2022/5/11 更新

日産自動車

クルマの電動化・知能化戦略で技術革新に取り組む自動車メーカー。「すべては一人一人の意欲から始まる」という行動指針“NISSAN WAY”の下に、社員の個性を最大限に活かす風土が根付いている

私の視点が上がった瞬間

複数センサーの掛け合わせで
新しいシステムの先行開発に貢献

  • 日産自動車
  • インターン
  • キャリア
  • 現場社員
電子技術・システム開発本部 AD/ADAS先行技術開発部
システム・要素技術開発グループ
今義 毅

東北大学工学部卒。大学院時代の研究で電気回路や計測ソフトをつくる楽しさを知り、自動運転領域で世界屈指の技術力を誇る日産自動車へ入社。現在は踏み間違い衝突防止アシスト、インテリジェントエマージェンシーブレーキの先行開発に従事

先端技術の開発に携わりたい。その思いを強く持っていた私にとって、デジタル・IT・AI・データサイエンスを駆使して「新しい移動のカタチ」を作り出す自動車メーカーの技術者はとても魅力的な存在でした。特に、高度なセンサーとその情報をもとに車両を制御する自動運転に興味を持っていたこともあり、世界に先駆けて実績を残していた日産自動車(以下、日産)への入社を決めました。

入社後は希望通り先行技術開発部への配属となり、自動運転の情報処理に必要なHDマップの解析業務などを手掛けていました。現在では、踏み間違い衝突防止アシストの先行開発に携わっています。自動車の新機能搭載や技術革新に伴い、車載ソフトウエアのボリュームは着実に増加しており、開発現場ではさらなる機能向上に向けて、MATLABのSimulinkを用いたモデルベース開発が進められています。そのため、システム設計をしたりロジックを組んだりする作業が必要不可欠であり、入社当初はソフトウエアの中身やシステムの動きを理解する作業に没頭する日々を送っていました。

転機が訪れたのは入社2年目の時。自分が車を運転していた際、駐車場でのバック走行中に子どもが飛び出してきてしまうシーンを経験しました。何事もなくほっとしたものの、予期せぬアクシデントが発生しても適切に対応できるシステムの必要性を強く実感したことを覚えています。

この体験を経て私は、技術開発の目的と手段を明確にしてシステム開発と向き合うようになりました。既存の技術レベルの枠内だけで先行検討をしても、自動車事故をなくすことなど到底できないと気付いたからです。例えばインテリジェントエマージェンシーブレーキの検証実験を行う際も、既存の評価基準に沿った測定に満足するのではなく、あらゆるリスクを想定した追加検証を心掛けています。

技術的に実現可能な範囲で新たなシステムを生み出すのではなく、実現したい理想に向けてどのような技術を開発すればよいのかを考える。共に開発に携わるメンバーとディスカッションし、広い視点で開発に取り組むことを常に意識するようになったのです。

100年に1度の技術変革を
最前線で切り開く存在

技術との向き合い方が変われば、生み出せるシステムの価値も大きく変化します。それを強く体感したのが、従来使用されていたソナーセンサーに加えてカメラやレーダーなどを追加した、新しい制御システムの先行開発です。

ソナーを用いた音波データで検知を行う既存のシステムに加えて、バック走行時の後方確認時に使用されるリアビューカメラや、車両の脇に搭載されているレーダーなど、特性の異なるセンサーを併用することにしたのです。この取り組みを進めることで、システムが対象物を検出できるシーンを拡大することができるのではないかという想定のもと、先行開発を進めています。こうした新しい先行開発を進める中で、これまでにない付加価値をお客さまに提供するという視点でものづくりを進めていく、私の開発スタイルの礎が築かれていったと感じています。

学生の皆さんも、ご自身にとって理想の会社と出会うために、自分がどういった時に喜びや楽しさを感じるのかを大切に考えてみてはいかがでしょうか。私は今、自分の持っている専門知識や経験を活かして、この世にはまだ無い新しい価値を生み出す挑戦の日々に、大きな喜びと楽しさを感じています。自分たちの生み出した技術が、世界初の技術としてリリースされる。そうした大きな目標の実現に向けて、これからも自由な発想で先行開発と向き合っていきます。


合わせて読みたいこの企業の記事