2017/11/1 更新 モルガン・スタンレー

クライアント視点を持ち、 高い技術力を発揮し成果を生む

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「自分らしく働く」ということ
エクセレントカンパニーで活躍する、20代・30代のビジネス・プロフェッショナルたちの就活エピソードと入社後のキャリアをインタビュー。就職活動時、何を目指し、就職先となる1社を選択したのか? また、実際に入社後どんな仕事に携わって成長を遂げてきたのか? そして彼らが見いだした「自分らしく働く」ことの本当の意味に迫る。

モルガン・スタンレー
ヴァイス プレジデント 情報技術部
加藤聡夫さん

 投資銀行、証券、ウェルス・マネジメント、資産運用など、幅広いサービスを提供する世界有数の金融機関である、モルガン・スタンレー。米国に本社を置き、世界42カ国以上にオフィスを擁する。「グローバルな環境でシステム開発に携わりたかった」と同社への入社理由を語るのは情報技術部で活躍する加藤聡夫さんだ。

「入社の決め手となったのは、技術力と語学を磨きキャリアの可能性を広げられること。さまざまな国のプロフェッショナルとプロジェクトチームを組むことができる当社は、まさに理想的な職場環境でした」

 入社後から現在まで加藤さんが手掛けるのは、現地法人の決算報告書、財務諸表などを各国の会計基準に合わせて自動調整し、規制当局へ報告するためのローカルギャップバランスシートレポーティングシステムの構築だ。多岐にわたる金融商品を提供する同社では、膨大な量のキャッシュフローに耐え得る堅牢なインフラを構築する必要がある。国際金融市場を見渡す同社の根幹を支える、重要な業務に携わるポジションを任せられているのだ。

 そんな加藤さんの仕事観に大きな影響を与えたのは、1年目で任された韓国の既存システムに機能を追加するプロジェクトだった。

成功の秘訣はクライアントを熟知すること

 システムのユーザーは経理部。すなわち、クライアントでもある経理側のニーズに沿うシステムであることが求められる。加藤さんは相手の要望を聞くことに注力し、開発に励んだが、高い評価にはつながらなかったという。

「頭を抱える私に上司が言ったのは『Know your client's business better than your client.』でした。経理部よりも経理部の必要とするデータを熟知し、要件定義の際にあらゆる提案を投げ掛ける上司の姿を見て、これまで受身の姿勢だった自分に気付かされました」

 与えられた仕事を完遂させることがゴールではなく、クライアントと同じ目線で考え抜き、最適解を導き出す。仕事の本質を理解した加藤さんが飛躍したのは、6年目に担当したロンドンでの数十名規模の大プロジェクト。欧州に新設された規制当局が求める、新たな財務諸表作成に対応できるシステムの構築がミッションだ。

「アジアに比べて市場が大きいロンドンでは、経理が扱うデータは1日1億件にも及びます。既存システムでは仕分けできない、多様で膨大なデータに耐え得るインフラ整備から、現地の会計基準に対応したシステム開発まで、一から構築していく必要がありました」

 財務諸表の報告は義務付けられており、納期が遅れることは許されないため、プロジェクトの進捗共有を求める連絡がクライアント側から途切れることなく寄せられる。現状のステータスを報告し、進捗が遅れていれば改善提案を求められる。膨大なタスクを遂行する中で苦労したのは、そういったコミュニケーションの場での意思疎通だった。

「相手が求めていることが理解できず、私が伝えたいことも正確に伝わらない。その都度上司のアドバイスを振り返り、ユーザー目線での提案を心掛けました」

 プロジェクトは無事完遂され、クライアント側から評価されるとともに後日、感謝の言葉が届いた。

「困難な状況を打開したのはやはり『クライアントを知る』ということ。プロジェクトの規模が大きいほどカルチャーも含めた相互理解が非常に大事だということを改めて実感しました」

 現在は米国本社の財務諸表作成のためのシステムを手掛ける加藤さん。国際金融市場の最前線で、技術者としての挑戦を続けている。

PROFILE
かとう・としお/ 2007年、慶應義塾大学理工学部情報工学科を卒業。同年にモルガン・スタンレー・グループの情報技術部に入社。グローバルに展開する各国オフィスにおける会計システムの開発に一貫して従事する。韓国、日本、インド、ロンドンと手掛け、現在は米国本社においてグループ全体の会計システムの開発に携わる

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