その他の業界 × SGDs
東日本高速道路(NEXCO東日本)
関東以北、長野、新潟から北海道まで、国内最長の高速道路の管理・運営を行う。管理や建設のみならず、高速道路という大動脈を武器に地域社会と日本経済の活性化に寄与するべく、多様なビジネスに取り組んでいる
培った知見や技術を基に
新たなビジネスを模索し
安全安心で快適な社会へ
新規事業の立ち上げや
テクノロジーの導入により
次世代高速道路を実現
総務・経理本部 人事部長
1986年、事務系の総合職ポジションとして同社の前身「日本道路公団」に入社。用地買収や資金調達、料金収受、サービスエリア事業、法務など幅広い業務に従事。2005年の分割・民営化を経験し、19年より執行役員に就任
私たちNEXCO東日本は、国内最長の高速道路区間を管理し、業界をリードしながら社会の発展に寄与していくという、重要な責務があると認識しています。高速道路は単に人の移動だけではなく、物流の起点となり、日本経済の活性化に貢献できます。こうしたミッションから、『産業と技術革新の基盤をつくる』ことを掲げ、SDGs経営へ本格的に着手しています。
例えば、安全性の観点。冒頭に述べたように、老朽化への対応としてスマート・メンテナンス・ハイウェイプロジェクトに業界内でもいち早く着手しました。従来、人が行っていた点検作業をICTやAIを使った先端技術に置き換え、高速道路を長期的に守り続けます。
私たちの取り組みは、高速道路を“守る”だけにとどまりません。“攻め”の姿勢で社会への貢献を目指しています。最近では、事業構想大学院大学と連携し、「仙台事業構想大学院」を共同開設しました。社会問題の解決のために、われわれに何ができるのか。11名のNEXCO東日本社員が高速道路の枠にとらわれない、新たなビジネス機会の創出に取り組みました。開始からわずか半年ほどではありますが、既に実現可能な案がまとまってきています。その一つが「子育てツーリズム」です。都会に住む子どもに“ふるさと”をつくることを目的に、NEXCO東日本が持つ旅行業のノウハウを活かした事業の構想が出来つつあります。
また、地域に根差した新規事業の立ち上げを目指すほか、人工衛星の打ち上げ技術を持つベンチャー企業などとの共同プロジェクトにも着手しています。活動は国内だけではなく、海外にも及びます。インドの有料高速道路事業に参画すべく子会社を設立。韓国やオーストリアの高速道路会社との技術協定なども行ってきました。
いまだかつてない未来の移動を創造
新たな発想で考える柔軟性が重要
さまざまな技術革新が進められている中、自動運転やコネクテッドカーが普及する未来は遠くありません。100年に1度の大変革期ともいわれる今、次世代高速道路の実現に向けて、NEXCO東日本は10年後、20年後の社会の姿や今後の課題を整理しました。自動運転は自動車メーカーを中心に技術研究や開発を進めていますが、それに対応する道路側の機能向上は欠かせません。具体的に言えば、車両が認識する二次元コードなどによる標識の設置や、将来的には標識情報をバーチャルで提供する。そして、自動運転車両の専用レーンをつくり、高速かつ安全な走行空間を確保すること、などが挙げられます。さらに、車両や道路から得られるデータを活かして、渋滞状況や迂回ルートの情報をスピーディーに提供することで、時間通りに目的地へ到着できるようにすることも考えています。これらを進めていく上で共通認識としてあるのは、安全・快適な移動の実現。そして交通弱者をつくらない、という強い信念です。
次世代高速道路の実現に向けた動きは、これまでにないことの連続だと断言できます。既存の仕組みを壊し、柔らかな発想でゼロから構築する。そしてあらゆる可能性の中から最善を模索すること。強い思いを持ち、最後までやり抜くことが重要となります。こうした姿勢をお持ちの方であれば、この変革期を楽しみ、刺激を受けながら働いていただけることでしょう。