2022/5/11 更新

PwCあらた有限責任監査法人

変化への柔軟な対応が求められる企業に
デジタルトラスト領域で信頼を付与していく

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執行役常務 ブローダーアシュアランスサービス担当
パートナー
山上眞人

PwCあらた有限責任監査法人とPwCコンサルティング合同会社で、監査業務に加えてさまざまなアドバイザリー業務のキャリアを積み、現在は監査法人が行う非監査業務を意味する「ブローダーアシュアランスサービス」のリーダーを務めている

※法人名および所属部署名については、取材当時のものです。

会計監査の仕事は、企業の財務諸表の正しさを第三者として保証するというイメージにとどまる人も多いと思います。しかし、近年では、従来の財務情報に加えて非財務情報に関しても、第三者の立場から情報の信頼度を保証することが、監査法人に期待されています。その背景として、企業が取るべきリスク戦略や、価値定義のルールが急速に変化していることが挙げられます。具体的には、企業活動の根幹を変えてしまうような、デジタルディスラプションと呼ばれるテクノロジーの破壊的な進化や、SDGsなどでうたわれる社会課題解決の達成度合いなどへの取り組みが企業の新たなミッションに加わったことで、企業が社会に発信すべき情報が、財務のみならず、いわゆる非財務領域にまで広がりました。例えば、炭素排出量を適正に抑え、かつ集計できるプロセスがあるか、管理体制は問題ないか、といったこともその一部です。このようなコーポレートガバナンス体制の中にある「社会の持続可能性」に対する企業戦略も、投資家の評価の判断指標として、今や当然のように求められています。

また、日本では文化的な背景もあり、「国や企業は善なるもの」という思想が世界と比較しても強い傾向にあります。しかし、こうした性善説に基づく制度や情報への信頼度は、昨今の企業における不正や、不安定な世界情勢などを背景として、社会全体で低下していることが否めません。今後、特に日本において、信頼に対する第三者評価の必要性がより高まっていくと言えるでしょう。

重要なのは過去ではなく
不確実な未来に対する信頼性の評価

10年ほど前まで、監査業務というと、伝票や帳簿を元にした企業活動の「過去」が主な対象でした。しかし、前述したように、今はこれからどのようなリスクがあるか予想する「未来」を対象に監査し、信頼性を保証しなければなりません。さらに、その「未来」に向けた企業活動のかたちも変化しています。今後訪れる、Society5.0という、サイバー(仮想)空間とフィジカル(現実)空間が融合した未来は、業界の境界を曖昧にすると考えられています。実際、携帯電話の会社が金融商品を扱うなど、業界の垣根は無くなりつつあり、企業は勝ち残るために変化への適応力を高め、いかに素早く変革できるかが問われてくるでしょう。言うまでもなく、企業経営のあらゆる領域でテクノロジーの導入が加速すると予想され、既にセキュリティーリスクのアドバイザリー需要は著しく高まっています。

こうした流れを受け、私たちはM&Aや税務などの専門部隊のラインアップを擁しながら、監査法人のアドバイザリーとして「デジタルトラスト」というデジタル領域での信頼性の評価に注力したいと考えています。非財務領域の膨大なデータをAIやクラウドによって安全に活用するため、コンサルタントや監査人にも高いデジタルリテラシーが必要となってきています。デジタル人財の育成は急務であり、その上で、私たちが目指すのは、大量のデータ分析などAI活用が大いに期待できる領域と、人間にしかできない領域の融合です。AIがいかに進化しても、事業の成長性の根拠をどう評価し判断するかという部分は、人間による意思決定が必要です。その意味で、数年後のコンサルタントにとって、テクノロジーの知見は重要ではありますが、同時に、誠実さや倫理観の高さというマインドの土台が最重要であり続けると思います。第三者の確固たる客観性を提供するには、まず自分たちが社会的に信頼されていることが前提となるからです。

こうした資質を備えた優秀なプロフェッショナルたちが、部署や法人の枠を超え、プロジェクトベースで自由にチームを組むことで、迅速にクライアントの課題を解決に導くことが必要になるでしょう。よって、コンサルタントのキャリアパスも、画一的なものではなく、多様性のある方が組織としても強くなるのではないかと思います。一つのグループでありながら、監査・会計・コンサルティングと、さまざまな事業領域に越境してダイナミックなキャリア形成を遂げていける。こうしたPwCのような風通しの良い風土が、今後クライアントだけでなく、コンサルタント自身からも、より成長していける場所として求められていくのではないでしょうか。

次世代コンサルタントに求められる要素

ものごとに対する倫理観と
クライアントや仲間に対する誠実さ

まず監査法人が信頼性を持っていなければ、クライアントに信頼を付与することはできません。常に誠実で、倫理観のある行動を取ることは、時代が移り変わっても変わらない資質です

ITテクノロジーに対する興味を持ち
情報をキャッチアップする意欲

企業が有する膨大なデータを、どのように管理して活用すべきか、世界中の先進事例からノウハウを学び、クライアントへアドバイスするためには、一定のITリテラシーを養うことが必須です

多様な専門領域のプロフェッショナルと
コラボレーションする積極性

多様化・複雑化していく社会課題や企業のニーズに対応するためには、受け身ではなく、異分野へ積極的に越境して関わっていくことにより、より良い世の中へ貢献していけます


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