏

コンサルタントの実力を伸ばす「基礎スキル」と「専門性」の強化

「デロイト トーマツ グループの一員として、『100年先に続くバリューを生み出すコンサルティング力』を強みに成長してきた私たち。今後のDTCを支えるプロフェッショナルを育てるための仕組みや機会を多く提供しています」

そう話すのは、DTCの人事を担当する押切 麻里子氏。実際に、新入社員の育成については特に力を入れている。

「入社するとまず、約2カ月間の『BA(ビジネス・アナリスト) ブートキャンプ』と呼ばれる新人研修が待っています。ここでは、プロジェクトに配属されてすぐに役立つスキルセットのトレーニングはもちろん、チームワークの醸成や自己の殻を破るためのプログラムも用意しています。活躍するビジネスパーソンとしての素地をつくるため、スキル・メンタル両面から成長をサポートすることが重要だと考えています」

とはいえコンサルタントが本当に成長するためには、実際のプロジェクトにおいて経験を積むこと以上のものはない。そこに、『インダストリー/コンピテンシーマトリックス組織』を持つDTCならではの成長機会がある。

「入社後数年は、数カ月単位のサイクルでさまざまな領域のプロジェクトにアサインされます。DTCでは、戦略・テクノロジー・組織変革・オペレーションなどの分野に分けられる『コンピテンシーサービス』の縦軸と、金融・資源・パブリックセクターなど業界別の『インダストリーサービス』の横軸が組み合わさってプロジェクトが発足します。専門性の高い各分野のプロフェッショナルたちのもとでプロジェクトに参画することで、コンサルタントとしての基礎スキルを身に付けるとともに、各業界や分野について学ぶことができます。そしてさまざまな領域を経験した後、自身のこれまでのプロジェクトを振り返りながら、適性や将来を考え専門領域を絞り込み、その中でさらにスキルを積み重ねていく成長モデルです」

その後は各プロジェクトの現場責任者ともいえるマネジャー、そしてプロジェクト全体を取り仕切るパートナーへとキャリアパスを歩んでいく。

「代表の宋をはじめ、社内は次世代の活躍に対して期待が最高潮に高まっています。コンサルタントとしての総合力・実践力だけではなく、専門性の高いプロフェッショナルに育ち、これから先のDTCをつくっていってほしい。そう考えるマネジャーやパートナーが多く、若手の方々が挑戦できる機会も豊富に用意されています」

専門性の高いビジネスプロフェッショナルとしてコンサルタントを育てる仕組み、そして若手の成長を大きく促す組織風土が、これからもDTCの成長を加速させる。

取材・文/瀬戸友子、大室倫子(編集部) 撮影/赤松洋太

合わせて読みたいこの企業の記事