2022/5/11 更新
  9社のパートナーが語る

新しい経営、進化するコンサル

目まぐるしく変化する企業課題や経営トレンド。先の見通しを立てることが難しい世の中で、コンサルティングファーム各社は企業経営の未来をどのように予測し、どう進化しようとしているのか。それにより、コンサルタント個人に求められるスキルはどう変わるのか? 各社の経営層9名への取材で「次世代コンサルタントに求められるもの」をひもとく

PwCコンサルティング合同会社

国内外の組織を横断するOne Teamの精神で
あらゆる専門家同士がスピーディーに連携

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テクノロジーコンサルティング パートナー
荒井慎吾

2003年新卒入社。テクノロジー視点から、デジタルトランスフォーメーションに関わる企業・組織・オペレーション変革や、業務変革を伴うシステム導入など幅広いコンサルティングを提供。19年7月より現職

あらゆるビジネスのデジタル化が急速に進み、それにより業種や国境を超えて新たな競合が参入し、プラン通りにビジネスを実現することが困難になりました。この状況に直面していた日本企業の経営層は、デジタルトランスフォーメーション(DX)で大きな変革をせねばという危機感を持ち続けていました。しかし、実際DXによる変革は企業の部門単位にとどまっており、ビジネスに影響を与えるような規模では行われていませんでした。

ところがコロナ禍以降、状況は一変。リモートワークへの対応などをきっかけに、企業は全社を挙げてDXを推進するようになりました。加えて、新たな生活様式への移行に伴い人々の消費行動も変化。もはや企業単体では、人々が求める新しい消費体験の提供が難しくなっているのです。その変化に応えるため、例えば保険会社と自動車メーカーが手を組んで新しい商品をつくるなど、これまでにない事例も出てきました。さらにSDGsへの関心の高まりが企業活動を変えつつあります。展開する事業が環境問題を配慮した持続可能性のあるものなのかなど、世界のマーケットから厳しくチェックされるようになってきました。

このようにビジネスが急速に変化する中で、企業は業界・国境の垣根を超えたあらゆるパートナーと連携し、さまざまなビジネスを展開することが、生き残るためのキーファクターとなってくるでしょう。

専門分野が異なるプロフェッショナルが手を組み
企業や社会の課題に向き合う

こうした環境下で、今後コンサルティングファームには、外部連携はもちろん、スピード感を持ったコンサルティングが求められます。企業が責任を持って社会課題解決に取り組むことへの期待と要請が高まる中、PwCは新たな経営ビジョン「The New Equation」を策定しました。ここでは、これからの時代における重要なニーズとして「Trust」(信頼)と「Sustained Outcomes」(持続的な成長)の二つを定義し、クライアントやステークホルダーが不確実な環境下にあってもゆるぎない成果を実現し、信頼を構築できるよう支援することを掲げています。

そしてPwCコンサルティングでは、国内外の組織を横断し、あらゆる専門家同士がスピーディーに連携していきたいという思いから、「3つのDによる変革プラン」を策定しました。その三つとは、「Design=新しい姿を描き・作る」「Disruption=従来の概念を覆す」「Dimension=多くの側面から多面的に考える」で、2021年から23年の3カ年計画で進めます。

この新体制の下で、例えば、20年に開設されたTechnology Laboratoryでは、世界各国におけるPwCのさまざまなラボと緊密に連携しながら、幅広くテクノロジーに関する情報を集積し、製造、通信、インフラストラクチャー、ヘルスケアなどの各産業・ビジネスに関する豊富なインサイトを有しています。

今後はPwCグローバルネットワークがより活用され、海外のメンバーファームのサービスを日本企業向けにカスタマイズして提供する機会もますます増えてくるでしょう。職種や組織を超え、そして国境も超えて、OneTeamで企業や社会の課題に向き合う。これからの時代のPwCコンサルティングのコンサルタントには、こうした取り組みが求められるようになるはずです。

もちろん、新人コンサルタントにいきなりこのような行動は要求しません。まずはクライアントの業界トレンドや外部環境の変化、テクノロジーなどを広く学んでいきましょう。そしてクライアントのビジネスについて、グローバルの知見の活用や、先輩職員とのディスカッションを重ね「クライアントの変革や成長にはこういう展開が必要だ」という心から納得できるストーリーが描けるようになったら、それを語れるようになってください。大切なのは、「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」というPwCのパーパスの下、日本企業の変革を支援し、日本を変えていきたいという“思い”です。若手であっても堂々と、クライアントに向き合ってほしいと思います。

次世代コンサルタントに求められる要素

期待を上回るソリューションを提供する
プロフェッショナルとしての圧倒的専門性

プロフェッショナルとして、複雑化するクライアントの課題の解決や未来の姿を構想しなければなりません。そのために、圧倒的な専門性が求められます

専門性をつなぎ、他者と協働していくための
コラボレーションマインド

これからは異なるバックグラウンドを持つ相手とつながり、協働していく時代になります。互いの違いを受け入れ、リスペクトしていくコラボレーションマインドを磨いていく必要があります

不確実性が高まる世界で
クライアントの未来を描き語れること

世の中の不確実性が高まれば高まるほど、さまざまな事例をインプットしてクライアントとディスカッションを行い、クライアントの未来に思いをはせながらストーリーを語れることが重要になっていきます


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