あなたは幼稚園の時に小学生の生活を想像できたでしょうか。中学生の時に高校生の生活を想像できたでしょうか。今、大学生のあなたは社会人の生活を想像できるでしょうか。さらに、自分が会社で働いている姿をイメージできるでしょうか。きっとできない人が大多数だと思います。それは体験していないので、当たり前のことです。
ただし、面接官は、「あなたが会社で働く姿をイメージできているか」を評価します。だから、就活の面接は、ややこしいのです。働いてもいないのに、そんなこと言われてもと思うかもしれません。ただ、会社視点からすると、入社してすぐにやめるような学生を採用したくはないのです。
会社の採用活動にはたくさんのコストが掛かります。広報費や採用に関わる従業員の人件費、入社後には教育費なども加わります。せっかく新入社員にお金を投資したのに、すぐに辞められたら全く無駄なコストになってしまいます。
さて、思い出してください。あなたは過去にアルバイトを始めてすぐに嫌になって辞めた経験はないでしょうか。仮に自分が辞めなかったとしても、まわりにすぐに辞めてしまう新人もいたと思います。
すぐに辞めてしまった理由は、そのアルバイト先の仕事や環境に自分が合わなかったからだと思います。
同じように入社後、会社を簡単に辞められたら会社は困ってしまうのです。そのために面接官は「あなたがその会社で働く姿をイメージできているか」を評価しているのです。
例えば、就活生が志望動機で理想論ばかりを話していたら、面接官は不安を持ってしまうでしょう。何故なら、入社後に自分の理想と現実のギャップに気付き、嫌になって早期に退職してしまうリスクが高いからです。
就活生の大多数がハマる陥りがちな失敗は企業理解不足です。
自己分析ばかりに気を取られて、会社のことをしっかり調べていないのです。調べたとしても表面的なレベルでしか把握していない就活生がたくさんいます。企業理解が疎かになると深みのある話ができなくなります。
深みがあるというのは、
自己分析で見つけた自分の強みとその会社の業務内容を繋げて話すことです。
例えば、自分の強みを話す際に、OB訪問で聞いたその会社の仕事の大変さに対して、あなたの過去の経験が活かせることを話せたら、とてもリアリティのある話ができます。
もし、OB訪問で「営業として一番求められることは納期管理であり、各関連部署との連携が何よりも大切」という情報を聞いていたら、あなたは面接でどのように話すでしょうか。自分の営業力をアピールするのではなく、きっと話す内容を変えるのではないでしょうか。
そして、その会社に合わせたリアリティのある話は面接官も評価しやすい内容になります。「当社の仕事で大変なことをしっかり把握しているな!それでも面接にくるなら見込みもあるし、すぐに辞めずに成果も出せそう!」と面接官は勝手にあなたを評価してくれるのです。
このように
志望先の会社で働くイメージが持てるように、インターンシップや会社説明会、OB訪問を積極的に活用しましょう。その際には、仕事で大変だと思うことを必ず聞くようにしてください。その内容があなたのESや面接でも必ず使える情報になるでしょう。
著書:不安を自信に変える!就活面接【正しい】答えかた/秀和システム