2022/3/22 更新 サイバーエージェント

サイバーエージェントで「新卒から長く働く」ことで得られるものとは? 理系新卒で入社したエンジニア座談会

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終身雇用が当たり前の時代が終わり、キャリアアップのために「転職ありき」で就職を考える人が増えている。特に、テクノロジーの進化スピードの速いIT業界では、新たなチャレンジを求めて複数の会社をわたり歩きながらキャリアを積むエンジニアの姿も珍しくない。

そんな中、メディア、広告、ゲームなど幅広い事業を展開するサイバーエージェントでは、新卒で入社したエンジニアが一社で長く働き、活躍する事例が多数ある。なぜ同社では、エンジニアが長期的なキャリアを「サイバーエージェント一社」の中で築いていくことができるのだろうか。

サイバーエージェントに新卒入社し、勤続7〜12年の社員3人に話を聞いた。

三島木 一磨氏【写真右】
公立はこだて未来大学大学院システム情報科学研究科を修了後、2010年入社。『アメーバピグ』に関連するプロジェクトやスマートフォンアプリ、ソーシャルゲームの開発などを経験し、現在はAmeba関連サービスの開発や組織マネジメントに従事。CTO統括室クロスプラットフォーム開発担当

松岡秀樹氏【写真中央】
公立会津大学コンピュータ・サイエンス学科ネットワーク専攻を卒業後、2013年入社。ピグ事業部、『OPENREC.tv』を経て、マッチングアプリ『タップル』のバックエンドエンジニアとして従事。これまでに、ネイティブ(iOS/Android)、インフラ、バックエンドを担当

伊藤皓程氏【写真左】
東京電機大学大学院情報メディア学専攻を終了後、2015年入社。バックエンドエンジニアとしてソーシャルゲーム2本リリース。株式会社AJAに異動後、広告配信システムの開発に携わり、テックリードとして複数のプロダクトに携わる。株式会社アプリボットに異動し、データ分析基盤開発のほか、新規開発にてバックエンドリーダーとしてGolangでのゲームの基盤開発を行う。21年にアプリボットのエンジニア領域の担当執行役員に就任

「手を動かす」以外のことにも興味が持てるように

――皆さん新卒で入社して、これまでにどのような経験をしてこられたのでしょうか。

三島木:情報系の大学院を経て、2010年に入社しました。最初は自分から希望を出して、サンフランシスコで設立されたCyberAgent Americaに配属となりました。

その後は、仮想空間アバターサービス『アメーバピグ』関連で複数のサービスの立ち上げ運用を経験し、現在は『Ameba』事業部で技術担当の経営ボードメンバーを務めながら、全社組織であるCTO統括室でクロスプラットフォーム開発を担当しています。

松岡:大学ではコンピューターサイエンスを学び、2013年に入社しました。

キャリアのスタートは『アメーバピグ』のバックエンドエンジニアです。ちょうどこのサービスをスマートフォン用にシフトするタイミングだったので、ネイティブアプリの立ち上げなど、さまざまな経験を積むことができました。

その後は、社内異動公募制度である『キャリチャレ』を利用して、動画配信プラットフォーム『OPENREC.tv』に携わり、2年ほど前にマッチングアプリ『タップル』の開発チームにジョイン。iOS、SREを経て、現在はバックエンドの開発に加えてPMとしても携わっています。

伊藤:私は大学院で情報メディア学を専攻し、2015年に入社しました。

バックエンドエンジニアとしてソーシャルゲーム『ガールフレンド(♪)』『ボーイフレンド(仮)きらめき☆ノート』の開発に携わった後、入社3年目には立ち上がったばかりの子会社AJAに異動し、アドテク(広告)分野の仕事に挑戦。ここではテックリードを任され、複数のプロダクト開発に携わりました。

