世界49カ国・地域に拠点を持ち、ASEAN域内では総収入保険料トップクラスを誇るなど、グローバル規模で存在感を発揮する損害保険会社。近年は、ビッグデータやAIを活用してリスク回避を図る『RisTech』にも注力している
一橋大学経済学部を卒業し、2022年に入社。国の政策に関わる損害保険商品の企画・開発を担う公務開発部・開発チームに配属後、入社1年目から総務省、経済産業省資源エネルギー庁の専任担当者に。行政や民間事業者と連携しながら、新たな損害保険の企画に取り組んでいる
官公庁や企業と連携し、未来のリスクを予測
損害保険の持つ力で、国の政策を後押しする
知的好奇心の強い私が就職活動の軸にしていたのは、「多種多様なビジネスに触れられる環境かどうか」。その点において、「お茶の間から宇宙まで、鉛筆からロケットまで」と表現されるほど、地球上のあらゆる産業に関わる損害保険業界は魅力的でした。三井住友海上火災保険への入社を決めたのは、インターンシップで“人を大事にする社風”に引かれたから。会社の改善すべき点を正直に伝えてくれたり、私が社会に出た後のことまで考えて助言してくれたり。学生と真摯に向き合う姿勢に心を打たれました。
入社後に配属されたのは、省庁と連携をとり損害保険商品の企画・開発を行う公務開発部です。私は総務省、経済産業省資源エネルギー庁を専任で担当することに。1年目から責任ある役割を託され、身が引き締まる思いでした。最初の頃は、行政や保険の知識が乏しい状態。そこから着実に成長できたのは、手厚い育成体制があったからです。当社には、年次の近い先輩が新人の指導役となる『ファーストブラザー・シスター』という制度があります。上司・先輩全員が本気で私の成長に向き合ってくれたからこそ、官公庁を相手にするスケールの大きな仕事を担えたのだと感じています。
入社1年目に携わったのが、「消防団員向け自動車保険」の導入推進。会社員や学生など本業を持ちながら地域防災の担い手として活動する消防団員は、災害地域にもマイカーで駆け付けざるを得ず、団員の車が火災や交通事故などの被害に遭うケースが多発していました。こうしたリスクを補償するため、総務省消防庁と共同で開発されたのが消防団員専用の自動車保険。安心して救助活動ができる環境をつくることで、消防団員の成り手不足という社会課題の解決にも貢献できました。
この他にも、宇宙ビジネス創出を後押しする『月保険』やブランド価値損失時に備えた『ブランドイメージ保険』など活用方法の幅広さを知り、損害保険はさまざまなビジネスを支えていることを再認識しました。
地方創生につながる
新たな損害保険の企画開発に挑戦
現在は、企画段階から保険の開発に関わっています。政策を推進する中で起こり得る“未来のリスク”を想像し、保険という“無形の商品”を生み出すことは、容易ではありません。社会課題の本質を理解し、保険を通して解決できるテーマを見つけるためには、統計資料や白書に目を通し、国の施策や予算、市場動向を把握することが必要不可欠。また、行政職員や民間企業、研究機関の方と直接お会いし、リアルな情報の収集にも努めています。
私が今手掛けているのは、総務省が主導する地方創生の施策に関連した保険商品の構想。人口減少が進む今、多くの市区町村では地域外住民との交流や移住者を増やすことが求められています。私は、過疎化に悩む地域を支援するため、移住希望者と自治体・地域企業のマッチングサービスを展開する企業との協業を検討中。新しい地域の担い手になり得る移住者の安心・安全な生活を、保険を活用することにより支えることができないか。また、商品化した際にどのような導線で提案すれば普及できるか日々模索中です。トライアルアンドエラーを繰り返しながらも、徐々に商品化へと近づいており、大きなやりがいを感じています。
こうして今、私が心から仕事を楽しめているのは、「この会社は自分に合っている」という入社前の直感を信じたから。それは、インターンシップで職場を訪問し、多くの社員と交流したからこそ感じとれたことです。周囲の価値観に流されず、ご自身の目で見て、肌で感じながら、自分にフィットする企業や仕事を探してみてください。
自分自身の未熟さを痛感し
知識習得に一層励むように
先輩の代わりに、所属部署で開発した商品の対応をすることに。しかし、私の知識不足により、お客さまから「新人で大丈夫ですか」と言われてしまいました。これを機に、周囲の力を借りることや知識習得の重要性を実感しました
自社開発商品の導入を通し
地域における防災力向上を支援
消防団員向け自動車損害保険の販売促進を担当。営業が提案しやすいよう幾つもの工夫を凝らした結果、成約数が増加。全国各地に導入され、消防団員の待遇改善や地域の防災体制強化に貢献できました
入社2年目にして
保険商品を立案する立場に
政策を後押しする損害保険の活用法を模索するもアイデアが見つからず。そんな時、上司が「官公庁や企業に足を運んで、五感で情報収集してみよう」と助言をくれました。現場の情報が企画の糸口になることを学びました
ゼロから考案した商品の
実現に向けて奮闘する日々
地域活性化のための移住関連サービスを展開する企業と協業し、商品を企画しています。官公庁へのヒアリングや事業者に対しての協業依頼など、実現に向けて奮闘中。思い入れのある案件なので、何とか商品化したいです