ゴールドマン・サックス
1869年、米国で創業された世界有数の金融機関。投資銀行業務やセールス&トレーディング業務、資産運用、不動産業務など幅広い金融サービスを提供。近年はサステナブル・ファイナンスを重要な経営目標として掲げる
女性の取締役登用を支援した経験で
持続的な社会の創造が使命となる
スチュワードシップ責任推進部アソシエイト
小学校から高校卒業までを米国で過ごす。2017年に東京大学法学部を卒業後、ゴールドマン・サックスに入社。営業職などを経て、20年に現部署に異動する。NPO日本サステナブル投資フォーラム(JSIF)の運営委員としても活躍中
いずれは興味のある社会課題に関する領域で仕事がしたい、という期待を胸にしながら、入社後は為替営業として、機関投資家などのお客さま向けに投資活動を支援。2018年にはオペレーションズ部門に異動になり、規制当局への報告書の作成や、ガバナンスに関する業務に従事しました。そして20年、念願だったESG(環境・社会・ガバナンス)やサステナブル・ファイナンスに関わるスチュワードシップ責任推進部への異動をかなえたのです。
この部門では、コーポレートガバナンスの向上を目的とした、機関投資家の行動規範である「スチュワードシップ責任」にのっとり、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの保有する証券の発行体(企業)に対するエンゲージメント(対話)や議決権行使などを担当しています。担当する企業の、持続的な成長を図るためのサステナビリティ活動における現状を把握し、課題があれば解決策を提示して行動につなげることが、この部署の重要なミッションです。異動したばかりの頃は好きな分野で仕事ができる喜びに満ちた日々でしたが、異動後1年目、業務の先にあるこの仕事の意義を実感し、身を引き締めた出来事があります。
ある医療機器メーカーを担当した際のことです。その企業は女性の管理職比率が低く、取締役に女性が一人もいない状況でした。危機感を抱かないその企業に対し、私はダイバーシティの重要性や、女性の積極的な登用が企業の成長にもたらす価値を一からお伝えしました。また、他社の具体的な取り組みについての事例を集めたベストプラクティス集を作成して紹介するなど、企業の意識を変えるため、誠意を持って対話を重ねていきました。すると翌年、その企業は設立以来初めて女性取締役を招聘し、女性管理職比率を引き上げるための戦略を打ち出したのです。企業のトップ層の行動を促せたことはもちろん、先進国の中でもジェンダーギャップ指数が低いと言われる日本の変革の一歩にもなったのだと、感銘を受けたことを覚えています。自分の仕事が社会に寄与している責任を、改めて自覚した経験となりました。
大切なのは多くの社員の声を聞き
10年後の自分を想像すること
私はその時から目の前の業務を、「企業を含む全ての人々に向けて、世の中をより良く、持続的な未来にするための挑戦」と捉えるようになりました。現部署では、経済や環境への影響力が強い企業が中長期的に成長していくための改善を推し進める役割を担っています。今後も「未来のために」という信念を持ち、価値を発揮していきたいです。
今理想の仕事に就けているのは、就職活動時に多くの社員と対話し、10年、20年後の自分を想像できたことが鍵になったと思います。GSの経営理念の中にある「人材はGSにとって最も重要な資産です」という言葉通り、社員を大事にする文化も実際の声を通して感じられました。今、現部署はニューヨークやロンドンのチームから最新の情報を得ながら活動を進める、刺激的な場所です。「グローバルな環境で社会の発展に貢献したい」ーそんな私のような思いを持つ方にとって、GSは最高の舞台になるでしょう。