2019/5/28 更新 シグマクシス

未来に視線を向けて社会を創るアグリゲーターとなる

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ビジネスプロフェッショナルに聞く
変革期のコンサルティングファームで働く醍醐味
ここ数年、急速に進む技術革新の影響を受け、コンサルティングファームの使命や、手掛けるビジネス領域は大きく変化している。各社がこれまでのビジネスのあり方、コンサルタントの働き方などを見直す“大変革期”を迎える中、次世代コンサルタントにはどんな成長が求められるのか?各社のビジネスプロフェッショナルに聞いた。

シグマクシス

常務執行役員
ヒューリスティック シェルパ兼アライアンス担当
柴沼俊一氏

日本銀行、外資系コンサルティングファーム、ファンド投資先企業の勤務を経て現在に至る。幅広い業界に向けた、事業戦略やM&A・提携戦略の策定・実行支援、新規事業立ち上げ支援、オペレーション革新などを得意とする。現在、グロービス経営大学院教授

私たちは今、300年単位のパラダイムシフトを迎えています。工業社会と金融資本主義を組み合わせ、GDPレベルでの成長を追求し続けてきた私たちが目の前にしているのは、人間の知恵とデジタルテクノロジーの組み合わせで課題解決をしながら豊かさを実現する、人間中心の社会です。

例えばインターネットを使った無料電話、太陽光の自家発電、シェアリングエコノミーといったサービスの進化は、限界費用を限りなくゼロに近づけ、人々の暮らしを便利で豊かなものに変えています。また、人々はモノを持つよりもシェアすることを好み、企業は業界内での「競争」よりも、価値観を共有できる企業同士による価値の「共創」を重視し始めています。

これを私たちは「共感資本主義」と呼んでいます。このような時代の端境期において、私たちコンサルティング会社も、既存の常識にとらわれていては未来の価値を生み出すことはできないと考えています。だからこそ、シグマクシスは業界の常識にとらわれることなく常に自らの価値創造のあり方を再定義し、自己変革を続けてきました。

2008年の創業時には、企業の戦略を描く、あるいは仕組みをデザインすることにとどまらず、それらを実行し成果を生み出すまで顧客企業に伴走し続けることが求められる時代であると信じ、「コンサルタント」ではなく企業の「シェルパ」を目指して会社を立ち上げました。以来、事業戦略策定、業務・システム変革、デジタルテクノロジー活用、組織・人財変革、プロジェクトマネジメント、M&Aなど、多様なコンサルティング能力を擁するプロフェッショナルチームとして、顧客の価値創造に取り組んできました。

13年の上場を機に、価値創造のレベルをもう一段あげることを目指し、事業投資、事業運営にも事業領域を拡大。そして今、この10年間で積み上げた経験、知見、そして多様な業界にわたるネットワークを結集し、顧客企業やビジネスパートナーと共に、新たな社会創りに生かしていくフェーズに入ったと考えています。

では、具体的にどのような取り組みで社会を変えようとしているのか。一つは、企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進です。国内企業のDXは、各国に比べてかなり遅れているという現状があります。企業が社会における新たな価値を生み出すためには、このハードルはなんとしても越えなければなりません。ここで生きてくるのが、私たちが13年以来強化してきたデジタル領域の能力と、社外に広がるさまざまな企業とのネットワーク。あまたあるテクノロジーの中から最適なものを見いだし、組み合わせてチームを組成し、実行支援を行います。社内外問わず必要な能力を自由自在に集めてチームを作って成果を出す「アグリゲーション」は、シグマクシスが自信を持つ得意技です。長年、企業の経営課題解決において実績を積んできましたが、これは社会課題解決においても成功の鍵になると確信しています。

事業投資やベンチャー企業支援も社会を変える取り組みです。優れたアイデアや技術を自ら事業化する、あるいはそれらを持つ企業の能力を引き上げていくことは、イノベーション実現のスピードをあげ、新しい社会を創り出すことに通じるからです。具体的には、顧客企業やビジネスパートナーと共に資金や人財を投じてジョイントベンチャーを設立・運営するほか、ベンチャー企業の経営基盤強化を目指したコンサルティングの提供、ベンチャー企業と大企業の協業促進、ベンチャーキャピタルを通じての投資など、さまざまな形で取り組んでいます。19年3月には、アパレルメーカーとともに試着体験アプリ『fitom』の企画・運営会社、株式会社fitomを立ち上げました。

組織と個人の新たな関係性が成熟度の高い人財を創る

さらに本年度から、企業や組織、業界や地域の壁を越えて価値創造活動に共に取り組むプラットフォームの形成と運営を本格化させました。これを私たちは、マルチサイド・プラットフォーム(以下、MSP)と呼んでいます。例えば17年からシグマクシスが主催している「食・料理×テクノロジー」をテーマにした活動、スマートキッチン・サミット・ジャパンには、フードテック企業、キッチンメーカー、サービスプロバイダー、料理家、起業家、投資家、デザイナー、そしてビジネスクリエイターといった多岐にわたる業界・企業・個人が参画し、一企業だけでは描けない食の未来予想図を皆で創り、社会課題を解くためのビジネスモデルの構想策定を始めています。

サミット開催後も、企業間をまたいだいくつものコミュニティでの取り組みが具体的に動き始めており、MSPの持つ可能性の大きさを実感しています。このようなMSPをさまざまな領域で立ち上げていく動きが、社内にも生まれています。

シグマクシスはコンサルティングを主軸に、社外の有能なプレイヤーとのコラボレーション、また事業投資とその運営を通じて、従来の「コンサルティング」の枠組みを超えた活動を加速しています。優秀で成長意欲の高い人財が多様なキャリアを積むことができる、幅広い環境が整ったとも言えるでしょう。社員は組織を仕事や人財のプラットフォームとして活用し、自分が掲げたテーマに取り組む。そこで身に付けた知識や経験、ネットワークを組織に還元することで、組織全体の能力も向上する。これは、私たちが理想とする、未来社会における組織と個人の新たな関係性の実践でもあるのです。

常に未来を予測し、既成概念を壊し、変化に挑み続けることは、この先の時代を創る人財に欠かせない行動様式です。これはまさにシグマクシスがネイチャーとしてきた姿勢でもあります。学生の皆さんには、常に未来を見つめながら視野を広げ、視座を高め、多様性に富んだ環境で物事に取り組んでほしいと思います。人間としての成熟度を高められる人財こそが、これからの社会を創ることができるからです。

Company Information

シグマクシス

企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するコンサルティングサービスの提供に加え、新規事業開発、ジョイントベンチャーの創設・運営、ベンチャー投資、マルチサイド・プラットフォームの形成など、顧客やビジネスパートナーとの共創による多様な事業展開に取り組み続けている

設立年 2008年5月
資本金 28億1,900万円
売上高 133億円
従業員数 480名

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