2022/11/01 更新

プロフェッショナルズに学ぶ

20代の成長を加速させる
三つの思考法

就職後、いち早く成長を遂げるために必要なのは、会社の制度や環境ではなく、いつだって働く人のプロフェッショナルマインドだ。そこで本特集では、企業各社で活躍するトッププレーヤーの手掛けた仕事にフォーカス。そこからみえてくる成長のための思考法を紹介する。

ニトリ

従業員の業務効率化や顧客への価値提供のため
IT技術をフル活用する

  • ニトリ
  • キャリア
  • 現場社員
情報システム改革室
情報企画・構築グループ
ロジスティクスシステムチーム
沼倉 諒

東北大学工学部にて半導体の研究を行う。2019年に卒業し、IT人材の採用枠でニトリへ入社。3カ月間の店舗勤務を経験後、情報システム改革室へ配属。現在は物流関連のIT領域を担当するロジスティクスシステムチームの一員として、企画からリリースまで一貫したシステム開発に取り組む

成長を加速させる3つの思考法

現場の要望をくみながらITで実現可能な術を考え不足のない開発を行う

各部門が求めるニーズを最大限かなえることが私の役目ですが、IT技術で実現できることには限界があります。だからこそ現実的なラインを見極めて、ベストな答えを導くことが求められます

影響範囲を基準に取り組むべき問題点の優先順位を決定する

ニトリのあらゆる部門に直結するシステムを担う情報システム改革室。一つの要望に費やせる時間やコストは限られているので、お客さまや従業員への影響範囲を判断軸にして、最優先すべきことを提案しています

一分一秒の重みを意識しスピーディーな対応で課題を解決していく

配送システムに障害が発生した際、解決が遅れると、お客さまや従業員など、何千人もの時間や販売の機会が失われてしまいます。影響を最小限に抑えるため、正確かつスピード感のある対応を心掛けています

理系という武器を活かして人の役に立ちたいと考え、就職活動を行っていた際、目に留まったのがニトリでした。説明会で聞いた「製造物流IT小売業」のビジネスモデルから、IT人材を求めていること。そして幅広い業種を網羅していることを知り、ITの枠にとらわれず、自分のキャリアを広げられると感じて、入社を決めました。
入社後は店舗の一員として、品出しや接客からスタートしました。そこで得たのは、商品がお客さまに届く実感と社内システムの重要性です。商品を手に取るお客さまを見て、自分の仕事が人々の生活につながることを再認識しました。そして、より良いシステムを生み出すことで、現場の負担を軽減すれば、結果的にお客さまの満足度向上にもつながると確信したのです。ここから店舗の業務負担を減らす人材になろうという決意が固まりました。
3カ月の店舗勤務後、情報システム改革室というIT部署へ配属されました。まず参加したIT研修では、同期と共に店舗の課題を探しました。そして、見つけた課題の中から私たちは、品出しが必要な時にアラートを出すシステムを開発。コストや開発期間を意識しつつ、高パフォーマンスを発揮する難しさと楽しさを知る経験になりました。研修後に配属されたテクニカルサポートチームでは、配送営業所や店舗など全部門のIT関連の問い合わせに対応。その数は1日40~50件にのぼり、お客さまや店舗への影響範囲を基準に、優先順位を決める大切さを学びました。
入社2年目を迎え、物流部門のIT領域を担うチームへ異動し、上司からあるシステム開発のメイン担当を任されました。それは配送時刻通知機能の改良でした。今までは配送日の前日に電話やSMSで配送時刻をお客さまへ連絡する仕様でしたが、直前では都合がつかないことが多く、急な配送日変更が発生してしまうことも。それが積み重なって配送車の手配数が増えると、コストが増大してしまいます。そこで配送の5日前にメールとSMSで事前に連絡できるようにして、コストカットを図るのが私に与えられたミッションでした。初めは、配送部門へのヒアリングが浅かったり、協力会社の開発担当への情報共有が不足したり。そのために、開発工程の修正が多々発生してしまいました。「これも考えておくべきだった」と後悔する場面も少なくありませんでした。そこで費用対効果を軸に課題の本質を捉え、実現可能・不可能なことの取捨選択を実施。最適解を意識して提案しました。協力会社の皆さまとシステム開発をする際には、優先順位をつけてプロジェクト管理を実施し、スムーズな開発環境づくりを心掛けました。

店舗での経験とIT技術を用いて業務改善につながる最適解を探す

試行錯誤の末、配送時刻通知機能を無事にリリース。会社全体の大幅なコスト削減に結び付き、社内表彰を頂けたのです。目に見える成果につながったことはもちろんですが「ITでお客さまや店舗に貢献したい」という夢に近づけたことが何よりもうれしかったです。
また、生み出したシステムが動く様子や実際に活用される場面を自分の目で確かめることができたのは、「製造物流IT小売業」という独自のビジネスモデルを持つニトリだからこそだと感じています。
現在私は、ニトリと島忠のシステム統合プロジェクトに参画しています。その規模は前プロジェクトの約100倍以上。ですが、開発において意識すべきことは、スケールの大小によって変わることはありません。各部門の従業員が本業務に注力できる環境を整備する。この役割を意識して、お客さまや従業員へ貢献し続けたいです。

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