2022/12/4 更新 イベントレポート

IT内定者特別講演 文系・理系出身内定者が教える「私がIT業界を選んだ理由」

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2022年10月22日(土)に「type就活フェア 女性のためのビジネス研究~テクノロジー×キャリア~」が開催されました。
特別講演では、23卒IT業界内定者のHさんとMさんにご登壇いただき、IT業界の選考やキャリア設計について伺いました。

こんにちは!type就活23卒インターン生の桜田です。
今回は10月22日に開催された23卒IT業界内定者2名による特別講演の様子をご紹介します。

1. はじめに

株式会社学生就業支援センターが行った「22・23・24卒生対象 業界別イメージ調査IT業界編」によると、「IT業界を受けようと思っていますか?」という質問に対して、約7割の学生が「IT業界を受けようと思っている」、または「受けるかもしれない」と回答しています
このデータからも、多くの学生がIT業界に関心を持っていることが分かります。
一方で、IT業界は「個人でひたすらプログラミングをしているのではないか」というようなイメージが先行しがちです。
今回のイベントを通して、IT業界についてもイメージをより明確にし、今後の就職活動に役立てていただければと思います。

私は当日司会進行として登壇しましたが、もともとIT業界についての知識はほぼ皆無でした…
そのため、私も内定者お二方のお話からたくさん学びがありました。


登壇者
文系大学4年(外資IT内定者)
 Hさん(以下、 Hさん )
 文系学部からシステムエンジニアに。type就活インターン生としても活動。

理系大学4年(外資IT内定者)
 Mさん(以下、 Mさん )
 卒業後はカスタマーサクセス職。学生時代は長期インターンや学生団体の活動に尽力。
  ※ カスタマーサクセスとは?:製品やサービスを通じて顧客の成功を支援すること。

2. パネルディスカッション

IT業界を志望した理由を教えてください
Hさん IT業界に興味を持ったきっかけは、「今後の社会において、何かをよくするにはITが必要不可欠だ」と考えたことでした。また、営業ではなく技術職に就きたいとの思いから、メーカーなども見ていました。
最終的にIT業界を選んだのは私の2つの就活軸に一番合っていたからです。
① 自身の業務がお客様の事業、その先にある社会に貢献できること
② 長期的に活躍できること

特に2つめの軸から、柔軟にキャリア形成ができ、安定して働くことのできる企業を目指そうと考えました。就職先の企業は、穏やかな人が多い環境であり、かつ他部署への異動も柔軟に行うことができます。私はIT業界未経験のため、まずはIT企業が売っているものから詳しくなりたいと思い、ファーストキャリアとして技術職を選択しました。

Mさん 一番の理由は、「人の可能性を広げたい」という自分の就活軸に合っていたからです。そのほか、
① 会社のビジョンと自分の価値観が合うか
② チームで働くことに重きをおいているか

という2点も大切にしていました。これらの観点から、IT業界のほかに広告業界や人材業界も見ていましたが、その中でもIT企業の目指す先が1番自分のビジョンに合っていたので、IT業界への就職を決めました。

就活スケジュールを教えてください
Hさん Hさんの就活スケジュール
 ▲Hさんの就活スケジュール

3年生のうちに就職活動を終わらせることを目標に行動していました。
私は夏の段階では幅広く業界を見ていましたが、夏インターン選考でたくさん落とされてしまいました。その経験から、夏に1週間程度まとめて自己分析やWEBテスト対策をする時間を取りました。
自己分析は、自分の過去の経験エピソードを紙にすべて書き出し、その中から「面接で伝えたいこと」や「今の自分に繋がること」を洗い出すという方法をとっていました。
9月終わりくらいにIT業界に絞って就活をするようになりましたが、夏インターンで出会った企業の中で魅力的だったインフラ・メーカーの企業も受けました。
自分の就職活動を振り返って、秋の段階で早期選考にたくさん応募したことが、冬以降活きたと感じています。
私は緊張しやすい性格ですが、秋にたくさん面接を経験したことで、うまく緊張をコントロールする方法を身につけたうえで冬以降の選考を迎えることができました

