企業は今、新卒に何を期待しているのか
リーダーたちが語る「これからの採用基準」
AIの労働力化が進み、人に求められる役割も大きく変わりつつある。先を見通すのが難しいこれからの時代、どのような人が選ばれ、活躍していくのだろうか。
各界をけん引する企業の経営層が捉える「事業環境の変化」や「新卒への期待」から、企業理解を深めよう。
自分を磨き続ける"ピュアコンサル"の視点を
AI社会で仕事を失う人たちを
救うための新しい産業を創る
AIの普及によって、多くの仕事がAIに代替されようとしています。この変革の時代に皆さんは「AI時代をどう生き残るか」「AIを活用する側にどう回るか」といった、「自分が勝ち残るため」の視点で社会変革を捉えがちではないでしょうか。しかし私は、そうした「勝ち組」の視点だけでは歴史的な変革への対応として不十分であると思います。本当に必要なのは、「社会変革によって失われる雇用をどう救済するか」という思考です。歴史を振り返っても、産業革命時の手工業の自動化や、IT化による事務作業の消失が起こったときに、弱者である労働者の失われた雇用を吸収する産業が生まれたことで、社会全体が変革を乗り越えられました。
これからの時代を切り開く力を持った皆さんだからこそ、社会変革を主導しつつも、失われる雇用の受け皿を作る視点を持っていただきたいと思います。コンサルタントの真の役割は、「自分が勝つ」ということではなく、「困っている誰かのために働く」ことであり、「新しい産業や雇用を生み出し社会に貢献すること」が、私たちの価値や使命であると考えるからです。AIという便利な道具をいかに使うかという次元の話ではなく、社会構造の変革を見極め、生じる課題に対してビジネスを通じた解決策を提示し、社会全体を良くしていく。これこそが、AIには決して代替されないコンサルタントならではの普遍的な価値だと考えています。
時代の変化に左右されないのは
社会への貢献に敏感な人たち
しかしながら、私たちコンサルティング業界の人間が皆さんを迎える際、「給与が高い」「成長が速い」「出世が速い」「名声が得られる」といった自分ファーストの業界説明をしすぎてしまっているのも問題です。そうした説明だけでは、仕事の本質を理解しないまま自分本位なアプローチを行ってしまうでしょう。私たちがコンサルタントとして求めたい人材像は、私利私欲ではなく社会を良くしたいという純粋な目的意識を持った人です。例えば、学生時代から学生団体やサークル活動で社会課題に取り組んできた方であれば、どんな環境でも非常に高い熱量で仕事に向き合うことができると思います。
当社では幹部やリーダーはもちろん、コンサルタント個人の売上目標を設けていません。コンサルタントはいわば「企業の医師」。もし医師に売上目標があったら、患者のためではなく売上を追求した過剰な治療を施す悲劇が生まれかねません。コンサルタントも同様に売上を追ってしまうと、目先の利益ばかりを優先し、お客さまにとって真に必要な支援を見失ってしまいます。だから私たちは、個人の評価基準を自己研さんや専門性の深さ、そして人間性などの品質面に置いています。そうすることで本質的な変革に打ち込める制度や仕組みを用意しているのです。
就職活動に向き合う皆さんへお伝えしたいのは、目先の待遇といった自分にとって「有利か不利か」で職業を選ぶべきではないということです。戦後の復興期を振り返ってみてください。ホンダがスーパーカブで人々の移動を豊かにし、ソニーが音楽の楽しみ方を広げ、パナソニックが家事労働から人々を解放したように、当時の創業者たちは私利私欲ではなく「社会を良くしたい」という大きな志を抱いていました。皆さんの職業選びの基準も、「その業界が存在する社会的意義は何か」「その企業が社会に与えているインパクトは何か」「それに自分が共感できるか」という軸で選定すれば、入社した後のやりがいが格段に違ったものになると思います。
そして知っていただきたいのは、コンサルタントは企業が社会変化の荒波を乗り越えるのを助け、新たに起こる産業をサポートし、社会変革の推進役として、社会に貢献できる存在であるということです。日本発のコンサルとして日本の社会と産業の発展に貢献し、その改革経験をもって世界に展開し、グローバルな社会や産業の発展に取り組む。そんな私たちの志に共感してくれる方ならば、心から歓迎します。


