有限責任監査法人トーマツ
企業価値をサステナビリティーで評価する時代に
国内外70拠点以上のノウハウを結集し立ち向かう
2002年有限責任監査法人トーマツに入社。金融、エネルギー、製造、小売、医薬、公共などの領域で監査およびコンサルティングサービスへのアナリティクス活用を推進するとともに、データ分析基礎技術開発を行う研究開発部門をリードしている
学生の皆さんも、「SDGs」という単語を耳にする機会が増えたかと思いますが、その根底にあるサステナビリティーという価値観は、実はかなり昔から存在していました。ただ、その時代と比べて経営者のサステナビリティーに対する見方は大きく変わっています。以前はCSR活動と同様に、企業イメージを高めるための一種のコストと捉える企業が多かったのに対し、現在では企業の存続まで左右する経営課題の一つに挙がるようになったのです。例えば気候変動などの環境問題。異常気象による森林火災や洪水の発生により海外の生産拠点がストップする、海運が止まってサプライチェーンが分断されるなど、気候の変化が企業活動に直結する事態が散見されています。今や世界のさまざまな問題が企業経営に直結する時代だからこそ、経営者は常に非財務におけるリスクも想定し、先手を打ち対策を採ることで、さらに企業の価値を上げ続けることを求められているのです。この変化は今後もさらに加速し、この先数年の間に、財務情報だけではない「新しい資本の価値」を定義し直すことが求められるようになるでしょう。
課題の多様化と不確実性が高まる世界で求められるのはリスクを未然に予測し回避するための伴走支援
これまで以上に多くの不確実なリスクに対峙する現代の経営者にとって、リスクの軽減や予測、課題の優先順位付けが、経営判断の大きな一助になります。日々変わる社会における課題の前では、コンサルタントによる過去事例の紹介はもはや意味を成しません。つまり現代のコンサルタントには、膨大なデータを分析した結果を組み合わせて未来を予測し、運用までコミットすることでクライアントの経営リスクを未然に防ぐことが求められているのです。しかし、さまざまな領域に横断的に存在する課題において、これまでコンサルタントが強みとしていた個人の専門性だけでは圧倒的に力不足です。今後は、コンサルタントが異なる能力を持つ人や企業をつなげたり、個人のスキルやノウハウをデジタルツールなどに蓄積し、デジタルアセットとして活用し合うような動きが必要になってくるといえるでしょう。
そんな時代に合わせたコンサルティングの一例として挙げられるのが、苫小牧市が進める脱炭素化プロジェクトへの参加です。地球温暖化を起因とする気候変動は深刻な問題であり、二酸化炭素をゼロにする仕組みづくりは日本だけではなく世界中の課題となっています。デロイト トーマツ グループは関連企業をオーガナイズし、二酸化炭素を捕らえて貯蔵し活用する、いわばカーボンリサイクルビジネスの枠組みづくりを支援。私たちトーマツも、苫小牧周辺に立地する工場などにおけるエネルギーバランスの分析など、アナリティクスの観点から参加しています。誰も攻略したことのない大きな課題ですが、全世界20000名に及ぶアナリティクスの専門家のノウハウと、これまでの研究開発により生み出された最先端の分析手法を用いながら未来を切り開く仕事は非常にやりがいがあるもの。今回のプロジェクトをモデルケースとして、ゆくゆくは日本国内のみならず海外へと展開したいと考え、既に行政機関との連携も進めています。
このような日本社会、そして世界に貢献できるコンサルタントとして活躍するためには、これまでも必要とされていた、率先して提案を進めるための推進力や最後までやり遂げるバイタリティーなどの要素に加え、世にあふれる情報を取捨選択して分析し、自ら描いた未来に向かって、周囲を巻き込みながらプロジェクトを推進していく新たな力が必要です。それらを磨いて成長したい人にとって、トーマツはまさに理想の環境。国内外70拠点以上のノウハウを結集させ、世界最先端の課題に戦略から深く関わり、クライアントに伴走しながら共に課題を解決していくというダイナミックな経験を積むことができますから。刻一刻と変化する不確定な未来に、共に立ち向かいましょう。
次世代コンサルタントに求められる要素
課題解決に必要な機能を
分解し、集め、一つに結び付ける構成力
社会課題は、一企業だけで全てを解決できません。そのため、課題解決の施策を構想して、さまざまな企業の機能を分解し、集め、うまく結び付ける力が求められます
ステークホルダーに納得感を与え
協力を得るためのストーリーテリング力
関係者の協力を得るためには、問題解決によってどのような波及効果があるのか、説得力のあるストーリーを提供することが重要です。今後、最も重視される力になるでしょう
集めた情報をもとに、仮説検証し
新たな施策を生むためのデータ分析力
情報があふれる世の中では、正しい情報を入手することが大前提です。さらに、そのデータを分析して、課題解決のアプローチを構想できることが、コンサルタントの介在価値となります