Mさん Mさんの就活スケジュール
 ▲Mさんの就活スケジュール

2年生のうちは、ESの書き方や業界研究の仕方など、基本的なことを学んでいました。
3年生になってからは夏インターンに80社以上応募し、選考の中で対策を進めていきました。夏インターンでは志望度がそこまで高くない企業も受け、実践の中で面接練習をしていました。
3年生の8月に3daysインターン経由で初めて内定をもらい、3年12月に秋インターン経由で就職先から内定をいただきました。
自己分析については、irootsという就活サービスの6000字プロフィールと自己分析ツールを活用していました。これは、自分の過去を網羅的に振り返ったり、強みを見つけたりする際に役立ちます。
また、自分が何を大切にしていたのか、なぜその価値観を大切にしていたのか、を探るために「メモの魔力」の質問集も使っていました。
また、以下2つの質問を自分にしてみると自己分析が進むのでお勧めです。
チームの中で周りの人にどういう貢献をしたかったのか
大きな決断をしたときに何を優先したか

IT業界独自の選考はありましたか?
Hさん 独自の選考は特に思い当たらないですが、グループワークが重視されていたと思います。
私が志望していたSEは、チームでシステムを作ったり、営業の人とタッグを組んで仕事をしたりします。そのため、メンバーと協同して一つのものを作る際に必要なコミュニケーション力を重視されていたのではないかと思います。

Mさん IT業界独自というわけではないですが、私が受けた企業ではコンピテンシー面接が行われていました。
これは、学歴や経歴ではなく、企業で活躍するための能力をもっているかで学生を評価する面接です。一般的なガクチカ・自己PRのような質問ではなく、頑張ったことのワンシーンでとった行動/周りの反応について対話形式で質問されるため、1回の面接での質問数はかなり多かったです。

就活ではどんな強みをアピールしていましたか?
Hさん 「調整力」や「行動力」をアピールしていました。具体的には、「自分でまわりに働きかけて、組織内外と調整を重ねて意見を引き出す力」や「多様な方の意見を引き出しまとめて施策に落とし込む力」です。
自身の強みを活かして、社内外のニーズからより良いソリューション・システムを提供し、会社全体の信頼性・持続性を保持する最前線で活躍し、会社に貢献します!という風に面接では話していました。

Mさんまずは聞き手となり、相手の伝えたいことを引き出す力がある 」という強みを約8割の企業で話していました。
私は学生団体の副委員長をしていましたが、コロナ禍で思うように活動できませんでした。そこで、メンバーの過去の経験からどんなときにモチベーションが高まるのか分析し、自分が立てた仮説を相手に聞き返しながら話を引き出すという面談を行った経験があり、その中で身につけた強みです。

文系からITを目指すうえで良かったこと・大変だったことはありますか?
Hさん 内定をいただいた今だからこそ、未経験でもIT業界を目指してもいいということが良かったと感じています。ITはこれまであまり触れることが無かった新しい分野なので、入社先は私にとって『学ぶ場所』でもあります。関心のあるものに携わりながら、その技術を学ぶことが出来るのがすごく魅力的だと思います。今思うと、ITを目指す・選考を受けるという選択肢があって、それを選べて良かったなあと改めて思います。
一方、大変だったことは2点あります。まず、ITへの適性を確かめるのが困難でした。 大学のIT関連の授業を受講したり、プログラミングアプリを活用してプログラミングに触れてみたりすることで、自分がITに楽しさや関心を感じられるかを確かめていました。
2点目は、面接官に「ITに対して関心がある」と伝えるのが難しかったことです。文系未経験だとほとんどの企業で「なぜIT?」「なぜ技術職?」と聞かれます。私は、1点目で述べた行動を面接官に伝えることで、ITへの関心をアピールしていました。ほかにも、今のIT革新技術や志望企業の強みを入念に調べ、その中で自分がどんな働きをしたいのかを伝えるのも良いのではないでしょうか。

理系からITを目指すうえで良かったこと・大変だったことはありますか?
Mさん 私は情報系の学科なので、「なぜITに興味を持ったのか」という質問はされませんでした。一方で、「なぜ大学でプログラミングを学んでいるのに技術職を志望していないのか」と質問されることは多くありました。
文系の方/情報系を専攻していない理系の方は、「ITに興味を持ったきっかけ」をしっかり準備しておくことをおすすめします。
また、大学でプログラミングを学んでいてもIT業界に対する知識が100%あるわけではないため、ITについて少しは勉強しなければいけない点も大変でした。

転職は考えていますか?
Hさん 長く働きたいという軸にもつながりますが、転職はしない前提で就職活動をしていました。しかし、IT業界では転職は一般的なので、実際に働く中で考えが変わる可能性もあります。キャリアの選択肢がたくさんあることはIT業界の強みだと思います

Mさん 私は転職する前提で就職活動をしていました。カスタマーサクセスは転職市場において花形といわれる職種です。まずは大手企業に入り、後にベンチャー企業に転職したいと考えています。カスタマーサクセスという一つの職種を極める形で転職をしていきたいです

内定先でやってみたいことや目標を教えてください
Hさん マネジメントできる技術職になることが目標です。最初は製品知識も技術知識もゼロですので、勉強に励みつつ、日々を楽しみながら仕事していけたらなと思います!

