超AI時代に企業はどう備えるか
経営者たちの課題と挑戦Society5.0の実現を目指す「AI戦略」を国が発表した。
産業分野におけるAI化の促進や、AI人材の育成がさらに加速していく見込みだ。
そんな中で、企業を取り巻くビジネス環境はどのように変化し、それに対してどのような打ち手が必要となるのか。
経営層が持つ課題意識や、今後のビジョンを知り、各社の企業理解を深めよう。
NTTコムウェアは、旧電電公社時代から一貫して国内最大の通信キャリア事業を支え、NTTグループの多様な業務を支える大規模なシステムを開発してきました。
1997年にNTTコムウェアとして独立してからは、NTTグループ全体のICT戦略を策定・実行する会社として、その役割を果たす一方、基幹業務システムに代表される〝守りのIT〟を提供するSoR(Systems of Record)領域と、新しいビジネス価値を創出する〝攻めのIT〟を実現するSoE(Systems of Engagement)領域の両面から、グループ内外のお客さまに対して各種ICTソリューションをご提供しています。
中でも、われわれの強みが特に際立っているのがSoR領域における取り組みです。
現在、NTT東日本、NTT西日本は、2025年を目処に、世界に先駆けてメタル回線で構築された公衆回線網を光回線に置き換え、IP網に統合する大規模プロジェクトに取り組んでいます。NTTコムウェアは、このプロジェクトに関連する主要なソフトウェアを自社で開発。プロジェクトの推進役として大きな役割を果たしています。
もう一つ、2020年のカットオーバーに向けて取り組んでいるのが、NTT東日本とNTT西日本の基幹システムを統合する東西共同利用化プロジェクトです。このプロジェクトは、NTT東西両社で仕様が異なる光回線サービスの顧客管理、設備管理システムの基盤を統合するというものであり、完成すれば2000万人もの加入者を支える巨大システムとなる計画です。
一方、SoE領域における代表的なビッグプロジェクトとしては、現在、NTTグループが米ネバダ州ラスベガスと実証実験を進めているスマートシティプロジェクトが挙げられるでしょう。
NTTコムウェアは、このプロジェクトの一員として、ネットワーク機器やサーバー、IoT機器も含めた多様な機器を統合管理する高度なオーケストレーション技術を提供しており、その技術力は各所から評価を頂いております。
また、自社開発した画像認識AI『Deeptector(ディープテクター)』とドローンを組み合わせた漁業密漁の監視・抑止サービスなど、非通信領域における開発でも、当社の実力に対して、お客さまからの評価は年々増しています。
冒頭にも申し上げたように、NTTコムウェアが提供するソリューションは、安定と安全を重んじるSoR領域と、スピードと柔軟性を重視するSoE領域を両翼とする「バイモーダル」戦略を採用している点に特徴があります。
当社が手掛けるSoR・SoE双方の領域において、デジタルトランスフォーメーションの波が押し寄せ、お客さまからの期待が膨らんでいます。
それはすわなち、AI、IoT、ロボティクスを活用したソリューション開発を担う人材の育成が急務となっていることを意味しています。
特に、ビジネスのリーンスタートアップを支え、柔軟に変更を繰り返しながらシステム開発を進められるアジャイル開発人材や、デザイン思考を活用してビジネス検討フェーズからコーディング/デプロイまでトータルで支援するBizDevOpsの活用は、これから先、非常に貴重となってくると言えるでしょう。
そこでわれわれは、2019年6月にアジャイル開発を推進する場として、『COMWARE TO SPACE』を開設。同年下期からは、アジャイル人材認定制度『COMWARE TO AGILE』の運用をスタートしました。
また、入社1年目から2年目のトレーニー社員の研修にデザイン思考やアジャイル開発を必修化するなど、環境整備は着々と進行しています。
こうした取り組みによって、われわれは、アジャイル人材を現状の300名から次の2年間で1500名体制に拡大し、基礎・先端技術者の底上げを実現していきます。
皆さんも、一度は「シンギュラリティ(AIが人間の知性を超えるとされる技術的特異点)が、2045年に到来する」という説を耳にしたことがあると思います。
AIの可能性は無限の広がりがありますが、その一方で、アルゴリズムとは対照的な知性・感性を駆使した成長は人間にしかなし得ない能力だと確信しています。
だからこそわれわれは、技術に加え、人への投資を惜しまないのです。
われわれを取り巻くビジネス環境は日に日に複雑さを増し、不確実性がいっそう高まっています。
NTTコムウェアは、大規模でクリティカルな社会インフラを支えてきた実績と、多方面の先端テクノロジーのシナジーにより、お客さまとともに考え、動きながら、想像を超える未来を協創したいと考えています。