2025/4/15 更新

ビジネスプロフェッショナルが解説

「真の企業力」を見抜く方法

会社の良しあしは「知名度」だけでは測れない。これから先も長く発展し続ける会社、急成長を遂げる可能性を秘めた伸びしろのある会社は、どうすれば見極められるのだろうか。企業経営、組織開発・採用のプロフェッショナルたちが、各社の事例を用いて「真の企業力」を見抜く方法を解説。インターンシップで確認すべきポイントも紹介する。

農林中央金庫
農林水産業者などを会員とする協同組織として第一次産業の発展に貢献する金融機関。全国のJAバンクを通じて地域に根差した金融サービスを展開する。50兆円規模の投資ビジネスなど幅広い事業領域を持ち、社会貢献と事業性を両立する独自の経営を実践
人事部
人材採用班
木川 遥

利益追求を超えて社会課題の解決に挑む人材へ
企業の価値観や目指す方向性に共感できるか見定めよう

  • 農林中央金庫
  • インターン
  • キャリア
  • 人事

農林中央金庫は、第一次産業の発展に貢献するという唯一無二の存在意義を持つ金融機関です。一般的な株式会社とは異なり、農協や漁協、森林組合などを会員とする農林水産業者の協同組織として、利益追求だけでなく、農林水産業と地域社会の発展を使命としています。この組織形態により、気候変動などの環境問題や地域社会の課題に対して長期的な視点で取り組むことが可能となっており、社会貢献性を重視した事業運営を行っています。

また、グローバルな投融資から地域に寄り添った取り組みまで幅広い事業フィールドを持つことも大きな特徴です。総資産約100兆円というメガバンクに匹敵する規模を有し、約60兆円を世界各地で運用する投資ビジネスでは、世界的な機関投資家としての側面を持っています。そのプレゼンスを活かし、近年ではESG投資にも注力し持続可能な社会の実現に向けた取り組みを実施。一方、リテールビジネスでは、国内第2位の店舗網を持つJAバンクの全国組織として、地域に寄り添った金融サービスを展開しています。各地域のJAでは、金融サービスの提供にとどまらず、スマートフォン教室や食育イベントの開催など地域に根差した取り組みも行っており、地域のインフラとして重要な役割を担っています。

加えて、食農ビジネスでは農業界と産業界を橋渡しする独自の立場から第一次産業の変革に挑戦しています。例えば国内大手外食企業との取り組みでは、コーヒーの豆かすを飼料会社で加工し、酪農家の牛の餌として活用。その牛から得られた牛乳をファミリーレストランのメニューに使用するという循環型ビジネスを実現しました。このように金融面だけでなく事業面でも、川上から川下まで多様なステークホルダーを巻き込みソリューションを提供できることが、他の金融機関にはない強みです。

2030年に向けた中期ビジョンでは、豊かな食とくらしの未来に向けて、持続可能な地球環境に貢献するため、サステナブルファイナンスの新規実行額として10兆円を掲げています。また、担い手不足など第一次産業の構造的課題に対し、農業者の所得向上や経営改善に注力。デジタル技術の活用や、異業種とのビジネスマッチングなど、従来の金融の枠を超えた取り組みを強化し、第一次産業をより魅力的な産業へと変革していく方針です。これらの取り組みを通じて、農林水産業の持続的な発展と地域社会の活性化に貢献していきます。

社会的使命と個人の成長を両立する職場環境で
様々な事業領域を経験し、自らの専門性を見極める

当庫では、社員と組織の持続的な成長・発展を目指し、独自の人材育成と柔軟な働き方を実現するための制度改革を推進しています。代表的な取り組みとして、23年4月から新たな人事制度が導入されました。入庫後7年目までは幅広いビジネス領域を経験し、そこから自身の専門性を高めたい分野を選択できる「ジョブグループ制度」では、食農、リテール、投資などの事業領域から、キャリアを自律的に選択できます。

また「ジョブセレクション」により、興味のある部署やプロジェクトへの異動を志願することも可能です。海外留学も積極的に支援しており、総合職の約10%がMBAやLLM取得のために海外留学を経験している実績があります。

働き方の面では、フレックスタイム制やテレワークの活用により、育児や介護との両立を支援。7年目以降は転勤の有無を選択できるなど、多様なライフスタイルに応じた柔軟な働き方が可能となっております。

こうした取り組みを踏まえて学生の皆さんにお伝えしたいのは、将来にわたって成長・変革を続ける就職先選びをしてほしいということです。特に以下の三点に着目すべきかと思います。第一に、社員がやりがいを持って働ける企業であるかどうか。社員がやりがいを持って活躍することで、直接的に組織の成長につながります。当庫の場合、第一次産業の発展という明確な社会的使命があり、その実現に向けて社員一人一人が創意工夫を重ねています。社会課題の解決に直接関わることは、大きなやりがいにつながるでしょう。

第二に、仕事とプライベートを両立できる環境が整備されているか。働き方改革は単なるお題目ではなく、具体的な制度として確立されていなければなりません。当庫では、柔軟な勤務体系や場所にとらわれない働き方を実現し、社員のライフステージに応じた多様な選択肢を用意しています。

第三に、若手に大きな裁量が与えられているかどうか。当庫では約3400名という少数精鋭の組織の中で、チームワークを重視しながら若手も大きな仕事にチャレンジできるカルチャーがあります。限られた人数で巨大な事業を展開するからこそ、部署や役職を超えた協力体制が自然と根付いています。

加えて、その企業で働く自分の姿をイメージすることも大切です。待遇や制度だけでなく、その会社で成長できる機会があるか、自分らしく働き続けられる環境があるかを見定めてほしいと思います。そして何より、企業の価値観や目指す方向性に共感できるか。これらの視点を持つことで、自分に合った道が見えてくるはずです。

制作担当/篠田健太郎

夏季インターンシップは企業理解編2日、部門別(食農・投資・リテール)各1日、対面ワーク1日の計6日間。金融の専門性と社会的意義を体感できる

インターンシップMUST DOリスト

  • 1

    主体性を意識して
    まず行動を起こす

    リーダーシップとは必ずしも仕切ることだけではありません。議事録作成やメンバーの意見を引き出す質問、タイムキープなど、できることを見つけて率先して動けば、働き方や組織の特徴が見えてきます。実践を通じて、企業や自分をより深く理解できる機会となるはずです。

  • 2

    正解のない課題にも
    考え抜く姿勢を

    インターンシップでの課題は、試験のような明確な正解がありません。これは実際の仕事でも同様。限られた時間で仲間と試行錯誤を重ね、最適解を模索する過程で、意思決定の基準や組織の価値観が見えてきます。その企業らしい解決方法を学ぶ体験をしてみましょう。

  • 3

    自分の将来像と
    企業を重ね合わせる

    インターンシップは会社や仕事を知るだけでなく、そこで働く自分の将来を具体的に思い描く場でもあります。社員との対話やワークを通じて、その企業独自の価値観や取り組みに共感できるか、キャリアビジョンと重なるかを探求し、自分に合った企業を見極めてください。


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