AI時代、人事は学生の何を見ている?
新卒採用「変わったこと」「変わらないこと」
売り手市場に陰りが見え始めている今、選考の現場では、学生を見極める視点にどのような変化が生まれているのだろう。
その答えを求めて、採用現場を熟知する人事担当者に「新卒採用の変わったこと・変わらないこと」を聞いた。変化の時代でも活躍する人と伸び悩む人の違いは何か。そんな比較も交えながら企業が選考で重視するポイントを探ろう。
成し遂げるための思考プロセスを探る選考へ
調査役
何を成し遂げたかよりも
なぜそう行動したかを重視
学生時代に経験した事柄だけでなく、なぜその行動を取ったのかという動機や、経験を通して得た学びをより一層重視するようになりました。近年、多様で素晴らしい活動実績を持つ学生が増えているからこそ、表面的な経歴の華やかさだけではその人の本質は見えてきません。日本政策投資銀行(以下、DBJ)では、将来の産業を担うスタートアップへの投資や、多数のステークホルダーの利害が複雑に絡み合う事業再生などを主導する中で、前例のない困難な局面に数多く直面します。こうした挑戦を前に進めるには、目指すべき方向を定め、課題や論点を整理し、自ら考え抜く力が不可欠です。どのような場面でモチベーションを感じ、どのような価値観で意思決定を行うのか、面談という対話の場を通じて、入社後に直面する高度な業務においても、自らの確固たる軸を持って力強く推進できる人材かどうかを見極めています。
社会課題解決への強い思いと
企業理念への深い共感
DBJの理念である「金融力で未来をデザインします」という社会的使命への共感を一貫して大切にしています。私たちは金融機関ですが、利益追求や金融サービスの提供そのものを目的とはしていません。金融という強力なツールを活用し、日本や世界の社会課題を解決することが最大の使命です。社会課題はますます複雑化しており、一つの専門性で解決できるものは少なく、複数の専門性を統合し、解決方法を開拓する総合力が求められます。その正解のない挑戦に向けた原動力は、「社会のため、日本のために」という職員一人一人が胸に抱くパブリックマインドです。その思いがあるからこそ、困難な局面でも粘り強く考え、多様な関係者を巻き込みながら課題解決に向き合い続けることができると考えています。当行の目指す未来と自身の思いが重なる方にこそ、ぜひ熱い志を持って仲間に加わっていただきたいと強く願っています。
考えることを楽しむ探求心と
自らの軸を起点に行動する人
自らのモチベーションの源泉を深く理解し、変化を前向きに捉えて行動できる人です。市場や社会課題が目まぐるしく変化する現代において、正解は常に変動します。活躍し続ける職員に共通しているのは、「考えること」自体を楽しみ、未知の領域に対しても自ら問いを立てて果敢に挑戦する姿勢です。また、揺るぎない自分の軸を持っていれば、環境や役割が大きく変わった際にも、成し遂げたい未来から逆算して、学ぶべきことを的確に見極められます。DBJのジョブローテーションを通じて多様な業務を経験する中で、俯瞰的な視野を獲得し、自分なりのゴールに向けて着実に成長の歩みを進められる人こそが、激しい時代を力強く切り開いていけるはずです。
正解を求め一人で抱え込み
周囲の知恵を借りられない人
正解を自力で見つけることにこだわり、失敗を恐れて立ち止まってしまう人は伸び悩む傾向があります。中立的な視点で産学官あらゆる立場の意見を集約し、課題解決を実現していくDBJの業務では、正解のない複雑な利害調整の壁にぶつかることが日常茶飯事。プロジェクトを動かすには、自身の限界を素直に認め、各分野の専門家たちの知見を素早く取り入れる力が問われます。DBJには先輩や同期と日常的に対話を行える風通しの良い文化があります。だからこそ、自分の考えだけで完結させず、分からないことがあったときは素直に周囲へ助けを求められるかが重要。対話を通じてヒントを得て、次なる行動へつなげる素直さを持つことが、成長の壁を突破する鍵となります。
就職活動は、働く上で自分が大切にしたい価値観と向き合う絶好の機会です。多様な考え方に触れる中で、ぜひご自身の考えを柔軟にアップデートしてください。最初から正解を急ぐ必要はありません。もちろん効率的に正解を求めることが大切な場面もありますが、就職活動においては時間をかけて内省を繰り返すプロセスこそが本質的なキャリアの軸をつくります。中長期的な視点が必要であることはDBJが挑む社会課題の解決においても同じ。誰も答えを持っていないからこそ、世の中の出来事に自分なりの問いを立て、対話を通じて考えを深める習慣をつけてみてください。そうして磨いた「自分の軸」を持ち続けることが、激しい変化の波にのまれることなく、入社後も力強く成長し続けるための最大の原動力となるはずです。


