-お二人は現在、どのような仕事に携わっていますか?
大橋
私は製造・流通業のお客さまへサービスを提供するグループに所属しています。お客さまの課題に基づくシステムの提案から関わり、目指す効果を出すために必要なスキルを持った人材を集め、計画通りにシステムを導入する、プロジェクトマネジメントが専門です。
佐藤
私はお客さまの人事管理システムの保守運用と追加開発を担当しています。具体的にはフィリピンにいるオフショア開発部隊と連携して、インターフェース開発やモジュール開発、開発環境の改善などに取り組んでいます。
-エンジニアにとってコンサルティングファームで働く魅力はどこにあるとお考えですか?
大橋
私が以前在籍していたメーカー系Slerと比較すると、いわゆる上流工程から関われる点が大きく違います。アクセンチュアでは開発に携わるエンジニアも、プロジェクトの早い段階からお客さまとコミュニケーションをしながらコンサルタントとともに課題解決を目指します。また開発に際しても自社製品を持たず、特定のベンダー製品やソリューションを使うことを前提としないので、お客さまにとってベストな選択肢を取りやすいというメリットがあると思います。
佐藤
私は新卒入社なので他社との比較はできないのですが、プロジェクトの多様性、取り扱うデータ量もそうですが開発規模の大きさは、グローバルファームが手掛けるシステムならではだと感じます。その上で、福利厚生も手厚いですし、LGBTへの支援体制などを見ても、インクルージョン&ダイバーシティ活動にも積極的なのがよく分かります。アクセンチュアにはいろいろな人がいますが、それぞれが働きやすい環境の整備を目指しているなと感じます。
-コンサルタントとエンジニアの関係について教えてください。
大橋
コンサルタントがお客さまの経営課題を見つけ、ビジネスプロセスやビジネスモデルの変革を促す立場であるなら、我々はテクノロジーによって、コンサルタントが描いたソリューションを実現する立場。お互い得意分野が異なるだけで上下関係はありません。よりイノベーティブで実験的なアプローチが必要なときは、コンサルタントとエンジニアが協力して手早くプロトタイプを作り、実証実験につなげることもあるほど、その関係は緊密です。
-入社2年目の佐藤さんは、これまでどのような場面でご自身の成長を実感されましたか?
佐藤
人事システムと他のシステムとの連携といっても、その方法は一つではありません。先日もどのようなアプローチを採るのがベストか、チームメンバーで話し合ったところ、運用の妨げにならず、リスク回避の面でも優れていると認められ、最終的に入社2年目の私が提案した方法が採用されました。大学でコンピューターサイエンスを学んでいたころは、大型システムの運用にまで考えが及ばなかったので、自分の中では大きな進歩だと思っています。また、入社後間もない私がこうした経験ができたのは、部下も上司も関係なく、自由に意見を出し合える環境があるからです。アクセンチュアは外資系企業とはいえ、日本にある以上は少しくらい年功序列的な風土があるだろうと思っていたのですが、完全に取り越し苦労だったようです。
-ビジネス環境の変化は激しさを増しています。社員の成長を支援する仕組みについて教えてください。
大橋
代表的なものはキャリアカウンセラー制度。この制度は、プロジェクトの上司ではない管理職がメンターとして今後のキャリアや働き方について相談に乗るという制度で、全社員が対象です。また管理職以上の職務候補の全ての社員が十分に成長機会を得られているかを定期的に確認する「3Rアセスメント」という制度や、上長の許可を必要とせず異動願いが出せる社内公募制度「キャリアズ・マーケットプレイス」な
ど、社員の意思や希望に応える仕組みが整っています。
佐藤
スキル面でのバックアップ体制も充実しています。先日もユニットテストの自動化ツールをどうやったらうまく現在の開発フローに適した形で導入できるかをフィリピンの開発メンバーと考えていたところ、すでに複数のオンラインプログラムが準備されていることを知りました。オンライン研修は2万種以上あり、対面型研修やワークショップも豊富に用意されているので、スキルを高める環境は十分整っていると感じます。
-今後、エンジニアとしてどのようなキャリアを歩みたいと考えていますか?
大橋
アクセンチュアは、多様性こそ競争力の源泉だと信じている会社です。同質な人間がいくら集まってもイノベーションは起こせないことを理解しているからです。事実アクセンチュアには多様な専門性を持ったコンサルタントやエンジニアが数多く在籍しており、働き方もキャリアの方向性も人それぞれです。さまざまなプロジェクトがあるため、いろいろな経験をしながら自分が進みたい方向性を見つけることもできます。こうした環境の中で私が目標にしているのは、プロジェクトマネジャーとしてチャレンジングなプロジェクトを一つでも多く成功させること。今までも、先端テクノロジーを使ったり、今までやったことのないやり方を取り入れたりしましたが、これからもこういった先進的な取り組みを続けていきたいと思っています。こうした個人の選択を尊重してくれるのも多様性を重視するアクセンチュアだからだと思います。
佐藤
私が目指しているのはインフラの状況を踏まえつつ、先進的なアプリケーション開発ができるエンジニアになることです。それを実現するには幅広い技術分野を経験する必要があります。幸いアクセンチュアには課題解決についての豊富な知見と個人の挑
戦を支援する土壌があります。マネジャーになってもテクノロジーの動向には敏感でいたいので、今後もエンジニアとしての成長にはこだわり続けるつもりです。
取材・文/武田敏則(グレタケ) 撮影/洞澤 佐智子(CROSSOVER)