2年ほど前に別の子会社のアプリボットに異動し、再びゲーム開発に携わるようになって、現在はアプリボットの技術担当執行役員も務めています。

――皆さん、グループ会社への異動を含めて、短期間でさまざまなプロダクトに関わってきているんですね。

三島木:そうですね。サイバーエージェントでは、連結子会社数が105社あり、多数のサービスを展開しているので、エンジニアは引く手あまたでさまざまなプロダクトに携わることになります。

――そしてかなり幅広い経験を積まれているのが印象的です。皆さんはキャリアを築くにあたって、どのような意識を持っていたのでしょうか。

三島木:入社当初から、積極的に自分から手を挙げていこうという気持ちは強かったと思います。新卒配属前から「この仕事をさせてほしい」と、技術担当役員にDMを送るくらい貪欲で(笑)

そしてサーバーサイドの開発から始まり、その後スマートフォンの波がきて、社内のスマホアプリコンテストに応募して……と最初から技術領域を限定せずに、必要だと思うことにどんどん挑戦していきました。

そうすると、社内で新たなプロダクトが立ち上がるときに「参加してみない?」と声を掛けてもらえることが増えていったんです。希望する働き方やキャリアを口にしておくというのは、大事だなと思いますね。

松岡:僕が大切にしてきたのは、目の前の事業を成功させるということです。そしてキャリア形成のベースにあるのは、「Will(したいこと)・Can(できること)・Must(すべきこと)」のバランスを取る考え方。自分にとってそれぞれの項目が何なのかを整理しながら、事業成功に必要なことを考えてきました。

例えば、バックエンドのエンジニアが組織に求められていて、そのポジションが事業で大きなバリューを出せるとき。僕の、事業を成功させたいという「Will」、エンジニアリングという「Can」があるなら、やるべき「Must」はバックエンドの知識をより向上させることになります。

もちろんエンジニアとして自分なりのこだわりも大切ですが、組織に身を置く以上はそれだけに固執せず、バランスよく挑戦していくことも大事なのかなと思います。

伊藤:僕の場合はもともと技術志向が強く、入社1〜2年の頃はコードを書くことこそがエンジニアにとっての唯一無二の正義だと思っていました。

しかし入社4年目になる頃、アドテク子会社のAJAに移籍してテックリードを任されたことで、手を動かす以外の「幅を広げる」ことにも興味が持てるようになったんです。

テックリードの仕事はメンバーのマネジメントからプロジェクトの管理、経営陣との打ち合わせなど多岐にわたっていて、当初はかなり苦戦しました。

でもその中で、必ずしも自分で手を動かさなくても、メンバーを信頼して任せた方が、やりたいことを早く実現できることに気付いて。それぞれの仕事を理解して、しっかりレビューしていけば、自分の勉強にもなりますしね。

メンバーを育成してチームの力を引き出していけば、より大きなことが実現できる。もちろん今でもコードを書くことが好きなことに変わりありませんが、リーダーを経験したことで考え方の幅は広がったと思います。

一社で長く働くうまみは「慣れた環境」でやりたいことに集中できること

――エンジニアの場合、転職を重ねて複数の企業をわたり歩きながらスキルを磨く人も多いですよね。皆さんはなぜサイバーエージェントで、新卒から長く働き続けているのでしょうか。

三島木:僕が入社した当時から、「WEBエンジニアは転職するのが当たり前」のような空気はありました。実際僕自身も、何となく、いつかは転職するのかなと思っていたくらいです。

ではなぜ転職しなかったかというと、良い意味でいまだに「やり切った感」がないから。入社してからずっと新しいミッションが次々に降ってきて、転職しなくてもチャレンジの機会がいくらでもありました。

プログラミング言語で言えば、Java、JavaScript、C++、Androidなどを使ってきて、今はGoでサーバー開発をしています。

言語やプラットフォームにとらわれずにサービスを開発してきた経験は自分のベースになっていて、エンジニアリングの基盤を固め、フラットな視点を養うことにつながっているのかな、と。

