ビジネスプロフェッショナルが解説
「真の企業力」を見抜く方法
会社の良しあしは「知名度」だけでは測れない。これから先も長く発展し続ける会社、急成長を遂げる可能性を秘めた伸びしろのある会社は、どうすれば見極められるのだろうか。企業経営、組織開発・採用のプロフェッショナルたちが、各社の事例を用いて「真の企業力」を見抜く方法を解説。インターンシップで確認すべきポイントも紹介する。

課長
業界内での立ち位置×独自の技術力が伸びしろのヒント
プロジェクト実績や顧客層の広さから可能性を見極める
NTT DATAの分かりやすい特徴は業界最大級のITソリューション企業であること。ですが就職活動時に初めてNTT DATAを知るという方も多いと思います。なぜなら私たちが手掛けるITシステムは普段目にする機会がほとんどないからです。しかし、知らないうちに当社のサービスを使っている方も多いと思います。例えば私たちが展開する日本最大級のキャッシュレス決済総合プラットフォームサービス『CAFIS』は、クレジットカード決済を約40年にわたり支えてきました。その他にもマイナンバーカードの仕組み提供や、レジに並ばずにスムーズに買い物ができる決済技術など普段の暮らしに必要不可欠な、さまざまなITシステムに当社の技術が使われているのです。人々の暮らしに密接に結びつくシステムを提供しているからこそ、われわれのお客さまは中央省庁や地方自治体、銀行や保険、小売や製造業など非常に幅広いことが特徴。関わりがない業界を挙げる方が難しいくらいです。こうした多様な業界のお客さまに対してバランスよく収益を上げていることは当社の強みでもあります。また、NTTというとどうしても国内で事業を展開している会社というイメージを持たれがちですが、実は海外展開を積極的に行っており、特にここ10年ほどで海外展開の基盤を固めています。国境を越えて、ニーズがあるところに当社の価値を提供できるようなビジネス展開が可能となっています。
そんな私たちがこれから特に力を入れるのは、未来を構成するコンサルティング力と、構想を実現するためのエンジニアリング力の強化です。まずコンサルティング力に関して説明します。これまではお客さまから「こんなシステムをつくりたい」という明確な依頼をいただくことが多かったですが、最近ではプロジェクトの出発点となる企画段階から提案を求められることが増えています。IT領域に強みを持つコンサルティング企業も多い中、当社が培ってきた豊富なシステム開発・運用ノウハウを活かして競合企業との差別化を図ることで、地に足の着いたコンサルティング力を着実に伸ばしたいと考えているのです。またエンジニアリング力については、システム開発からお客さまの業務に定着させるまでを一気通貫で行える強みを強化したいという意味で挙げさせていただきました。IT技術というのは常に進化しているため、最新技術、最近なら生成AIなどへの知見・技術を深め続けることは必要不可欠でしょう。こうした能力を伸ばし、お客さまの成果を確実に実現することで、共に成長を続けたいと考えます。
業界最大級のIT企業のフィールドをフル活用し
自分の理想とする働き方をかなえながら成長できる
企業と社員、双方が成長を続けるために取り組んでいることは大きく二つ。一つは理想のキャリアをかなえるために、年2回上司とのキャリア面談を設け、相談しやすい仕組みを整えていること。社内公募という希望の部署に異動できる社内転職のような制度もあり、活用実績も豊富です。もう一つは専門性を高めたい方に向けた、管理職以外にも技術の専門家としてキャリアを築ける人事制度です。実は私自身もこうした制度を活用しながらキャリアを築いてきた一人。開発エンジニアとして入社後、研究開発やデータサイエンティスト、コンサルタントを経験して現在の人事のポジションに就きました。一見、統一感がないかもしれませんが、私自身の「企業を成長させる仕事がしたい」という思いを会社に発信し、実現してきた軌跡です。一社にいながら多様な経験を積めるのは、当社の手掛けるサービス領域の広さと社員の成長を促し、学びたい人を全力で応援する社風あってのことだと思います。
これらを踏まえて学生の皆さんには、企業選びの際に以下のポイントに注目することで成長企業を見極めていただきたいと思います。一つはその企業が所属する業界内での立ち位置と強みのバランス。業界内のシェアが大きいほど有利である、というのは分かりやすいと思いますが、それだけではなくその企業だけが持っている技術にも着目してみてください。例えば、当社においては数十年間にわたって日本を支えてきた超大規模システムを数多く手掛けてきたという信頼と実績があります。長期的に安定した運用を続けられる技術というのは分かりづらいかもしれませんが、われわれにしかない強みであると考えています。二つ目は、お客さまとなる業界の幅広さと収益バランスです。一つの業界に特化するようなビジネスも悪くはありませんが、どの業界がいつ不況に陥るかは大変予測しづらく、不況時にじかに影響を受けてしまう可能性があります。また、幅広い業界を顧客とすることで異なる業界のお客さまをつなぎ合わせて新しいサービスをつくることができるという特権もあります。既に当社でも取り組んでいますが、自分たちで新しい市場をつくることはブルーオーシャンを開拓することと同義。まだ誰も始めていないことに挑戦できるチャンスも豊富です。
こうしたポイントを踏まえて、あなた自身が長くキャリアを築ける企業を探してみましょう。インターンシップの本質は企業理解。自己アピールの場にとどめるのはもったいないことです。ぜひ、本質を捉えた就職活動をしてください。
制作担当/若山美帆乃

現場体験を通じて仕事理解を深めるプロジェクト型と、実案件をベースに提案までを体験できるワークショップ型のインターンシップをオンラインで開催予定
インターンシップMUST DOリスト
-
1
企業が最も大事にしている
価値観を理解する自分が違和感なく働けるかは企業ホームページやインターネット上のテキストだけでは分かりづらいものです。ぜひインターンシップ中にオフィスの雰囲気や社員同士のコミュニケーション方法を観察し、企業文化を感じ取ることで大切にしている価値観への理解を深めましょう。
-
2
社員がどのような姿勢で
働いているか観察する先輩社員が普段どのように仕事に取り組んでいるかを観察してみましょう。その企業に入社したとき、自分がどのように働き、成長できるのかを見極めるヒントが得られるかもしれません。座談会などで仕事に対する価値観について、積極的に質問してみるのもいいでしょう。
-
3
自分がその会社で働く姿を
イメージできるようにするインターンシップの本質は企業理解を深めること。少なくとも当社では、ワークを通じた自己アピールよりも自分が将来どう働けるかをイメージするためのネタ集めとして参加いただきたいです。この仕事をこの仲間たちと5年、10年先も続けられるのかを真剣に考えてみてください。