2022/11/01 更新

JFEスチール

DX戦略、脱炭素化構想
産業全体を支える鉄鋼の歴史を動かす変革に挑む

  • JFEスチール
  • キャリア
  • 現場社員
西日本製鉄所 福山地区
熱延部 熱延技術室
臼木美弥

九州工業大学マテリアル工学科にて、金属をはじめとした物質工学を専攻。あらゆる産業の発展に欠かせない鉄鋼の奥深さに魅了され、2020年4月業界大手JFEスチールに入社。化学、物理、IT、機械といったさまざまな知識を結集させ、次世代の鉄鋼設備づくりに貢献している

成長を加速させる3つの思考法

固定観念を取り払い時世や状況に合った考え方を意識する

想定通りに事が運ばないときは、固定観念を取り払うことも重要。従来の常識が、今も当てはまるとは限りません。過去の事例にとらわれない発想を意識することが、正しい答えにたどり着く鍵となります

チームプレーを意識し多様な人材が持つ知識を結集する

ITや物理、電気制御といった各分野のプロフェッショナルを巻き込み、さまざまな専門知識や視点を掛け合わせる。周囲のメンバーの力を借りることで、より高度なミッションを遂行することができます

業界の動向をつかみ迅速かつ的確に顧客ニーズをくみ取る

不確実性の高い現代において、顧客が求めるものは日々変化します。業界が抱える課題や市場のトレンドを理解し、顧客ニーズをいち早くキャッチアップすることが、期待値を超える製品づくりを可能とします

私は大学時代、金属の構造や材質について学んでいました。中でも「鉄」は、自動車や家電などあらゆる製品に使用され、生活になくてはならない素材です。産業全体に与える影響力の大きさに興味を抱き、就職先に鉄鋼業を志望しました。中でもJFEスチールに引かれたのは、年齢や性別の垣根がなく、チーム意識の強いカルチャーを感じたからです。選考途中に女性社員の方々から伺った鉄鋼業のリアルな話を通して、男性主体や重労働という印象が変わると同時に、性別に関係なく活躍できるさまざまなポジションがあると知れたことも入社の決め手になりました。
私がJFEスチールでのキャリアを歩み始めたのと時を同じくして、世界ではカーボンニュートラル実現の機運が高まりつつありました。それに伴い、環境負荷の少ない製造工程の確立や省力化といった改革が急務となっていたのです。
私が担当する製造技術の仕事は、まさに省力化と効率化を実現すること。入社以降、複数のプロジェクトに携わってきましたが、特に印象的だったのが、鉄の状態をチェックし、凹凸などの欠陥を検出するオンライン表面検査装置の更新プロジェクトです。従来の装置では、細かな凹凸まで検出する精度に限界があり、目視検査に頼らざるを得ませんでした。そうした課題に切り込んだのが、このプロジェクトです。正常部と欠陥部における表面上の模様の違いを異常値として定量化し、そのデータを装置に設定することで、これまで検出されなかった微小な欠陥も自動検出することが可能になりました。検査精度が格段に向上した結果、目視検査対象が減り、大幅な省力化につながったのです。
このプロジェクトにおいて最も重要視されたのは、期日内に更新を完了させることです。更新が遅れ、製造ラインが止まれば、鉄を供給することができず、鉄を必要とする多くの企業の経済活動に損害を与えてしまう責任ある一件でした。顧客まで影響が及ぶ大規模なプロジェクトだった分、さまざまな部署のメンバーと協業しながら更新作業を完了し、システムがこれまで以上の精度で欠陥部を検出し始めた時の達成感は、とても大きなものでした。

「鉄鋼×DX」で人に依存しない均一かつ高品質な鉄づくりを

コンマ何ミリの世界にこだわり、高品質の鉄づくりを追求する。そして、専門分野の違うメンバーを巻き込みながら、ミッションを完遂する。入社2年目という早期から、この両輪を回した経験は、とても価値ある成長機会でした。社歴や性別に関係なく、業界変革に寄与する案件に携わることができるのは当社だからこその醍醐味です。
3年目となった今は、主担当として、AIを応用した高精度検査装置の開発に携わっています。機械学習による均一な品質担保を実現し、最高品質の鉄を、恒常的に作り出すための装置開発プロジェクトです。この装置がリリースされれば、製造の効率化によるコスト削減や、質の優位性による国際競争力強化といった多くの利点をもたらすことができます。影響範囲が広く、社会的意義のある仕事に早くから挑戦できるJFEスチールだからこそ、毎日がやりがいにあふれています。
CO2排出量を実質ゼロにする製造工程の整備、DXによる人の力に依存しない仕組み化など、時代の流れに合わせて、今後も鉄鋼の現場は大きく変化していくでしょう。業界大手である当社の一員として、第一線から鉄鋼業の変革に挑むこと。それはつまり、鉄と結び付くあらゆる産業の成長、ひいては社会全体の発展に貢献するということです。世の中を下支えする鉄鋼の存在意義を意識するたび、自分の仕事に確かな誇りを感じます。

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