まだまだ満足していないというか、もっとやれることがあるという思いは今も続いています。

松岡:僕の場合は、『アメーバピグ』、『OPENREC.tv』、『タップル』とまったく異なるドメインで経験を積んで、それぞれのベストプラクティスを見ることができたのは貴重な経験でした。

また、それぞれのドメインで身に付けたスキルを横展開することもできるので、一つの機能を作ろうとした時の引き出しが増えたように思います。

サイバーエージェントでは、そうしたノウハウを組織的に共有する場も多く、例えば社内のテックカンファレンスではかなり込み入った具体的な話まで聞くことができます。ゼミ活動など有志による勉強会も盛んですしね。

何より同じ企業文化を共有する社内の仲間ですから、コミュニケーションがしやすいというメリットもあります。

伊藤:人とのつながりでいえば、個人的には同期の存在がすごく大きいです。同期の中には、別の事業部で技術責任者に就いている者もいて、話をするだけでもいろいろな刺激を受けます。

最近も、AI事業部にいる同期からリアルなDXの現状についての話を聞いて、それを自分の事業戦略の立案に生かすこともありました。

社内に知り合いがたくさんいるので、技術的な困りごともすぐに相談して解決できる。それは一社で長く働いているからこそできることだと思います。

三島木:環境に慣れるというのは、一社で長く働くことの大きなメリットですよね。同期を含め、人とのつながりも広がっていくし、社内の仕組みやルールにも詳しくなります。

環境に慣れることで、仕事をする上での障害を最小限に抑えることができるのではないでしょうか。

松岡:そうですね。その分、チャレンジに集中できる環境なのだと思います。

課題を見つけて変革する姿勢が、長期的な活躍につながる

――事業ドメインの幅広さは大きな魅力の一つですが、一社で長くキャリアを築くためにはライフステージが変わっても心地よく働けるような環境面も重要ですよね。

松岡:そうですね。僕は、第一子が生まれた時に1カ月ほど育児休暇を取得しました。社内には子育て中のエンジニアも多いですし、経営層も率先して休みを取るカルチャーがあるので、ワークライフバランスは自分で調整しやすいです。今所属している「タップル」は、この2年を振り返ると男性エンジニアの育児休暇取得率が100%です。

後輩たちもチャレンジしたい人ばかりなので、自分が休んでも安心して仕事を任せることができることも休暇を取りやすい要因の一つかもしれません。

伊藤:制度面では先ほど松岡さんが話していた『キャリチャレ』という社内異動公募制度もいいですよね。

サイバーエージェントでは、基本的に異動辞令が存在せず、やりたい仕事には自ら手を挙げてキャリアをつくっていきます。だから社内でのキャリアチェンジもしやすいし、制度として明文化されていなくても、上長や人事に相談すれば調整してもらえる風土がある。

今のコロナ禍でも、フルリモートや時短など、その人の事情にあった働き方を柔軟に選べるようになっています。

――最後に、サイバーエージェントで長く活躍できるのはどんな人だと思いますか。

松岡:長く働くかどうかは別として、サイバーエージェントに向いているのは、やはり能動的な人だと思いますね。逆にいうと、受け身の人はどこに行っても面白くないのではないでしょうか。

伊藤:そうですね。自主性があれば、一社にいながらかなり幅広い挑戦ができる会社です。

もちろんサイバーエージェントでもすべてを網羅しているわけではないので、ここではできない特定のドメインに携わりたいとか、ゼロから自分でベンチャーを立ち上げてハイリターンを目指したい人は、外の世界で大いに活躍すればいいと思います。けれど、たいていのことは社内でかなえることができるのではないでしょうか。

三島木:「長く働ける会社をつくろう」と思える人だと思います。

手を挙げれば挑戦できる風土や、経営に意見を届けるチャンスがあるので、長く働くために何が必要なのかを、自分で考えて変えていくことができる人や、自ら課題を見つけて主体的に変革していける人は、ずっと活躍し続けられるのではないかと思いますよ。

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取材・文/瀬戸友子 撮影/吉永和久

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