三井住友信託銀行 2021/10/28 更新

未来のために、ネガティブインパクトの芽を摘み
ポジティブインパクトの種を蒔く

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先輩社員22人、入社前後の仕事観の変化をたどる
私たちが働く理由

自分の志向にマッチした企業へ入社すると、仕事のパフォーマンスも上がりやすいもの。しかし自分が成し遂げたいこと、かなえたいことが一体何なのか、言語化しきれなかったり、入社してみないと分からないよ……と悩んだりする学生も多いだろう。そこで各企業の先輩たち22人に、「学生時代」「入社数年経ってから」「コロナ禍を経験した今」、それぞれの時期の「自分が働く理由」を聞いてみた。
自分自身の働く理由を考えると同時に、「仕事選び」の視点を養っていこう。

経営企画部 調査役
岡本 竜

2011年4月新卒入社。配属後、法人リレーションシップマネージャー(RM)としてミドル企業および電機セクターの企業を計6年間担当。17年4月から国際協力銀行(JBIC)に出向し、プロジェクトファイナンスや輸出金融などの業務に2年間携わる。19年4月より現職にて、グループの経営に係る基本方針の企画立案や業務提携などの企画・遂行に従事

三井住友信託銀行を中心とした三井住友トラスト・グループは、日本経済を支える「金融インフラ」としてさまざまな機能を担っています。「金融インフラ」を担うことの矜持に加え、社会的価値の創出と経済的価値の創出の両立を経営方針として掲げており、お客さまや社会の課題解決に貢献するという姿勢が従業員レベルでも広く浸透しています。私は「世界中の子どもたちを腹いっぱいにしたい」という自身の目標を実現する上でふさわしい環境だと感じ入社を決めましたが、入社後10年が経過した今、その判断は間違っていなかったとの思いを強めています。

入社後6年間、法人RMとして、プロジェクトファイナンスやバイアウトファイナンスなどの金融手法の他、不動産・証券代行・年金などの三井住友信託銀行が手掛ける各種法人取引について経験を積みました。その後、それまでの業務経験と社会問題への意識の高さが通じて、入社7年目に国際協力銀行(以下、JBIC)に出向。日本企業による輸出・海外M&Aなどの支援を行うJBICで、国内外の人・組織と接し、多様な働き方や、相手の国民性を踏まえた交渉の進め方について学びました。

現在は三井住友トラスト・ホールディングスおよび三井住友信託銀行の経営企画部メンバーとして、グループ経営に係る基本方針の企画立案や、M&Aや第三者との提携業務に従事しています。

社会の「仕組み」を理解し
「変化」を実現する

社会課題の解決においては、「政府・企業・家計」「法人・個人・投資家」「お客さま・株主・従業員・地域社会」などさまざまな切り口から、多様なステークホルダーの利害関係やパワーバランスを構造的に把握し、どこのボタンを押すとどのような連鎖・影響が生じるのかを見極めることが重要です。例えば、近年の企業ガバナンスを巡る動きにおいては「スチュワードシップ・コード(機関投資家のための行動指針)やコーポレートガバナンス・コード(企業統治に関する指針)などの導入により、機関投資家の行動様式が変容→株主である機関投資家の声を無視できない企業におけるガバナンス改革の加速」という経路で変化が生じています。

公的年金が制度疲労を起こす中で、いかに民間セクターとして個人の資産形成を支援・促進していくかといった、金融に直接関わる社会課題の他、脱炭素・海洋プラスチックといった環境問題、LGBTQ・児童労働といった人権問題など、次世代のためにも解決しておくべき社会課題が山積しています。

今後もさまざまな社会課題の解決を目指し、私は視線を遠くに伸ばし、全方位を見渡して、お客さまをはじめとした多様なステークホルダーが抱える課題やニーズをできるだけ早く検知していくつもりです。社会が抱えるネガティブインパクトの芽を摘み、ポジティブインパクトの種を蒔くこと、自身の業務はそこにつながる/つなげるのだという思いで日々仕事に取り組んでいます。全ては未来のために。

「働く理由」はどう変わった?

入社

世界中の子どもたちを
腹いっぱいにしたい

文系理系の選択など、進路を考え始める高校1年生の頃、テレビでは中東での紛争や戦禍に苦しむ人々の様子、大国の利害対立により機能不全に陥る国連の状況などが多く報道されていました。その中で、自身の中で湧き上がってきたのが「世界中の子どもたちを腹いっぱいにしたい」という言葉であり、以降、これが自身の人生の指針となっています。

大学ではUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のユース団体に所属。公的機関と企業・NGO/NPOが連携し物事を進めており、コラボレーションなくして複雑な課題解決は成し得ないことを目の当たりにしました。

そこで私は、国連などの公的機関ではなく、より自由な発想で、フットワークが軽くさまざまな領域に取り組める民間企業への就職にかじを切りました。若いうちからさまざまな業界と関われる金融機関を志望する中、出会ったのが、社会課題の解決に本気で取り組むカルチャーを持つ当社でした。

7年

出向を通じ広がった視野と
新たな「宿題」

入社7年目、私は国際協力銀行(以下、JBIC)に出向しました。JBICでは、主に製油所や石油化学コンビナート建設に係るプロジェクトファイナンスに従事しました。国営石油公社や各国の政府系金融機関、弁護士事務所、技術・環境コンサルタントなどの多様なプレーヤーとの折衝を通じ、国民性・立場の違いから来る考え方・発想の違いを目の当たりにしました。

また、当時は現在ほど「脱炭素」が叫ばれる状況にはありませんでしたが、製油・石油化学分野をよりクリーンなものにどう「移行」していくかが自身の中でも大きなテーマになった他、石油公社とESG(環境・社会・ガバナンス)への関心が高い欧米の年金基金などを結びつけることが「移行」の加速に寄与する可能性も強く感じました。

JBICでの業務を通じ発見した社会課題やその解決に資するかもしれないアイデアの仮説検証も、私が取り組みたい「宿題」となっています。

現在

志では終わらない
「未来を創る仕事」

JBICから戻り、経営企画部のメンバーとして働き始めた頃。当時3歳の娘から、「お父さんはどんなお仕事をしているの?」と問いかけられました。

銀行というものを説明しようと「お金を貸す仕事だよ」と答えかけた一方で、そんな表面的な捉え方では不十分だ、つまらないと感じる自分がいました。目の前にある業務を処理することだけが仕事ではない。娘だけではなく世界中の子どもに、負の遺産ではなく明るい未来をプレゼントしたい。そう考えると、日々の業務の見え方も大きく変わってきました。今では娘には「未来を創る仕事だよ」と伝えるようにしています。

入社後10年が経過した今、「世界中の子どもたちを腹いっぱいにしたい」という初志を曲げることなく、素晴らしい仲間に恵まれて仕事ができることを誇らしく感じています。単なる志で終わらせるのではなく、自身の中で蓄積した具体例をヒントに、どれだけ多く課題解決に貢献できるか、私の挑戦は続きます。

会社のミッション

現代社会が抱える課題を解決し
社会的価値と経済的価値を創出する

「信託の力で、新たな価値を創造し、お客さまや社会の豊かな未来を花開かせる」ことを自社の存在意義(パーパス)として掲げています。現代の社会・個人は常にさまざまな課題を抱えていますが、コロナ禍以降、さらに多くの課題に直面しています。このような課題の解決(社会的価値の創出)と経済的価値の創出の両立を実現することがミッションです。

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