AI時代、人事は学生の何を見ている?
新卒採用「変わったこと」「変わらないこと」
売り手市場に陰りが見え始めている今、選考の現場では、学生を見極める視点にどのような変化が生まれているのだろう。
その答えを求めて、採用現場を熟知する人事担当者に「新卒採用の変わったこと・変わらないこと」を聞いた。変化の時代でも活躍する人と伸び悩む人の違いは何か。そんな比較も交えながら企業が選考で重視するポイントを探ろう。
「あなたらしさ」により深く向き合う
新卒採用担当
AI時代の今だからこそ
人をより深く見る選考へ
輝かしい実績や成果だけを見るのではなく、結果に至るまでの思考プロセスや人間性そのもの。これまでも注視してきた過程の部分を、より一層重視するように変化しました。当然、これまでも学生の皆さんの深層に触れることを意識はしてきましたが、近年はAI面接などテクノロジーの進化によって学生から情報を引き出す手段が多様化しています。例えばAI面接の活用が進むことで、経験や活動履歴などの情報は網羅的に得られるようになりました。一方、人が向き合うのは、その経験を通じて何を考え、何を感じ、なぜその行動を選んだのかという内面です。学生の「個」に対して、AIが幅広く拾い、人が深く理解する。そうすることで、多角的な視点から「あなたらしさ」をこれまで以上に漏れなく拾い上げられるようになりました。このように、変化の激しい時代でも自らの頭で考え抜ける人材を丁寧に見極めます。
美が持つ可能性への共感と
自ら問い続ける知的好奇心
創業から150年、私たちは多様化する美のニーズに向き合い、「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」を体現し続けてきました。そんな資生堂だからこそ、ビューティービジネスの可能性を信じ、共感していただけるかどうかを重視する姿勢が変化することはありません。私たちのビジネスは、常にお客さまの幸せや生き方、そしてその集合体である多様な文化を深く見つめることで成り立っています。技術がいかに進化したとしても、人の心に寄り添う思いに共感できる人材は欠かせません。また、容易に情報を得られる社会になった今だからこそ、自身の探究心と知的好奇心に従い、自ら問いを立て続ける姿勢はこれまで以上に大切な素養となります。時代の変化に先駆けした商品を提供してきた資生堂で、イノベーティブな商品を生み出し続ける源泉となるでしょう。
社会の変化に高い感度を持ち
未知の領域を深く探求する人
社会の急激な変化や世の中の新しい動きに関心を持ち、自身の「知りたい」という探求心と知的好奇心を深く突き詰めていける人です。資生堂は、創業時から日本にない海外の最新技術をいち早く取り入れるなど、自らが起点となって変化を起こすことで文化を創ってきた企業です。既存の市場や枠組みに単に倣うのではなく、世の中のまだ表面化していない潜在的なニーズに気付き、「これまでになかった全く新しい価値」を先んじて生み出すマインド。それこそが私たちの源泉です。だからこそ、自身の興味がどこに向くのかを理解した上で未知の環境変化を楽しめる方は活躍できるはず。ビジネス環境がいかに変化しようとも、第一線で活躍し続けられると思います。
正解ばかりを追い求めすぎて
未知への挑戦を避けてしまう人
常に正解や成功の確証がないと動けず、新しい環境でのチャレンジを避け、現状にとどまってしまう人です。近年、タイパやコスパを重視するあまり、間違えることや失敗を極端に嫌がる人が増えてきたように感じます。しかし、実際のビジネスの場において、最初から完璧な正解が用意されることは決してありません。だからこそ、重要なのは日々の苦悩や挫折を糧にし、次へ活かす貴重な教訓にしていくこと。挑戦を重ね、試行錯誤を続ける人ほど成長の機会をつかめます。一方、リスクを恐れて行動を起こさない人は、その機会を自ら手放してしまうでしょう。まずは自ら行動を起こし、失敗を恐れず貪欲に挑戦し続ける勇気が、5年後~10年後のあなたをかたちづくるのです。
就職活動において大切なのは、企業が求める正解を探ることではなく、自分自身を徹底的に深掘りし続けることです。情報にあふれ、変化が激しい現代のビジネス環境においては、自身が大切にする軸を持たなければよりどころを見失い、いずれ時代の波に流されてしまうでしょう。だからこそ、自分が何に喜びを感じるのか、自身の特徴や強みを仕事でどう活かしていきたいのかを、常に深いレベルで問い直してほしいですね。そしてぜひ、深く理解した自分自身の内面を私たちに教えてください。就職活動での内定は決してゴールではなく、これからの長いキャリアの始まりにすぎません。これから出会う未知の環境で走り続けるためにも、自己理解という終わりのない問いに真正面から向き合い、少しずつあなたらしい軸を築き上げてください。


