2022/5/11 更新
先輩社員46人に聞きました!

仕事で視点が上がった瞬間

多様な仕事、働き方の選択肢が存在する今、納得感のある仕事人生を送るためには「やりがい」や「事業への共感」が欠かせない。では、各社で働く先輩社員はどのようにして「共感できる会社」を選び、働く意義を何だと捉え、その場所でどのような成長を遂げているのか。後悔のない職場選びを成功させるためのヒントを探る

シティグループ

銀行・証券業務からトランザクションサービス、資産管理まで幅広い金融商品とサービスを提供する、世界有数のグローバルな金融機関。日本では約120年もの長い歴史を持つ

私の視点が上がった瞬間

500億円の案件のフロントに立ち
リスクの想定と先回りを徹底した

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投資銀行・法人金融部門
シニアアナリスト
松本浩紀

2020年早稲田大学政治経済学部卒業、入社。企業の経営戦略を哲学することが大好きで、より多くのビジネスを見渡したいと投資銀行部門を志望した。不動産セクター、消費財・小売セクターを経験し、シニアアナリストとして活躍する

昔からビジネスモデルを考えるのが好きでした。幼い頃には駄菓子屋で「安く仕入れて高く販売する」商売をするなど、利益を生むビジネスの構造を作ることに興味を持っていたのです。だからこそ「自社企業だけ」「特定の企業だけ」と限定せずに幅広い視点で企業財務に携われ、かつ「金融」というスペシャリティーを発揮できる証券会社の投資銀行部門を選択しました。中でも当社を選んだ理由は、若手社員の挑戦にウエルカムな組織風土に惹かれたから。選考を通じて、自由に議論でき裁量も得られる現場を垣間見られたのは大きなポイントでした。

現在はM&Aアドバイザリーや、株式・債券による資金調達支援を行っています。M&Aアドバイザリーとは、M&A対象企業の選定や資産価値の算定、ストラクチャーの検討などを行い、顧客企業にとって最適な戦略を提案する業務です。資金調達支援は、株式発行や社債発行に伴う計画立案を担います。グローバル経済の変動や中長期的な金利の上下を見据えながら、発行のタイミングや投資家への販売促進までトータルに手掛けています。現在私が担当するセクターは、消費財や小売業がメインなのですが、1年目の担当は不動産業界でした。今振り返れば、自分の仕事のスタイルはそこで培われたように感じます。

当時、私の所属するチームはあるREIT(不動産投資信託)案件に取り組んでいました。資産運用の購入資金となる株式に相当するものを「投資口」と呼ぶのですが、その投資口の新規発行を私がメインで担当することになったのです。取得資産規模は500億円。発行した投資口をグローバルオファリングといわれるフォーマットで日本のみならず海外の機関投資家に販売するのですが、通常より短い日程で行う短縮マーケティング型の案件で、当時は前例のないものでした。投資口発行の経験がまだ2度目で、かつフロントに立った経験がなかった私にとっては筆舌に尽くし難い重責でした。

心から楽しいと思える仕事は何か
自分の「説明書」を作ろう

プレーヤーは当社だけではありません。他の証券会社と協業し、投資口発行公表までの取り決め、ドキュメント作成、関係各位への通達など全ての段取りを私の責任のもとで行うのです。より確実に資金を調達できるように、どんな資料を作り、どんな投資家へ訴求するのが最適か?当事者意識を持つことで、仕事の意義深さと難しさの本質が体感できました。

一つ一つの作業をスピーディーにかつ正しい順番で処理していくことで、リスクを極限まで減らす。上司と相談を重ね、シミュレーションを綿密に行いながらも状況に応じて即座に見直す、そんな緊張感のある日々は1カ月以上続きます。そして迎えた案件発表の前日には、膨大な資料の全てに再度目を通し、法的な誤りがないか確認を終え、最終版の取り交わしを行いました。しかしそれは終わりではなく始まり。投資家に販売していく、本当の意味での勝負が待っているからです。この経験を経て、自分がフロントに立つ中で一つ上の視点を常に持ち、さまざまなリスクヘッジをする難しさと面白さを十二分に感じることができました。

今私は、この仕事を心から楽しいと感じています。それは、私の興味関心を全て実現できるから。学生の皆さんにお伝えしたいのは、自分がやりたいことは何なのか、しっかり「説明できる」状態にしておくべきだということです。面接でうまくプレゼンテーションするためではなく、長く続く仕事人生の中で、自分をうまくモチベートするために。そうすれば、壁にぶつかった時も、もっと頑張ってみよう、と前向きに考えられるはずですから。


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