リーディングカンパニー37社の人事に聞く
学生が知らない成長企業の真実
就職活動に臨むにあたって、企業研究を行う学生は多いだろう。その時に気になるポイントの一つが、会社の成長性だ。では、会社の成長とは何か。その成長を支えるものとは何なのか。そして、成長企業に新卒入社し、働く醍醐味とは……? 国内リーディングカンパニー37社の人事・採用担当者に、各社の事例で“成長企業の真実”を聞いた。
※この記事は特別冊子「インターンシップ・ラボ2021」のweb転載です
ニトリ
サプライチェーンを一貫して自社で担う独自のビジネスモデル、「製造物流IT小売業」を確立。お客さま起点のものづくりで支持を集め、日本のみならずグローバルに店舗を展開。2032年には3000店舗を目指す
ニトリは「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」というロマン(企業理念)を掲げ、国内のみならず、アメリカや中国、台湾などグローバルに店舗を展開し、819店舗を構えるまでに成長してきました。ニトリの事業は皆さんが思い浮かべる〝緑の看板の家具屋〞だけではありません。法人事業部ではオフィスや商業施設の空間づくりも手掛けるほか、新規事業として、これまでのノウハウをもとに、スキンケアやアパレルなどの領域にも参入しています。数々の挑戦が35期連続増収増益という、東証一部上場企業の中でも唯一の実績に結果として表れているのです。
ニトリの事業において特徴的なのは、「製造物流IT小売業」という独自のビジネスモデル。原材料の調達、商品の製造、物流、小売、アフターサービスに至るまで、一連の流れを自社で行っています。
この国内唯一のビジネスモデルを支えているのが、ニトリが自社開発にこだわったIT基盤。20年以上前に全システムをフルスクラッチで開発しました。当時から他に類を見ない独自の事業展開だったこともあり、類似のシステムはなく、試行錯誤を重ねた末に完成に至りました。IT事業を内製化することで、現在では大小さまざまな開発をスピーディーに進めることができています。
そして、最近ではITを用いた新たな顧客体験の創出にも取り組んでいます。例えば、ニトリアプリには、撮影した写真と同一もしくは類似商品を検索するという、機械学習を活用した機能を実装。お客さまの買い物をより便利に、楽しくすることを目的にITを活用し、改善を重ねています。
さらに、ニトリのITは顧客接点であるアプリやEコマースにとどまらず、ビジネスそのものをつくりあげています。それを担うのが「情報システム改革室」。ニトリの37部署全体に横串を通し、デジタル化を推進します。IT投資を行うだけではなく、常に現状のビジネスの在り方を疑い、ビジネスを変革することをミッションとしています。
ニトリグループでは新卒入社・中途入社問わず、入社後に必ず店舗もしくは物流センターでの現場業務を経験します。どんなに最先端のIT技術やシステムを開発し、現場にシステムとして落とし込んだとしても、実際に働いている従業員が使ってくれるシステムでないと全く意味がありません。現場業務を経験することにより、数多くの不平・不満・不便を肌で感じ、現場で働く従業員にとっても、お客さまにとっても、ストレスのない購買活動が可能となります。お客さまと従業員、双方の視点を掛け合わせることが、革新的なアイデアの源泉となるのです。