Mさん マネジメントを行う立場になりチームのメンバーをまとめたいと考えています。人の可能性を広げるという軸はこれからも変わりません。マネジメントに挑戦し、チームメンバーそれぞれが個人の可能性を最大限活かして働けるようにサポートしていきたいです

3. 参加者からの質問

当日の参加者からいただいた質問のうち、一部を抜粋してご紹介します。

どのように面接対策をしていましたか?
Hさん 自分一人で練習していました。方法として、まずは企業が過去にした質問やガクチカ・自己PRなどのオーソドックスな質問に対し、回答を紙に書き出します。そこから、自分で深掘りを受けそうなことを全て書き出し、紙を見ずに回答する練習をしました。時間に余裕があるときは、録画をすることで話し方や立ち振る舞いの癖がないか確認していました。

Mさん YouTube上の面接対策講座の動画を1.5倍速でスキマ時間に見ることで勉強していました。また、実際に企業を受けることで、人事相手に実践練習を積みました。答えられなかった質問は、面接後必ず回答を作り準備するようにしていました。

IT知識を身につけるためにスクールに行くべきだと思いますか?
Hさん 私の経験としては、就活中はスクールに行っておらず、就活前にITに関する大学講義を受講したのみです。そもそも企業は、文系学生に技術力を期待していないことが多いと思います。特に法人向けの企業は、大学では学べない技術を扱っていることが多いので、学生時代にITの勉強をしていようとも入社後さらに勉強することは不可欠です。選考で技術力は問われないですが、ITに興味があることを伝える必要があるので、そのためのエピソードとしてスクールの経験を話すならありだと思います。

Mさん 私はスクールには行きませんでした。ITの勉強として行ったのは、ITパスポートを受検し、問題傾向を知ることくらいです。知識を吸収することよりも、社会の中でITを使ってどんな価値が届けられているのか最新のITトレンドにはどんなものがあるのか、を知る方が役に立つと考えます。その他、YouTubeでIT業界解説の動画を見てみるのも手軽でおすすめです。

グループワークで意識すべきことはありますか?
Hさん人の意見を否定から入らない」ことです。たとえ意見がかみ合わなくても、いったん立ち止まって、否定から発言しないように心掛けていました。

Mさん オンラインだと、間が空いたり表情が冷たく見えたりしてしまいます。そこで、うなずいたり、発言したいときにアピールしたりすることで、グループの中に発言しやすい空気を作ることを目指すと良いと思います。

4. まとめ

最後に就活生に向けてメッセージをお願いします
Hさん 新卒での就職活動は一生に一度です。悔いのないよう積極的に行動しましょう!
GDやロジカルシンキングの対策もそうですが、面接官と話し社会人の価値観に触れることで、自分自身をアップデートできるチャンスです。実際に私も就職活動を通して成長できたと感じています。心身の健康を意識しつつ、ぜひ走り抜けていってください!

Mさん 就職活動では受かることより落ちることの方が多く、がっかりしてしまうことも多いです。「志望企業だからOB訪問をしてみる」「持ち駒を増やすために説明会に行く」という行動も大事ですが、「キャリアの考え方を学びたいから社会人に話を聞く」「自分の好きな商品を生み出す側の会社の仕事内容を知ってみたいから説明会に行ってみる」というような、ワクワクする!興味がある!という気持ちから企業に出会う機会を作ってみてほしいと思います
また、今後こんなに自分のことに向き合う時間はないです。自己分析を大事にしてほしいです。
体調に気を付けて引き続き頑張ってください。



今回の特別講演では、「内定者という就活生と近い立場から見たIT業界」をお届けすることを目的としていました。
皆さんの中で、IT業界のイメージがより明瞭になれば幸いです。
ご参加いただきありがとうございました!

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最後までお読みいただきありがとうございました!