2022/11/01 更新

変貌するコンサルティング業界

今求められる
次世代型コンサルタントとは?

DX、カーボンニュートラル、ESG、SDGsなど、昨今の経営トレンドの変化を受けて、業界のビジネスモデルやクライアントニーズにはどのような変化が起きているのか。多彩なビジョンと打ち手で経営課題の解決に挑むコンサルティングファーム各社に、現場で起きている変化と、今求められる次世代型コンサルタントの姿を聞いた。

ローランド・ベルガー

教科書的な知識では顧客ニーズを満たせない
「触媒」として業際的な価値を創造せよ

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  • コンサル
  • 企業理解
パートナー
小野塚 征志

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了後、シンクタンク、システムインテグレーターを経てローランド・ベルガーに参画。ロジスティクスやサプライチェーンを主とし、新規事業の開発や構造改革の推進などを通じてビジネスモデルの革新を支援する

大学院を卒業後、日系のシンクタンクで経験を積んだ私がローランド・ベルガーに入社したのは2007年のことでした。前職では対官公庁のリサーチ業務に携わってきましたが、転職後は対エンタープライズへと視野を拡大。主に物流関連の知見を深めていたところ、リーマンショックが直撃し、構造改革やコスト削減の相談を多く手掛けるようになりました。現在の私がロジスティクスやサプライチェーンを強みとし、コスト構造の改革やロボット開発事業を支援しているのは、このような背景あってのことです。

15年間のコンサル経験で感じるのは、昨今の社会がテクノロジーの普及期に差し掛かっていること。従来のイノベーションは、既存商材の販売先を変えたり、大手企業が既存事業でのノウハウを活かして横展開したりする手法が主でした。しかしここ1~2年は、「物流ロボットをサブスクリプションで提供する」、「配送トラックから得られる道路データで、リアルタイムに更新される地図を作る」といった、新たなビジネスモデルを求める企業が増えてきています。テクノロジーが発展・普及し、技術の価格が下がったことで、事業モデルの改革を行いやすくなったことがその要因でしょう。

この流れを受け、企業がコンサルティングサービスに求める内容も大きく変化しました。テクノロジーの黎明期は、極端な言い方をすれば、便利なツールを薦めて「業務を効率化しましょう」と言えばよかった。それに対し、普及期にあたる現在では、テクノロジーの活用を前提とした上で、会社や業界の垣根すら越える新たなビジネスモデルを立案することが求められます。ローランド・ベルガーの存在意義はまさにここにあります。欧州にルーツを持つ組織だからこその強みである、サステナビリティーやカーボンニュートラルなど社会的に注目度の高いトピックスへの深い知見。テクノロジー系企業を中心に、業界を超えて広がるネットワーク。こうした豊富なリソースを活用し、業界間の「触媒」となって化学反応を起こしていけることが、当社ならではの強みです。

優等生的な知識を備えるだけではなく
唯一無二の経験から得られる視野を大事にしてほしい

ローランド・ベルガーのコンサルタントには、どこかとがった部分を持つ、型にはまらない資質が求められます。私が入社した15年前と比較して、企業の経営に対するリテラシーは相当に向上しているように感じます。それでも解決できない難問への手がかりを求める顧客に対し、教科書的な知識を披露するのではコンサルタントとしての介在価値が発揮できません。基礎知識・専門知識の両方を持ち合わせるのはもちろん、常に幅広い業界にアンテナを張り、貪欲に視野を広げることで、顧客の思考の枠を超えた提案ができる次世代のコンサルタントとしてキャリアを築いていけるはずです。

当社ではそのような次世代コンサルタントの成長をさまざまな面で支援しています。入社直後の基礎研修で経営学やコンサルティングスキルなどを体系的に学ぶほか、モビリティ・インダストリーマテリアル・デジタルTMT・コンシューマー・ヘルスケアの5チームを順繰りに経験し幅広い知見を養います。その後ジェネラリストとして総合的な提案力を身に付けるのか、スペシャリストとして専門特化するのかを選択していくのです。またその後もそれぞれの興味・関心に合わせてフレキシブルに異動できます。自らの理想像に合わせて自由にキャリアを描けるのは、当社の大きな魅力だと考えています。

繰り返しになりますが、現在の顧客がコンサルタントに求める役務は、業際的な提案ができる「触媒」としての役割です。奥行きのある知見・明晰なロジックに加え、周囲を巻き込む推進力を持つコンサルタントは、デジタルがどれほど普及しようとも、そのビジネスパーソンとしての魅力があせていくことはないでしょう。新時代に求められるコンサルタントとしてのスキルを自分のものにし、難度の高い事業課題を華麗に解決していく。そういったキャリアに興味を抱いた方にはぜひ一度、ローランド・ベルガーの門をたたいていただきたいですね。

2024年以降に注力する領域

オープンイノベーション

業界の過去事例を参照するだけでは解決しない事業課題が頻発する昨今では、垣根を越えて知見を共有する姿勢が不可欠だ。協調を刺激し、推進するコンサルの存在がますます重要になる

DX

デジタルツールの導入や業務効率化のフェーズにとどまるのでは本来のDXと呼べない。ツールを用いてどのように新たなビジネス価値を生むかを考え、支援するのがコンサルの役目だ

サステナビリティー

「持続可能」とは地球環境だけを指すのではない。地域住民なども含む広い意味でのステークホルダーをあまねく幸福にし、社会への貢献度を高めることが事業の持続可能性につながる

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