ビジネスプロフェッショナルが解説
「真の企業力」を見抜く方法
会社の良しあしは「知名度」だけでは測れない。これから先も長く発展し続ける会社、急成長を遂げる可能性を秘めた伸びしろのある会社は、どうすれば見極められるのだろうか。企業経営、組織開発・採用のプロフェッショナルたちが、各社の事例を用いて「真の企業力」を見抜く方法を解説。インターンシップで確認すべきポイントも紹介する。

調査役
時代の流れをつかみ新たなサービスを生み出す
未来を見据えた変革に企業力が表れる
銀行業務、信託業務や不動産業務など、幅広い事業を展開する三井住友信託銀行(以下SMTB)。独立系信託銀行として、ワンストップのサービスを提供できる強みを活かし、金融業界でも確かな地位を確立しています。特に注力しているのが、プライベートアセットという投資領域。上場株式や債券など世の中に広く公開された資産とは異なり、非公開(プライベート)で取引を行うことが特徴で、常に新しい投資機会を探している投資家にとって有益な新しい投資手法です。具体的には、まだ上場していない新興企業に対して投資を行うベンチャーキャピタルや、不動産ファンドなどが挙げられます。その中でも注目されているのが、インフラファンド。再生可能エネルギーやデータセンターをはじめとした社会インフラに投資を行うことで、株式市場の動きに左右されづらい安定的なリターンを創出するとともに、脱炭素に向けたクリーンエネルギーやデジタルインフラの普及といった社会課題の解決に貢献することができます。SMTBではこのような社会課題解決に向けた運用商品の開発を進めており、2024年10月より、次世代にサステナブルで豊かな社会をつなぐことを目的とした新商品『フューチャートラスト』をスタートしました。フューチャートラストでは、SMTBが持つ国内での知名度や実績、多岐にわたる事業展開などの強みを活かし、社会・環境・経済のさまざまな課題解決に取り組むプロジェクトや企業に対する資金供給にお客さまから集めた資金を充当します。さらに投資されたお客さまに向け、各種ファイナンスを通じた社会への価値創出や、具体的な社会課題の解決に向けた企業の活動などをレポートで紹介する取り組みも実施。社会課題の解決にも一石を投じる働きを担っています。
信託銀行として、お客さまの資産形成を支援することは何よりも大切です。しかし、そのサービスの在り方は時代背景によって大きく変化していきます。SMTBが掲げるのは「資金・資産・資本の好循環の実現」。常に時代の流れを読み、信託を通してどのように、お客さま・企業・社会に良い影響を与えられるかに注力しています。そのために、既存のサービスのみにとらわれることなく、変化を恐れずに新たな商品を生み出していく。この姿こそ、私たちが最も大切にするべき姿勢だと言えるでしょう。
キーワードは「自分の未来をひらく」
社員が理想のキャリアと仕事を追求できる環境がある
時代の流れを見据えた変革は、新しい商品の開発だけにとどまりません。特に人事制度においては、社員一人一人の理想に応じてそのかたちを変えています。SMTBでは、25年より「自分の未来をひらく」をキーワードに新人事制度に移行。働き方・キャリアの両側面に、より社員の意向が反映されやすい仕組みづくりを行っています。働き方については、転居を伴う転勤の可否について半年ごとに社員が申請できる制度を導入。結婚や出産などのライフイベントに対しても柔軟に対応し、安心して働き続けられる環境を構築することで、転勤を考慮して働き続けなければならないという金融機関の持つネガティブなイメージを払しょくしています。キャリアに関しては、事業や部署をまたいでキャリアパスを形成できる「公募制度」をご用意。これまで以上に自律的なキャリア形成ができる体制づくりや、自身のキャリアの可能性を知る・広げる機会の充実に向けた整備を行っている最中です。例えば、キャリアを広げていただく機会として「社内副業制度」という、部署を異動せずに違う業務を体験できる制度も増やしています。また、現在の業務にとらわれずに、社員が新たなチャレンジによって輝く機会もご用意しています。年次を問わず意見やアイデアを発信し、新たなサービスを生み出し競い合う社内コンテストでは、入賞者を表彰するだけでなく、実際にそのサービスが商品化したケースもあります。こうした取り組みを行うことで、社員が理想の未来を追い求めることができるのです。
私自身もキャリアを振り返ると、転換期にはいつも会社のサポートがあったと感じます。私のキャリアは、個人のお客さまに対する投資提案の営業からはじまり、先述した公募制度や人事への希望申告により、個人向け運用商品の企画、そして機関投資家向けファンド投資・ファンド組成の経験を経て、現在の人事に至ります。今年で12年目を迎えますが、入社当時から根底にあるのは新しい技術の研究や普及を、金融の力で支援したいという思い。さまざまな投資を経験させてもらう中で得た経験を胸に、今度は会社の未来を担う人材の採用を通して、社会の発展に貢献しています。
真の企業力とは、変革を繰り返すことで成長を実現しているのかどうかに表れると言えます。変革とは言い換えれば、新しい未来に挑戦すること。仕事を通して理想の自分に近づくためには、会社が背中を押してくれる環境が必要不可欠です。ぜひ就職活動における企業選びでは、会社の規模や事業内容と同じくらい、変化を恐れずチャレンジし、前向きに仕事やキャリアに向き合えるフィールドが広がっているかどうかに注目してください。
制作担当/向川巧真

講義でのインプット、業務体感型ワークでのアウトプットをバランスよく織り込んだ内容で、各事業部の社員に触れながら、仕事と会社の風土を体感できる
インターンシップMUST DOリスト
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目標や目的意識を持って
ワークに取り組むインターンシップを通じて、何を得るのか、どんな疑問を解消するのか、目的や目標を持って取り組むことが大切です。自分で定めたゴールに向かって、受動的にならず、自ら発言・発信することを心掛けましょう。そうすることで、より良い学びの時間になるはずです。
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2
入社した自分を想像して
仕事やキャリアを考える自分がその会社で働くとしたらどんな仕事に就きたいか、どんなキャリアを歩みたいか、何を実現したいか、といった内容を意識してみてください。入社後の自分を具体的にイメージした上で、どのくらいワクワクできるかも、就職活動における重要な指針です。
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3
実際に働いている社員の
目標を聞いてみる実際に活躍している社員が、どんな目標を掲げて仕事に取り組んでいるかを聞いてみるのも良いでしょう。チャレンジしたい業務や、描きたいキャリアなど、具体的な内容をヒアリングすることで、自分の理想がかなう環境なのかを見極められます。