プリンター、プロジェクター、産業用ロボット、ウオッチ、水晶デバイス、半導体などの多岐にわたる製品を展開する精密機器メーカー。無駄を省き、より小さく、より精緻にする「省・小・精の技術」で「持続可能でこころ豊かな社会の実現」を目指している
生命保険グループのIT部門でシステム開発に従事。2016年に同社へ中途入社。エンジニアとして製造プロセスの効率化・標準化を目的とした開発プロジェクトなどを経て、22年から人事部で新卒採用を担当。インターンや面接においてこれまでに多くの学生と接してきた経験を持つ
正解のないプロジェクトに長期間携わる上では
粘り強さやコミュニケーション力が鍵となる
セイコーエプソン(以下、エプソン)と聞くとプリンターやプロジェクターをイメージする方も多いと思います。実はそれだけではなく、産業用ロボット、ウオッチ、半導体、水晶デバイスなど多様な製品開発に取り組んできました。近年ではエプソンが持つインクジェット技術を活かし、例えば布地など紙以外のさまざまなものにデザインを印刷できる商業・産業向けプリンターにも注力しています。
こうしたプロダクトを支えているのが、多様なバックグラウンドを持つ人材です。これまで、エプソンでは学歴や学科を限定せず、幅広く採用を行ってきました。最近では、DX関連プロジェクトの増加から情報系学部出身者のニーズも高まっており、ソフトウエア開発のほか、人工知能(AI)技術を活用した基礎研究など、活躍の場が用意されています。冒頭でご紹介したような幅広い事業フィールドで力を発揮していただくためには、目標達成に向けて粘り強く行動できる力と、周囲を巻き込むコミュニケーション力が不可欠だと考えます。
というのも、エプソンが手掛ける製品は開発に多くの工程が必要で、大規模なものだと数年間にも及びます。長期プロジェクトに携わる機会も珍しくなく、根気強く努力を続け、時には困難にぶつかりながらもゴールに向かう必要があるからです。また、業務では役職・職種が異なる関係者との強い連携も求められます。例えば、開発プロジェクトではソフトウエア・ハードウエア・エレキ系部門などさまざまなチームが協働。場合によっては各自の専門領域を横断してチームを組成することもあり、一つの製品を作りあげるために自分の意思を明確に伝えると同時に、周囲の意見も受け入れることが重要です。加えて、自発的に課題解決のための施策を考え抜く力も求められます。そもそも、学生のうちは受験勉強や試験など、正解が存在するケースが多くありますが、社会人になってからはそうもいきません。お客さまの手元に製品やサービスが届くまでの過程において、正解がない問題に直面する機会も多くあります。そのため、プロジェクトを推し進めるために思考を深められる方はエプソンが求める人物像だと言えます。
一方で、こだわりが強すぎる方や周囲の力を借りずに課題を解決しようとする方は、苦労する傾向にあります。責任感が強い方は自分の力で困難を乗り越えようとしてしまいますが、一人でできることには限界があるからです。壁にぶつかったときは周囲に相談することで解決への糸口が早く見つかる場合があるかもしれません。同僚や先輩社員の手も借りながら、チームワークを発揮していただきたいですね。
これまで紹介した点を意識して仕事に向き合っていけば若手のうちから大きなチャンスをつかめるはずです。例えば、入社4~5年目ながらエプソンの将来を担うような基礎研究プロジェクトのリーダーを務める若手社員も活躍中です。また、若手社員を対象に、1年間海外での実務経験を積める「海外トレーニー制度」など、成長志向が高いメンバーを支援する仕組みが整っています。
目的と手段を明確にし
結果を深く考察するくせ付けを
これまでエンジニア、そして採用担当両方の経験を持つ私が考える、入社後にスピーディーな活躍を見せる学生には共通点があります。それはアルバイトやサークル、ゼミ・研究室などの活動において、目的と手段を明確にして取り組んでいることです。ゼミでの研究を例に挙げます。単に教授から言われた通りにリサーチを進めるのではなく、自分なりにテーマをかみ砕き、ゴールを明らかにすることで取るべき手段がクリアになるはずです。同時に教授の話も理解しやすくなります。手段ありきになってしまい、本来の目的を見失うケースも珍しくありません。だからこそ、学生のうちから目的を意識しながら取り組むことを習慣にしてください。また、定めたゴールに向けて行動すれば良くも悪くも結果が出ます。その結果の良しあしにかかわらず、なぜそうなったのかを分析して次の活動に活かすくせを付けることはエプソンで早期から活躍するために大切です。
みなさんがこれまで経験してきた文理選択や学校選びと同様に、会社選びも重要な決断となります。自分とマッチする環境を見定めるためには、OB・OG訪問やインターンシップなど、実際に職場で活躍する社員に会う機会を有効活用してください。エプソンでは約2週間という長期にわたって、実際の職場で就業体験ができる職場受け入れ型のインターンシップを開催しており、150ものテーマの中から興味のある内容を選択できます。期間中は社員が実際に働くオフィスに机を並べ、社員の一人になったように働けます。参加いただいた際には、直接関わる人だけではなく、ぜひその周囲の様子も観察することに努めてください。同僚同士での話し方や上司への相談の仕方といったコミュニケーションのとり方にも注目することで、企業のリアルな実情が見えてくるはずです。どんな人がいて誰と一緒に仕事をするのかを理解した上で会社を選ぶことで、入社後もモチベーションを保てたり仕事を円滑に進めたりすることができるようになります。ぜひ就職活動を通じて、志望する企業の社員が職場で活躍する姿を間近で見てみてください。同時に彼らと積極的に交流することで、自分がこの会社で働いているイメージが湧くかどうか、そして活躍し続けることができる環境なのかが見極められるはずです。
活躍すると確信した3人
明確なビジョンのもとで
人脈を広げる自発的な行動
研究に没頭すると殻に閉じこもりがちですが意識的に交流の輪を広げていました。他大学や研究機関との連携を積極的に行う中で、研究テーマに役立てるため、専門外の学会にも参加。ネットワークを広げる力や行動力は、業務でも活かせると感じました
幅広い視野を持ち
専門分野を深く追求する姿
専門外の領域も積極的に情報収集することはエプソンが求める基本姿勢です。専門の機械系の知識だけではなく、研究で必要なプログラミングを独学で習得した姿勢を高く評価。現在はエプソンの将来を担う基礎技術の研究開発職として活躍中です
知的好奇心を原動力に
目標達成に向かう強い意志
英語以外の言語もゼロから独学で習得。読み書きはもちろん、日常会話やニュースが理解できるなど、高いレベルで身に付け、目標達成に向けて確実に取り組む姿勢・実践力がある点が魅力的でした。現在は営業職として語学力を活かし、海外エリアを担当しています