農林中央金庫
1923年の発足以来、農林水産業の発展に貢献するリーディングバンクとして事業を展開。現在「食農ビジネス」「リテールビジネス」「投資ビジネス」の3事業を展開する一方で、世界有数の機関投資家という側面も併せ持つ
事業課題の解決にコミットするため
徹底的にお客さまの理解を深める
慶應義塾大学商学部を卒業後、2018年4月に入庫。岡山支店に配属され、島根県・鳥取県を営業エリアとする第四班の一員として融資業務を経験。21年4月から現職。JAバンクにおけるiDeCoに関する企画業務を手がけている
当庫の使命に憧れを抱いて入庫したものの、一次産業は専門分野ではなかったため、入庫後の研修で基礎から学びましたし、研修後も営業担当として配属された岡山支店で、なかなか新しいお客さまとのお取引につなげられず苦労しました。上司や先輩に助けられながら前進していたあの日々は、今となっては良い思い出です。
私の仕事への姿勢が大きく変わったのは、入庫3年目。とあるお菓子メーカーとの出会いがきっかけです。昔から訪問はしていたものの、取引までにはつながっていなかったお客さまで、私から改めてご連絡したところ「相談することはありません」と玉砕。諦めきれずに連絡を続けましたが良い感触が得られない私に、先輩が「訪問される立場になって考えてみよう」というアドバイスをしてくださいました。その発言を受けて私は、これまでお客さまの財務状況ばかり調べて訪問していましたが、企業にとっては自社事業についてよく理解した担当者からの提案の方が信用できるはず、と気付いたのです。私はお客さまの事業について徹底的に調べ上げ、再度訪問しました。するとお客さまが「こんなに当社のことを理解してくれる人はいなかった」と、少しずつ事業の悩みを打ち明けてくれるようになったのです。こうして信頼関係を築けたからこそ、コロナ禍の影響で落ち込んだ売上の改善策についてもご相談いただき、新たな海外への販路開拓を目指すという社運のかかった重要なプロジェクトを農林中央金庫に任せてくれました。当庫の北京事務所と連携し、輸出が実現した時には、「やっと社内が明るくなったよ、ありがとう」とお客さまにも大変喜んでいただけたことを覚えています。
リアルな場に足を運び、
社風や自分の志向性に気付く
新たな販路開拓が成功した大きな要因はやはり、お客さまとの信頼関係を築けたことでしょう。当庫が持つ海外マーケットへのコネクションを活用できたこともポイントですが、お客さまの事業を深く理解したことで、課題の本質をつかんだ適切な解決策を提案できたと考えています。これ以降どんなお客さまに対しても、事業を深く理解することは欠かさず意識していますね。また入庫当初は自分の実績を築くことがモチベーションとなってしまっていましたが、お客さまへの理解が深まるとともに、お客さまのお悩みを解決できた瞬間に大きな達成感を得るようになりました。部署を異動し支援するお客さまがJAの職員の方々に変わった今も、お客さまを深く理解し課題解決に向けて手を尽くすという姿勢は変わっていません。
こうして私がやりがいを持って取り組める仕事に出会えたのは、就職活動の際、社員の方々と直接お話しし、会社の雰囲気や実際にどんな経験ができる仕事なのかを知ることができたからだと思います。私の場合、「食に関わる仕事」という軸で食品メーカーを中心に情報収集を行っていましたが、説明会で初めて当庫の仕事について知り、非常に引きつけられましたし、自分がやりたいのは一つの食品を広めることではなく、食に関わる産業そのものを発展させることなのだと気づくことができました。リアルな場に足を運ぶことで、思いも寄らない領域にまで視野を広げられ、自分がフィットする職場に出会えるはずです。