AI時代、人事は学生の何を見ている?
新卒採用「変わったこと」「変わらないこと」
売り手市場に陰りが見え始めている今、選考の現場では、学生を見極める視点にどのような変化が生まれているのだろう。
その答えを求めて、採用現場を熟知する人事担当者に「新卒採用の変わったこと・変わらないこと」を聞いた。変化の時代でも活躍する人と伸び悩む人の違いは何か。そんな比較も交えながら企業が選考で重視するポイントを探ろう。
だからこそ未知に挑む力を問う
新卒採用課
「何を知っているか」だけでなく
「どう学び続けるか」も見る
評価の軸は、知識や専門性に加えて、どのように学び、考え、自分の力にしてきたかをより重視するようになりました。AIによって必要な知識へ素早くアクセスできるようになった今、知識の量だけでは差が付きにくくなっています。だからこそ、採用では、何を知っているかだけではなく、なぜ学ぼうと思ったのか、どのように学び自分の力にしてきたのかという過程をより重視するようになっています。面接でも、結果の大きさより、選択の背景や試行錯誤の中身を深掘りしています。IT業界は技術が絶えず進化するため、一つのことを極めた経験はもちろん、新しい技術に面白さを見いだす知的好奇心と学び続ける姿勢が重要です。そのため伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は、学びに向き合った背景や主体的な行動から、入社後も未知のことに興味を持ち、自ら学び、成長し続けられる人かを見ています。
企業理念に根差す
挑戦する姿勢
変わらないのは、挑戦する姿勢です。CTCが掲げる企業理念「Challenging Tomorrow's Changes」にある通り、私たちは昔から、変化を恐れず新しいことに挑む姿勢を大切にしてきました。IT業界は技術の進化が非常に速く、次々と新しい技術や可能性が生まれます。だからこそ、今ある知識や経験だけにとどまらず、未知の領域にも一歩踏み出していくことが欠かせません。CTCには、挑戦したいという意思があれば、若手にも積極的に機会を任せ、成長を後押しする風土があります。例えば、エンジニアであれば入社2~3年目で小規模プロジェクトのリーダーを任されることも珍しくありません。私たちが採用で見ている挑戦も、その規模や成果の大きさではありません。自分なりに一歩踏み出し、そこで何を経験し、何を学んだのか。学生時代のそのような経験を伺いたいと思っています。
挑戦を「経験」で終わらせず
次の成長につなげる
挑戦する姿勢に加えて、周囲からのフィードバックを柔軟に取り入れ、自分の行動を振り返り、次に活かせる人は成長が早いと感じます。重要なのは、アドバイスを受けて行動するだけで終わらず、その経験を自分なりに振り返り、「なぜうまくいったのか」、「次はどうすればさらに良くなるのか」を考えることです。このサイクルを繰り返すことで、一つ一つの経験が自分の力として蓄積され、別の場面でも活かせるようになります。実際に社内を見ていても、挑戦した結果を振り返り、次の行動を変えられる社員ほど、経験から多くを吸収し、成長していると感じます。CTCには挑戦できる環境があるからこそ、経験から学び、次の挑戦につなげていく力を大切にしています。
経験を「やりっぱなし」にすると
成長は止まる
伸び悩んでしまうのは、行動したことに満足し、その経験を振り返らずに終えてしまう人です。周囲からのアドバイスを受けて行動することはできても、「なぜうまくいったのか」「なぜうまくいかなかったのか」を自分なりに考えなければ、次に同じような場面に直面したとき、自分で判断して行動することが難しくなります。大切なのは、成功でも失敗でも、経験から自分なりの学びを見つけ、次の行動に活かすことです。実は私自身も、入社当初は言われたことをそのままこなすだけで、なかなか自分で判断できない時期がありました。だからこそ、日々の業務のなかで経験を振り返り、自分なりに意味付けする習慣の大切さを実感しています。
学生のうちに、自分のコンフォートゾーン(安心できる場所)から一歩外に出る経験をしてほしいと思います。部活や研究のような大きな挑戦である必要はありません。趣味やアルバイトでも、自分にとって「少し勇気がいること」で構いません。未知のことに挑戦すれば、思い通りにいかなかったり、悩んだりすることもあります。大切なのは、その経験を振り返り、周囲の力も借りながら次の一歩につなげることです。その繰り返しが、自ら考え、学び、成長する力になります。CTCには、挑戦する意思を周囲が後押しする文化や、若手の成長を支えるOJT制度があります。学生のうちから一歩踏み出し、そこから学ぶ経験を重ねておけば、入社後も新しい環境や仕事を楽しみながら、自分らしく挑戦を続けていけるはずです。


