ボッシュ
ドイツに本社を置き、自動車、消費財、産業・ビルディングテクノロジーの分野で高い知名度を誇る。1911年から日本でビジネスを展開し、日本の自動車産業の発展に今なお大きく貢献するテクノロジーカンパニー
日本市場における現実を直視した時
小さな成果の蓄積に未来を見つけた
採用担当
大学で中国語を専攻し上海に留学後、カナダの大学に編入し、2年間カナダで生活を送る。2016年の卒業と同時にボッシュ株式会社に入社した後、日本で消費財分野の営業に従事。現在は社内公募で人事に異動し、新卒採用に携わっている
日本であまり知名度が高くない当社に私が入社したのは、日本でのビジネスに伸び代を感じたからです。就職活動中の私は、グローバルにビジネスを展開し、個人に大きな裁量権を与えてくれること、さらにはブランドで仕事をしたくなかったので、有名企業ではなく知る人ぞ知る会社であることを重視していました。全ての条件に当てはまったのが当社だったため、迷うことなく入社を決めたことを覚えています。
入社後は希望通り消費財分野の営業職に配属になりました。ホームセンターや個人経営の金物店、ECサイト運営会社などに商品を置いてもらい、拡販を依頼する仕事です。しかし、世界的には有名でも日本での知名度は低く、お客さまからあまり良いお返事を頂けないケースが少なくありませんでした。日本における当社の知名度を高めるんだと意気込んでいた私は、想像以上に日本に浸透していない現実にぶつかり、勢いをそがれてしまったのです。自分の頑張りで知名度を劇的に上げられると信じていた分、個人ができることの少なさやふがいなさを感じずにはいられませんでした。しかし、壁にぶつかったことで、一気に知名度を上げるのではなく、小さな成果を積み上げ着実に知名度を上げようという思考の変化が起こったのです。この変化を経て、効率的な知名度アップを実現するためには、現場へのPRだけでなく、日本市場を支える次世代への浸透、つまり学生へのブランディングが欠かせないと思い至り、人事として会社をPRすることへの挑戦を決めました。
目標実現のために必要となる
固定観念に縛られない能動的発想
社内公募で人事に異動した私は、インターンシップの改善を実施しました。
インターンシップはグローバル・シーズナル・スタンダードと三つに分かれており、海外拠点や工場での実務経験など実地を重視した内容でしたが、コロナ禍での状況を鑑み、実地研修が難しくなってしまったのです。そこで私は、実地でなくてもこれまでと同様の熱量を持って取り組め、当社の魅力を最大限伝えられるプログラムを検討しました。その一つとして、ホテルでの集合研修や学生が書いたプログラミングコードを研究施設に持ち込み、稼働しているシーンを体験する取り組みを昨年から導入しています。小さな変化かもしれませんが、学生のニーズを把握し、満足値の高い内容にすることが重要だと考えたのです。人事はインターンシップや選考が商材そのもの。プログラムを改良し学生に満足してもらうことが、長期的な当社のブランド価値向上につながると信じています。
当社は日本での伸び代が大きいからこそ、会社として新しい挑戦にも積極的です。そのため、既存の枠にとらわれずアイデアを発信でき、小さくまとまらず情熱を持って行動できる人材が必要であり、活躍しやすいでしょう。
こうした姿勢は就職活動においても大切で、気になったことを発信し、納得いくまで話し合ってほしいと思います。海外の学生たちは、直接企業に電話をしたりSNSで質問をしたりと、アクティブに情報収集を行いますが、日本の学生はおとなしい印象があります。自分がなぜその会社を志望するのかを深掘り、経験をどう活かせるのかを理解しなければならないからこそ、手段を選ばず情報収集をしてほしいです。自ら動き改善を続けながら、入社したい会社を選び出してください。