努力が必要なのはどこも同じ。そう考えていた私が大学の研究室選びで大切にしたのは、共に過ごす仲間でした。指導教員や周囲の学生と活発にコミュニケーションが取れる環境なら、決して容易ではない研究生活も前向きな自己研さんの場にしていけると考えたのです。

こうして選んだ研究室では、分子の構造をコンピューターでシミュレーションし、新素材の開発につなげていくテーマを扱いました。自らプログラミングをする中で手応えを感じ、IT業界を就職先として視野に入れるように。さまざまな企業サイトや就活サイトで情報を収集したものの、立ちはだかったのはIT業界で働く女性のロールモデルが少ないことでした。圧倒的に女性社員が少ない業界で、どのようなキャリアパスを描いていけるのかが見えづらかったのです。五里霧中に陥った私のキャリアに光を投じたのが、当時行われていたシスコシステムズのインターンシッププログラムでした。

当時は「シスコ」の名前すら知りませんでした。しかし、女子学生限定の長期インターンシップであったことと、業務内容だけでなく企業カルチャーも体験できること、何より女性社員の働き方が分かるプログラムに期待で胸が高まり、すぐに応募を決めました。

期間は約1カ月間で、学生1人に社員が1人つき、週に1、2回の1on1メンタリングを受けられる機会も。この場ではどのようなことでも気軽に質問でき、時には他の社員をつないでいただくなど手厚いサポートが魅力でした。学生側全員が参加するセッションでは、若手女性エンジニアや家庭と両立しながら働く技術者、多岐にわたる部署を経験した女性役員が登壇。その多様さに驚かされるとともに、「本当に女性が働きやすい会社なのか」「なぜシスコを選んだのか」などの質問を直球でぶつけました。答えづらい質問もあったかと思いますが、取り繕わず、真摯に向き合ってくれる姿勢に感銘を受け、「ここでなら不安なくファーストキャリアを歩み出せる」と入社の意志を固めました。

入社後は全体研修や技術研修などを経て、9月からはOJT研修として複数のチームで経験を積みました。初仕事から今まで担当しているのはナレッジトランスファーと呼ばれるお客さま向けの技術講習。お客さまは既にその道で何十年も経験を積まれた技術者の方が中心で、その方々にシスコ製品やネットワーク技術についてお伝えすることが主なミッションです。新卒1年目には重責と感じましたが、本番までの2カ月間でお客さまの視点を徹底的に研究し、できる限りの準備を重ねたところ、無事に成功。先輩社員から「自信を持って」と励ましてもらえただけでなく、お客さまからもお褒めの言葉やアンケートをもらい、大きな達成感を覚えました。

“共に働く人”を軸に、研究室も会社も選んだ私。シスコの人たちと働いていると、その選択が間違いではなかったことを実感します。例えば「デザインが好き」と伝えれば、社内ノベルティーグッズの制作を任せられ、サプライヤーとの調整まで担当できたことも。やりたいことを起点に活動の幅を広げられる環境は、かつての私を含め、多くの意欲ある学生にとって魅力的に感じられるのではないでしょうか。

前向きな気持ちを原動力に、今の私は、よりお客さま視点での研修を提供できる仕組みづくりを目標に据えています。将来的には社内用に「提案資料を分かりやすく伝えるトレーニング」などを実施できればうれしいですね。こうした一人一人の「やりたい」という気持ちを受け止め、前向きに協力してくれる“人の良さ”こそが、シスコの魅力的なカルチャーであり、キャリアを築ける理由だと感じます。