デロイト トーマツ コンサルティング(以下DTC)は、世界中のさまざまな業界・業種ごとの専門知識と豊富なプロジェクト経験を持つエキスパートたちの力を集結させ、企業のあらゆる課題を解決している。
現在、同社でシニアコンサルタントとして自動車業界を中心に海を越え、多様な企業の戦略立案・実行までを担っている斎藤繁人氏は、就職活動当時、商社と広告代理店、コンサルティング業界に興味を持っていたという。
「私にとっての仕事とは、課題を解決することであり、そのアプローチ方法が業種によって異なるという認識でした。自らリスクを取る商社や、広告を通して課題を解決する広告代理店の具体的なイメージに比べ、コンサルティングは漠然としていました。そこからどんな仕事か興味を持ちインターンシップに参加したんです」
当時のインターンシップは3名1チームでのグループワーク。DTCが実際に携わった案件の課題解決を、2週間かけて行うケーススタディだった。与えられたテーマは、空港を経営する事業体の中期戦略立案だったという。
「初対面のメンバーと経営戦略を考える過程で、互いの主張がぶつかり、合意に至りませんでした。感情論ではなく議論を重ねて周囲を動かす難しさを実感しました」
メンバーと本音でぶつかり合った末、ようやくチームとしての企画案をまとめることができた。
なんとか形になったチーム案を発表した際、先輩社員から指摘されたひと言は、今でも斎藤氏の胸に深く刻まれているという。
「この案はクライアントにとって、どんな価値を生むのですか」
目的をどこに置くかで戦略の方向性や立脚点は異なる。グローバル環境で世界中のナレッジを吸収し、情熱をかけてクライアントの課題解決に向き合っている先輩社員からの指摘は鋭かった。
「自分なりに考え抜いた末の結論でも、まだまだ浅かったと思い知らされました。想定外の角度からいくつも疑問を投げかけられ、今までに考えたことも無いような新しい視点に気付かされました」
『考えてください』と問われ続けることで、課題解決のためには徹底的に深く考えることが必要だと理解し、コンサルタントのイメージが明確になったと斎藤氏は当時を振り返る。学生相手でも垣根をつくらず、プロとして真剣に助言する先輩社員の姿を見て、斎藤氏はDTCに惹かれたという。
「個のプロフェッショナルが集まるだけでなく、チームでサポートし合うのがDTCらしさ。こうした環境なら自らを成長させていけると感じたことが、私の進路を決める大きなポイントになりました」
道を指し示し、実行まで徹底して考え抜くことで課題を解決する。インターンシップで垣間見たコンサルタントの仕事の本質を、斎藤氏は今、自身のコンサルティングで体現し続けている。