“自分にベスト”な1社を見極めるには?
20代15人、就職の決め手「自分に合う会社」って一体どうすれば見つかるんだろう? その答えを探るべく、この特集では、トップカンパニーでイキイキと働く先輩たちに、就職先選びで重視したことを聞いてみた。自分に最も合った会社とは何か、先輩たちの実体験を通して、“ベストな1社”を選ぶためのヒントを教えてもらおう。
自分の成長のためにどんどんチャレンジをしていきたいという性格。中国の大学ではハードウェア分野を専攻していましたが、知識やスキルを広げるため、早稲田大学大学院ではソフトウェア分野を専攻しました。就職活動でも、これまで学んできたITの知識を生かしたいと思う反面、新たな領域についても学びたいと思い、IT業界以外にもコンサルや製造業などさまざまな業種の説明会に参加しました。そこで出会ったのが金融業界のゴールドマン・サックス(以下GS)でした。
GSエンジニアリングオープン・デーに参加して何より驚いたのは、社員の25%がテクノロジー関連の仕事に従事していることや、社内システムの9割以上を自社で開発していることでした。まさにIT企業のような技術力を持っており、イメージが一変したのです。また、懇親会ではGSのエンジニアから、「入社1年目から香港やニューヨークの開発チームと仕事をしている」ことや、「トレーディングシステムは取引時間が1秒でも遅れれば、大きな損失につながる」といった話を聞くことができました。GSであれば、グローバルな環境で通用する語学力、金融の最前線で使用されるシステムを生み出すテクニカルスキルと課題解決能力、そして金融業界に関する専門知識を全て身に付けることができる。金融の世界へのチャレンジが自身の成長イメージと結び付き、GSへの入社を決めました。
東京で入社時研修を受けた後、ニューヨークで行われた技術研修に参加。その後、実際のプロジェクトに関わり始めました。私が最初に担当したのが、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(以下GSAM)の投資家向けウェブサイトの開発プロジェクト。私の役割は、マーケティングチームと協力しながらウェブサイトに載せるデータの選別や分析、データの抽出方法を検討すること。ニューヨークやロンドン、ベンガルールのプロジェクトチームと開発やデザインを進めていきました。このサイトにはファンドや投資運用に関する情報が掲載されており、GSAMの顔とも言える重要なもの。金融の第一線で使用されるサイト開発に意気込んでいましたが、初めて挑むグローバルな開発プロジェクトは苦戦の連続でした。特に難しかったのは、海外チームとのコミュニケーション。国ごとに開発に対する考え方や価値観が違う中で、全員の意見がまとまらず、プロジェクトが思うように進まない時もありました。
この状況を抜け出すきっかけになったのは、マネージャーからの「一人一人がなぜそう考えるのかを理解し、WinWinになれる落とし所を見つけなさい」という言葉でした。ただ主張するのではなく、互いの意見を尊重し合うことで開発スピードが加速していき、ついに新しいウェブサイトが完成。デザインや機能も刷新され、閲覧数は約2倍に。また運用会社のウェブサイトランキングでも、30位ほど順位がアップしました。技術で金融ビジネスにインパクトを与えることができた瞬間でした。
入社4年目の今、私が担当しているのは、GSAMで使用される運用レポートを自動生成するためのシステム開発プロジェクト。自ら志願し、プロジェクトマネージャーとして仕様検討などを現在企画中です。GSは社員が自ら希望すれば、入社年次に関わらず裁量のあるポジションに登用していく文化があります。日々挑戦していきたいと思う私にとって、GSは常にチャレンジングな機会を与えてくれる最高の環境です。今振り返っても、ここに就職した私の決断は間違いではなかったと確信しています。
もし私の価値観や仕事への考え方が会社の風土に合っていなければ、ここまで歩んできたキャリアを実現することはできなかったと思います。会社説明会や懇親会は、企業と実際に働く社員の価値観を知れる絶好の場。積極的に参加し、働くイメージが持てるかどうか見極めることをお勧めします。
当社は世界中に開発チームを持っています。私も入社1年目からニューヨークやロンドン、ベンガルールなどの開発チームと英語でコミュニケーションを取り、グローバルに開発を進めてきました。今ではプロジェクトマネージャーとしてテクニカルスキルはもちろん、マネジメントスキルも習得中です
上司と部下の関係性がフラットで、合理的なアイデアがあれば入社年次に関わらず実現することができます。子どもが病気になってしまった場合は在宅勤務も可能です。また出退勤時間に柔軟性があり、自分で時間管理ができます。ワークライフバランスを保ち、業務に集中できる環境です
学生時代から中国だけではなくもっと広い世界を知りたいと思っていた私にとって、ダイバーシティが根付く社風はとても魅力的でした。多様なバックグラウンドを持つさまざまな国の人と仕事をし、日々職場で意見交換をすることで毎日新しい価値観や文化を学ぶことができます